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 人間が生きて行くのに欠かせない塩。昔から塩は、食用にするほかに、お清めやおはらいに使われてきました。

 家に侵入してくる邪気を払い、場を清め、日々気分よく生活するために、塩は重要な働きをしてきたのです。よく飲食店の入り口に塩が盛られた器が置かれていたり、最近はあまり見聞きすることがなくなったものの、時代劇中で嫌な来客が去った後に旦那さんが「塩蒔いておけ、塩」と、渋い顔をしながら奥方に命令するシーンなどがまさに塩とお清めの関係を表しています。

 どうして塩がお清めに使われるようになったのか? この理由については諸説があります。1つには、塩そのものに殺菌作用があり、古来、保存食作りに利用されてきたという日常生活の経験によるもの。もう1つは、「古事記」や「日本書記」などの神話のなかにある、イザナギノミコトが死者の国である黄泉の国から帰ってきたさい、けがれを祓うために日向の阿波岐原の海でみそぎを行ったという伝説にもあるようです。

 ともすると、たんなる迷信と片付けられかねない現代にあって、塩を使って清めるという方法がいまだに行われているのは神社を筆頭とする神事の場でしょう。たとえば、今年式年遷宮が行われている伊勢神宮。伊勢神宮では、神事に欠かせない塩を自前で調達しています。神宮のエリアを流れる五十鈴川下流の汽水域にある御塩浜(みしおはま)では毎年、「入浜式塩田法」という方法で、手作業で塩を作っているのです。夏の土用のおよそ一週間、潮の干満を利用して高濃度の塩水(鹹水(かんすい))を作り、御塩汲入所(みしおくみいれしょ)に運び込まれた鹹水をさらに御塩焼所(みしおやきしょ)という製塩施設の釜で堅塩にするという工程で作られる塩の量は200個。重さにしておよそ162kgといいます。

 そこで、ハピズム読者に提案したいのが、自分で塩を作ること。基本的な塩の作り方は、用意した海水をフライパンなどを使用して加熱、途中、硫酸カルシウムやにがりなどをフィルターで除去、煮詰めていき、塩分が結晶の形で現れるのを待つだけ、と極めて簡単です。

■塩作りに用意するもの
・海水
・フライパンなどの鍋
・コーヒー用のフィルター

画像は、You Tubeより

 海水の成分のうち、塩分の比率はおよそ3.4%。うち、にがりを構成する硫酸マグネシウムほかの成分を引くと、1Kgの海水からおよそ25gの塩(塩化ナトリウム)が取れることになります。家庭用食塩の小瓶が100gですから、1リットルの海水から取れるのはその4分の1ということになります。

 問題は、どのような塩水を用意すればよいのか、ということでしょう。これについてはあまり難しく考えず、カレと行った旅先の海や、いい思い出のある海岸といった、ポジティブな印象のある海辺から組んできた海水を使えばいいでしょう。市販のものでなく、自分で作った塩をお清めに使えば、ありがたみも増すというもの。気分よく、毎日を過ごせるのではないでしょうか。
(セルジュ・サキヤマ)



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