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この建物に潜入!

 今年8月、日本のメディアとして初めて、「統一教会の中でも特別な建物」といわれる、「天福宮(チョンボックン)」(ソウル)の内部撮影に成功した。

 しかし、それもすぐに撮影許可がおりたわけではない。日本の統一教会員が同行し、事情を説明したのだが「統一教会の悪いイメージがネットに広がるのではないか」と、事務局長のチェ・フンムン氏は動揺と警戒を隠せない様子。けれども、純粋にこの建物の美しさや面白さを取材したいのだということを伝えると、警戒しながらも中に通してくれたのだった。

■“特別な建物”天福宮の何が特別か?

 「天福宮」とは、統一教会の教祖である文鮮明氏と韓鶴子の14人の子どものうちの、7番目の息子で文鮮明氏の後継者、文亨進(ムン・ヒョンジン)氏が2010年にソウルの竜山区に建てた教会だ。ちなみに、かつてこの場所には、区議会議員会館があったという。まさにソウルの中心部だ。

 建物の前には、世界四大宗教を象徴して6カ月にわたり制作された、イエス・キリスト、ブッダ、マホメット(コーラン)、孔子たちが手を取り合った像が置かれている。長さ4.2メートル、高さ2.3メートル、幅1.4メートルの像は、写真で見るよりもさらに迫力がある。

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 この建物について、チェ・フンムン氏に話を伺った。

「この建物の特徴は、1階のロビーに“精誠室”とよばれる空間があることです。世界会長(文亨進氏のこと)は、霊的なものをもって人々が発達するために、精誠(神様に切に願うこと)を尽くさなければいけないと考えたんです。ハーバード大学で宗教学を学んだ世界会長は、“宗教は統一されなければならない”という統一教会の教えを頭の中だけで終わらすのではなく、実態化することでより人々に明確にメッセージを伝えることを考えました。そして、世界四大宗教の聖人たちが手と手を取り合っている像を作られたのです。

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母親の子宮の中をイメージして作られたため、中には水が張ってある

 天福宮のもう1つの特徴に、統一教会だけでなく、さまざまな宗教を信仰している人々が訪れることが挙げられます。どの宗教の内容も7~8割は同じなので、“この宗教はダメ”というものはないんです。だから、皆さん、自分たちの宗教スタイルでここに来て、拝んで帰って行くんですよ」

 純粋な目で語るチェ・フンムン氏の言葉によどみはない。合同結婚式で結ばれた教会員の両親を持つ“教会員2世”の彼は、今年38歳。自身も合同結婚式で妻をもらい、幸せな生活を送っているという。竹島問題などで揺れる日韓問題についても、「統一教会では、憎み合っている国の者同士が結婚し、平和へと導きます。なので、韓国の教会員の中には、日本人の奥さんや旦那さんをもらっている人がたくさんいるんです。だから日本に対してネガティブイメージなんて持てません。両国とも仲よくなってほしい」と語る。

 ちなみに、天福宮は統一教会が宣教する194カ国の人々の献金によって建てられており、献金者の名前が壁に刻まれている。総工費については、「お金をかけたからいい教会というわけではない」という理由から教えてもらえなかった。

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壁一面に刻まれた献金者の名前。このような壁がこの10倍ほどある

■多額の献金、しかしそれが“気持ちいい”

 さて、天福宮にはたくさんの日本人献金者の名前も刻まれている。韓国に住む日本人だけではないだろう。なぜ、自分がなかなか行けない遠くの教会にまでお金を払うのか? 献金について、教会員がどう感じているのか、日本の教会員2人に話を聞いた。

 まずは、女性教会員。

「もともと、キリスト教の聖書の教えに、“収入の10分の1は、献金しよう”という教えがある。これは、才能や地位や名誉は、神様からのいただき物であるという考え方があるからです。ちなみに、私の名前もこの壁に刻まれているのですが、これは本当に奇跡のような話なんですよ。ある日、通帳やキャッシュを入れたバッグをなくしてしまったのですが、半日後に電話がかかってきて、すべてそのまま手元に戻ってきたんです! すぐに“これは私のお金ではないんだわ。献金しなさいという啓示ね!”と、思い立ち、5万円、天福宮に寄付しました。なんかね、献金って気持ちいいんですよ。やりたくなっちゃうんです。本当に“やりたい……”って思うんです」

 すでに献金の気持ちよさに“病みつき”になっている彼女は、金銭感覚が麻痺してしまう“買い物依存症”に近い状態にも見受けられたが、自分のためだけにお金を使う買い物依存症に対し、彼女は他人のためにお金を使っているところが大きな違いだ。そして、罪悪感もない。「有名会社で働いていたときは人がたくさん集まってきたのに、独立したとたん、お金がなくなって、そして人もいなくなった。それが寂しかった」と語る彼女は、“お金の力”を知っているからこそ、それを手放すことに強い快感を覚えているのかもしれない。

 献金した後、「やっぱり献金しなければよかった」と後悔したことはないのか? と尋ねると、男性教会員が「献金したことを覚えていてもロクなことはないよ」と言って話を続けた。

「愛って、与えるよりも忘れるほうが難しい。だから、これだけ献金したんだから、これだけ神様から見返りがほしいって欲張らないことですね。神様と駆け引きしてたら、信仰は長続きしないよ。ちなみに、私の知り合いの経営者は宝くじで3,000万円を当てて、ちょっと怖くなってすべて献金したって言ってた。私なら、1,000万献金して、2,000万は自分で使うかな(笑)。その人は、毎年1,000万円は献金してると思うよ。でも、献金を教会から強要されることはありません。基本的にみなさん、お金に余裕がある時や、神様が語りかけてくれた時に献金していますね」

 天福宮には、この精誠室以外に、大聖堂、小聖堂、ビデオルーム、食堂、祈祷室、修練所などがあるが、多い時には1,000人以上もの人がここに訪れ、祈祷や教会原理の勉強会などを行っているという。

 天福宮のように、4大聖人が手を取り合った像を置いている教会は、世界中でここだけだ。

 これまで、文鮮明氏は、人々の頭の中に存在する、あいまいな宗教イメージを利用し(キリストの顔もブッダの顔も正確にコレと、思い浮かべられる人は少ない)、さらに反共思想や合同結婚式など、“同じ敵(共産主義)を憎み、同じ道(結婚)を歩ませる”ことで、教会員の連帯感を強め、信仰心を揺るぎないものにすることに成功した。この、文鮮明氏の巧な宣教手腕に対し、“目に見える形”で像を造った文亨進氏は、“イメージの力”を越えることができたのだろうか。教会員によると、これから先、このような像を置いた教会を作る予定は今のところないそうだ。
(写真=酒井透 文=編集部)

次ページより、天福宮の内部を撮った写真を公開



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