1009:海外セレブ

[ビバリーヒルズ宗教白書]

病は祈りで克服!? クリスチャン・サイエンスにどっぷりのヴァル・キルマー

2012.08.10

――実力だけでは生き残れない、ハリウッドという世界に生きるセレブ。彼らを支えているパワーの源、幸運をもたらす見えざる手を分析します。

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こんなぼっちゃりさんになっちゃって……

■今回のターゲット
ヴァル・キルマー (クリスチャン・サイエンス)

 カリフォルニア州ロサンゼルスに生まれ、サンフェルナンド・バレーに育ったヴァルは、チャッツワース高校でケヴィン・スペイシーやメア・ウィニンガムらと共に学んだ後、俳優を志しハリウッド・プロフェッショナル・スクールに進学。その後、ニューヨークの名門校ジュリアード音学院への入学を史上最年少の17歳で許可され、演劇を深く学んだ。ニューヨークの舞台で役者としての経験を積んだヴァルは、25歳の時に『トップ・シークレット』(1984)で映画デビューをし、『天才アカデミー』(85)、『トップガン』(86)の脇役として注目を集めた後、オリバー・ストーン監督の『ドアーズ』(91)で主役のジム・モリソンを熱演し、大絶賛された。1年以上かけて役作りに没頭したヴァルは、ジムが乗り移ったと思われるほどリアルで、歌のシーンも吹き替えなしですべて熱唱。歌手としての才能も認められるようになった。

 しかし、この頃からハリウッドで「ヴァルは使いづらい役者」だといわれるようになる。『サンダーハート』(92)のマイケル・アプテッド監督や、『バットマン フォーエヴァー』(95)のジョエル・シュマッカー監督との対立はあまりにも有名。名作映画にも出演したが、「やっかいな俳優」だと敬遠されたためにキャリアは低迷。近年は激太りなどゴシップばかりが話題になっている。

 ヴァルはとても頑固な性格で、役作りに全身全霊を捧げる一途な俳優だといわれているが、それは、彼が敬虔な「クリスチャン・サイエンス」信者だからだともささやかれている。
 
 日本では「科学者キリスト教会」「キリスト教科学」とも呼ばれているクリスチャン・サイエンスは、79年にアメリカ人のメリー・ベーカー・エディが創設したキリスト教系の新宗教。メリーは、自身のつらい経験をもとに、「病とは心の中の幻想が引き起こす心的なもの」「幻想を取り除き病を克服するには、神とつながる霊的理解によらねばならない」と主張。クリスチャン・サイエンスを立ち上げ、救世主であるキリストの霊的な癒やしのみが病から救ってくれると唱えた。彼女の教えに心を寄せる人は多く、現在、世界には40万人の信者がいると伝えられている。

 医学的処置を拒否するため批判されることも多いクリスチャン・サイエンスだが、ヴァルは両親が信仰していた影響で同教の信者になった。幼い頃からクリスチャン・サイエンス教会に通い、小学校も同教系の学校で、筋金入りの信者へと育ったのだ。

 自分の信仰する宗教を、もっと多くの人に理解してほしいと考えたヴァルは、2002年にクリスチャン・サイエンスの映画『Mark Twain and Mary Baker Eddy』を制作すると発表し、2007年には予告編を公開。ヴァルがプロデュースし、監督も務めるこの作品は、『トム・ソーヤーの冒険』などを執筆した小説家マーク・トウェインとメリー・ベーカー・エディの関係を描いたワンマンショーで、マーク役もヴァルが演じている。予告編を見た評論家たちの中にはヴァルを評価する者がいたが、一部のタブロイドでは「やはりクリスチャン・サイエンスにドップリ浸かった信者なのだ」と書き立てられてしまった。

 ヴァルは男性誌「エスクァイア」のインタビューで、この作品について「マークを通して、生きるために戦った女性について、そしてその女性に何が起こったのかを描く」と説明。「あなたもクリスチャン・サイエンス信者ですしね」と問われると、「そうなりたいと頑張っているんだよ」「深く考えさせられる、そんな信仰だしね」と謙遜しながらも、イエスと回答した。

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