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『アンパンマン大図鑑―公式キャラクターブック』(フレーベル館)

 10月13日、漫画家・絵本作家・詩人などとして活躍した、やなせたかし氏が亡くなった。死因は心不全だが、肝臓がんで8月下旬より入院していた。一昨年は膀胱癌で手術を受けたが、それが転移したという。94歳だった。

 やなせ氏を一躍有名にした作品は、1973年に初めて幼児向け絵本として出版した「アンパンマン」だ。読者の中にもテレビに夢中になっていた人は少なくないだろう。

■哲学的な「アンパンマンのマーチ」

「アンパンマンのマーチ」は、日本テレビ系列で「それいけ!アンパンマン」が始まった1988年に、やなせ氏が作詞し、三木たかし氏が作曲し、発表された。

 さて、この歌を聴いて、歌詞に哲学的な“何か”を感じた人は、少なくないだろう。

 「何の為に生まれて 何をして生きるのか」

 この歌詞に込められた思いは、人は何度も生まれ変わって何度も死んでいくのに、生まれる前にどこにいたのか、死んでからどこへ行くのか“生と死の真理を理解しない”ことを訴えた、弘法大師・空海の言葉と似ている。

「生まれ生まれ生まれ生まれて生のはじめに暗く、死に死に死に死んで生の終わりに冥し」(空海『秘蔵宝鑰』より)

 実は、やなせ氏も空海と同じ四国出身。どこかで通じるところがあるのだろうか。

 ちなみに、この曲は、特攻隊で戦死した弟へのメッセージとして書いたという説も、ネット上で流れている。

 確かに、その前提で歌詞を読むと、それらしくも思えてくる。だが、やなせ氏はそのことを認めているわけではなく、誰かが思いついて書いたことがネット上で広まったのかもしれない。

■アンパンマンとイエス・キリストの共通点

 やなせ氏によれば、アンパンマンは「ひもじい人を助けるヒーロー」だという。悪者をやっつけるよりも、ひもじい人に食物を与えることこそが正義なのだと。

 これは、昭和16年に徴兵され、日中戦争に出征した際に、食糧不足でひもじい思いをしたという自身の体験が題材となっているようだ。アンパンマンは、お腹をすかせた人に自分の顔をちぎって「ぼくの顔を食べなよ」と差し出す。これは当初、批評家や親たちに“残酷だ”と不評を買ったが、幼児たちにはこの部分が大好評だった。

 これは、、最後の晩餐の際に、パンを手に取って裂き、「これはわたしの体である」と言って、弟子たちに与えたキリストが持つ愛と慈悲に似ていないだろうか。

 新約聖書のヨハネ福音書では「わたしが命のパンである。わたしのもとに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決して渇くことがない」とイエスが語っているが、これも“顔をちぎってあげる”というアンパンマンの行為と似ている。






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