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画像は、『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』(TOEI COMPANY,LTD.(TOE)(D))より

■グロ・エロ縛りの物語の全貌!!

 物語は2部構成で、第1部は長崎奉行・高坂主膳(汐路章)による隠れキリシタンへの過激な弾圧を描いた。人間を天プラに揚げるは、百匹いる蛇(本物)のプールに放り込むは、杵(きね)で足をグチャグチャに潰すは、12歳少女の両目には焼きゴテ! と、とても現在の倫理観では映像化できそうにない拷問シーンが次々と展開する。それを観ながら「もう飽きた!」「血はやはり赤いなあ……骨は白か、ふ~ん」「ザッツ、パーフェクト!」(時代劇だって!)と、一喜一憂する汐路章の暴君ぶりも凄まじい。なんでも、監督に劇中でイモリを生きたまま喰わされて、精神状態がおかしくなっていたらしい。

 そして岡田社長、悲願のクライマックス。家来の恋人であるキリシタン娘(処女)を、奉行はその家来の目前で凌辱した挙句、両足を2頭の牛に結び付けて牛裂きの刑に処す。2頭の牛が相反する方向へ歩くと、娘の両足がズバッと外れ、内臓がドバドバ~ッと飛び出す。「やった! 裂けた!」と、ガッツポーズの奉行。恍惚の表情を浮かべる奉行に「高坂主膳はこの後……」とナレーションが被る。悪行祟って天罰か? と思いきや「邪宗徒取り締まりの功績により、大名を経て寺社奉行に出世した」って、何そのオチ?

 第2部は、悪事を重ねるチンピラ捨蔵(川谷拓三)の処刑シーンがすべて。お縄となった捨蔵は、目抜き通りに設置されたノコギリ挽きの刑場に晒される。ただし、その刑場は形式的なもので、3日間晒した後ハリツケにする習わしだった。穴の開いた板から首だけ出して座らされる捨蔵の脇には、殺傷力のない竹製ノコギリがお約束の飾り物として置いてある。深夜、そこへヨッパライがやってきて、竹ノコギリで捨蔵の首をギーコギコ。「ギャーッ」と捨蔵、ノコギリが行ったり来たりするたび、顔も横へ前へ(笑)。竹ゆえ、なかなか切れない分、痛さが長引く残酷さ。翌朝その男はまだそこに居座り、断頭した捨蔵の口に砂を詰めていた。男はヨッパライではなく狂人だったのだ……。

 作品は、さすが当時映倫と揉めただけのことはあって、日本ではビデオもDVDも発売されず、欧州盤DVD『ショーグンズ・サディズム』を輸入して観るしか方法はなかった。だが2000年代中盤あたりから封印映像に関する書物が続々と刊行され、一部のマニアしか知らなかった幻の映画が脚光を浴び始め、2012年にようやく本作品の初ソフト化(DVD)が実現したのだった。

■『徳川女刑罰絵巻 牛裂きの刑』
1976年9月4日公開/東映京都映画
脚本/志村正浩 監督/牧口雄二 音楽/渡辺岳夫
キャスト/風戸祐介、内村レナ、汐路章、川谷拓三、橘麻紀、野口貴史ほか

■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究 家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。新刊に、『蘇る封印映像』(宝島社)がある
ウェブ連載・「幻の映画を観た! 怪獣怪人大集合」



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