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画像は、『ダブルフェイス 潜入捜査編・偽装警察編』(ワーナー・ホーム・ビデオ)

 TBS系列ドラマ『半沢直樹』で主人公・半沢直樹の宿敵、大和田暁を演じた香川照之。最終回で香川がみせた土下座シーンは視聴者の度肝を抜いた。

 ギギギッ!
 ミシミシッ!

 これでもかと躊躇しながら土下座をする香川の関節からは、そんな音が聞こえてきそうだった。そして何よりのインパクトは、香川の顔。怒りと屈辱に満ち満ちたその表情は「口から何か出てきちゃうんじゃないの!?」と見ているだけでハラハラさせられた。香川照之は新しい土下座のカタチを私たちに示してくれた。

 歌舞伎役者でもある香川は時代劇にも多数出演している。なかでも好評だったのは2002年に放映されたNHK大河ドラマ『利家とまつ~加賀百万石物語~』の豊臣秀吉役である。
それまで秀吉といえば1996年のNHK大河ドラマ『秀吉』以降、竹中直人の専売特許のようなものであったが、香川の台頭でその概念は崩れ去った。

 放送当時、インターネットの掲示板サイトでは「秀吉演技対決!竹中直人VS香川照之」というスレッドが立てられ、香川の演技を評価する以下のようなコメントが多く寄せられていた。

「竹中直人は主役で今回の香川照之は脇役なんで単純に比較はできないけど、香川照之の方が深いと思う」

「香川の演じる秀吉の魅力には本当におそれいっている。この嫌悪感、いやらしさ。脇というより主役(ダークヒーロー)のようにして見ている」

竹中直人VS香川照之。そう、本来ならば竹中直人が演じるべき役を、最近ますます香川照之が演じているような気がするのだ。

■見た目も経歴も似ている、竹中直人と香川照之
 
 そもそも、二人の身体的特徴はよく似ている。

 浅黒い肌、こじんまりした身体(香川の身長は171cm、竹中は168cm)、大きな顔、コミカルでキレのいい動き、巧みな顔芸、そこはかとない狂気を放つ眼力。まさに「笑いながら怒ってそう」な感じ。

 そして、ジャンルは違えども、香川照之と竹中直人は共に文化レベルが高い。香川は東京大学文学部卒業で父親は歌舞伎役者の二代目市川猿翁。自身も九代目市川中車を襲名し、歌舞伎の舞台に立っている。一方、竹中は多摩美術大学美術学部を卒業し、現在は母校の客員教授を勤め、映画監督や歌手としても活躍。マルチな才能を発揮している。

 つまり、香川も竹中もハイカルチャーな人間特有の味と深みを持ち、それが俳優業にも反映されているのだ。

 だから2人にオファーがくる役も何となくかぶってしまう。映画『明日のジョー』(2011年)で香川が演じた丹下段平を竹中が演じても違和感はないだろうし、映画『忍たま乱太郎』(2011年)で竹中が演じた海松万寿烏を香川に演じさせても問題ないだろう。

 今現在、香川照之は47歳、竹中直人は57歳で10歳の年の差がある。このまま竹直人が演じていたような役は、ますます香川照之にとって代わられてしまうのだろうか。

 つい先日、国内外の映画と歌舞伎業界に詳しいM女史に「香川竹中・類似説」を語ってみたところ、このような答えが返ってきた。

「表面的には、2人は似ているかもしれない。けれど、どんな悪役をやったところで竹中直人は"いい人"なのよ」

 ……た、し、か、に!



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