「この国にはちゃんとカルチャーとして魔術が生きているのね。結社もみんなアクティブみたいだし……。ところで今この街で一番おもしろい魔術ってなんなのかしら? よかったら教えてくださらない?」

 私の質問に対し、さっきまで雄弁だった彼の表情がすこしシリアス味を帯びたのがわかりました。

「Oh……ソウヤネ、トテモ面白い話アルダケド……ちょっとばかしダークやで……? カマヘン?」
「もちろん! ルミ、そういうのが三度の飯より大好きよ!!!」

 私の間髪入れない無邪気な反応に、彼はニヤリと意味深な笑みを浮かべてこう言いました。

「『ヴァンパイアカルト』って知ってル?」

 ゆっくりと丁寧に、言葉を選んで話してくれた彼の優しい心遣いを半ば無視して、手前勝手に超訳させてもらうと、なんでも彼の女友達の一人が最近めっきりそこのカルトにご執心なのだとか。もともと魔術の才あふれる彼女に対し、彼は一目置きつつも気の置けない貴重な良き友人として、いろいろな「黒め」の魔術実践を共にしていたのだそう。けれども実践を重ねるうちに、彼女は彼の勧める「黒め」魔術では飽きたらなくなってしまい、どんどん一人で「メッチャ黒いほう」に傾倒していったのだとか。様々な「メッチャ黒いこと」を模索するうち、彼女が出会ってしまったのが、件の「ヴァンパイアカルト」だったというわけ。

 さぁさぁ、盛り上がって参りましたね。だがしかし! なんということだ……。文字数がぜんぜん足りませーん!!!!

 ということで、今回の「21世紀ダークサイドマジックNOW!~ヴァンパイアカルト編~」は、私の筆が無駄にノリノリになってしまったため、急遽前後編と相成りました。

 ただの「黒め」魔術に飽きたらず、漆黒の闇の中に自らを投じたロンドンの気さくな魔術師先輩のガールフレンド。彼女のたどり着いた極黒魔術「ヴァンパイアカルト」とは一体どんなものなのか……。そして彼はヴァンパイアにならんとする彼女の姿に「ちょっとばかしダーク」な何を見たというのか……。

 「21世紀ダークサイドマジックNOW!~ヴァンパイアカルト・後編~」をお楽しみに。
後編も、サービスサービス!(エヴァが公開になったそうですね。早く観たい!)
後編へ続く

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■谷崎榴美(たにざき・るみ)
現代魔女術・混沌魔術実践研究家として執筆・公開儀式を中心に活動中のリアル魔女。東京リチュアルのメインディレクターを努め、東方ヘルマフロディテ友朋会の高等女司祭として21世紀ニッポンの実践魔術シーンを盛り上げるべく、日夜心血を注いでいる。好きなものは蛇とアニメとおめかし。
谷崎榴美HP






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