自分の波動が変化していく中で、その時々に大切な人と引かれ合う

長尾 最近俺一年くらい休んでるじゃないですか。ずいぶん人がまた変わっちゃって。2000年くらいの頭に初めて会ったような友達は、あきらかに別人だって言うし、小中学の友達もこんな人じゃなかったって言うんだけど、確かにそうだなって思うんだよね。コロコロ変わるんだよ、俺。不思議なんだけど。

大橋 ホントにそうっスね。

長尾 見てくれがけっこう変わるんだよね。イメチェンが好きなの(笑)。友達もどんどん変わってくっていう不思議な因縁もあるよね。昔はすごい気が合って仲良かったのに、考え方が違うとなぜか出会わなくなるっていう。別にそれは友達じゃなくなったわけじゃなくて、終世友達なの。きっと波長で入れ替わっていくもんなんだろうね。不思議だよなぁ。あーあ、いましろさん元気かな〜? ここ数年は、大橋くんとはね、波長が合ってんのかなんだか知らないけど、ご一緒させていただく機会が多くてね。断ろうとも思ったんだけど、最近はまぁ乗っとこうかな、と。

長尾&大橋 アハハハハ。

長尾 大橋くんは、まぁ、ずいぶんと社交的になったよね。

大橋 東京に出てきて7年なんですけど、地元にいたときは友達数人としか会わないし、しゃべらなかったんで、地元の友達からはそう言われますね。実際、そんな変わってないんですけどね。

長尾 昔ね、まだ大橋君が出始めの頃、みんなでよく飲んでたんだけど、大橋はずっーと下向いててさ。全然しゃべんない子だなぁと思ってたけど、だんだんしゃべるようになってきて。

大橋 そりゃ昔は長尾さんと会うの怖かったんだと思いますよ。雑誌で読んでた人が周りにいたら、しゃべれないですよ。

長尾 俺ね、ホント認めてない人が前にいるとけっこう冷たいところがあって。ボロクソに言うのね(笑)。「いつでもいるなぁお前は! ははん、おぬし忍者だな?」とかって。でも、一回好きになると、まぁ大概OK。大橋の描く、あの目にまつわるエピソードがあって、「お前なんであんな目描いてんだよぉ」って朝方西荻のホームで聞いたら、「誰もやってないから……」ってポツリと言われたときに、そういう人好きだなと思って、そっから大橋いいね! と思うようになったよね。

大橋 俺、ずっと嫌われてるなと思ってました。「またお前いるな」っていつも言われてたんで。

長尾 しかし、なんでこんなに大橋くんと仕事して、大橋くんとお酒飲んで、大橋くんとバンドやって、大橋くんとメールしてんだろうね、ホントに。何年くらい前からこんな感じかなぁ。バーターっていうのかな、こういうの(笑)。なかなかないよ、マンガ家同士でこんなの。

大橋 はははは。

——好き合ってるってことですね。

長尾 あはは、勘弁してよ! でも、俺、こないだモンブラン食べてたら、大橋に見えてきてさ。写真撮って送ったんだよ。わ〜大橋くんみたーいって(笑)。

大橋 あれ、ホントに似てましたよね。モンブランの断面が俺の髪型に。

長尾 似てたよなぁ。実に変わったモンブランなんですよ、これが。ヤバい、この変の話、拡張されると困るなぁ。

大橋 でも僕もIKEA行ったときに、変なハンガーがあって、『ギャラクシー銀座』に出てくる最新式の覚せい剤に似てるって写メしましたよね。

長尾 気持ち悪いなぁ、俺たち。なんなんだろうね、これ。本気でなんなんだろうと考えているよ、この関係(笑)。大橋くんの奥さんもそろそろ嫉妬するんじゃないの(笑)。

大橋 嫉妬はないですよ(笑)。

長尾 うちの奥さんは、ちょっと嫉妬してるときあるよ。『もう大橋さんばっかり!』って(笑)この人はホント不思議なんだよなぁ。解読できない。でも、お互い愛知出身だからさ、なんか波長が合うんだよねぇ。

大橋 そうですねぇ。

長尾 寝言で変なこと言ってないといいんだけどね(笑)。「大橋、お前のケツは……」とかさ。

大橋 アハハハハ。

——最後に、お二人の今後の予定をちろっと教えてください。

長尾 夏くらいに連載予定で描いてるものはあります。これは本当に斬新な物語です。構想は、無茶苦茶練ったなぁ、今回は。かなり難題ですよ、これまた。思想的に完全に犯罪。(笑)斬新すぎて出版社の上の人たちにわかってもらえないので説得するために、何回もリライトしました。毎回連載前に100枚くらいボツにされるんだけど、今回も大変大変。1話に半年かけました。でも、(いままでの作品を指しながら)ここからは卒業できたんじゃないかな。生まれ変わったよ(笑)やっとサブカルから抜け出せる!(笑)

大橋 僕もあんまり大きいのはまだ決まってないですけど、連載を目指して長いお話を描いています。

——ありがとうございました! 謎に包まれたお二人の新作、楽しみにしています!
(取材・文=小川知子)

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■長尾謙一郎(ながおけんいちろう)
1972年12月27日愛知県生まれ。92年デビュー。00年に「週刊ヤングサンデー」(小学館)で「おしゃれ手帖」を連載開始。07年「週刊ビッグコミックスピリッツ」(同)にて「ギャラクシー銀座」を連載開始。09年文化庁メディア芸術祭推薦作品に選ばれる。著書に『おしゃれ手帖 愛蔵版』全5巻(同)、『ギャラクシー銀座』全4巻(同)、『バンさんと彦一』(太田出版)、『PUNK』(白泉社)全4巻など。
長尾謙一郎オフィシャルサイト

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■大橋裕之(おおはしひろゆき)
1980年生まれ。愛知県蒲郡出身。05年、初ミニコミ「謎漫画作品集」、06年ひとり連載漫画雑誌「週刊オオハシ」を自費出版で開始。07年、「QuickJapan」(太田出版)にて商業誌デビュー。73から75号まで「世界最古の電子楽器 静子」を連載。10年、「モーニング・ツー」(講談社)にて「シティライツ」連載開始。著書に『音楽と漫画』、『夏の手』(太田出版)、『シティライツ』全3巻(講談社)がある。
大橋裕之 ブログ



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