――信仰の有無に関わらず、さまざまな場面にスピリチュアル思想が盛り込まれている日本の冠婚葬祭。なんとな~くやり過ごしているものの、中には「アレ? これってありなの?」と思うようなちぐはぐなものも……。長年の海外暮らしで培ったガイジン的視点から、自身の体験をもとに、日本の婚礼を分析してきた映像ディレクター・古川幸卯子が、“子育て”に欠かせないニッポンの儀式について探る第3回。

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(C)yuko kogawa

 みなさんは、『戌の日の祝い』をご存知でしょうか?

 『戌の日の祝い』とは、妊婦ちゃんが、妊娠5カ月目の干支暦・戌の日に、腹帯を巻いて安産祈願のお参りをすることだそう。赤ちゃんができて、最初のお祝い行事のことなんです。

 私は「OH、戌の日ね、妊婦ちゃんも鰻で栄養をつけないとねえ」……なんて調子よく受け流しそうになりましたが、土用の丑の日と、ごちゃ混ぜになっていました。

 それじゃまさに「ウナギイヌの日」((C)赤塚不二夫さん)になっちゃうね!

 そもそも、こんな儀式があること自体、初耳だったんです。伝統的なさらしタイプの腹帯は「岩田帯」と呼ぶそうですが……あら、この岩田帯の着姿、なんかいい感じ?

 というのは、たとえば白装束、フンドシや必勝はちまきなど、日本の儀式用ファッションって、概してちょっと“湿っぽい殺気”というか、独特の湿気った暗さを漂わせていて、ちょっとヤダナ~と常々思っていたんです。対してこの岩田帯は、前方がさがったミニのタイトスカートふうで愛らしい。

 今私が興味津々のタヒチアン・ダンスのパレオスカートを連想させます。

 NOW&これからFUTUREの日本には、軽やかで明るい衣装のほうが合うと思うんです。カラッとサラっと爽やか~。行政だって“ウルトラクールビズ”で男性職員にも短パン推進ですからネ。そんな意味で、いいじゃない、岩田帯。かわいい。

 そうそう、唐突なんですが、私、最近フラ(ダンス)を習い始めたんですよ。

 先生も生徒も、なんとも香しい美女軍団。みんなで踊れば愛とキュートな女性エナジーがムンムンです!
 
 もし母になったら、私は岩田帯を巻いて踊りたいと思います。

【ニッポン豆知識】
☆戌の日とは……?

 「戌(いぬ)の日」とは、12日に一度、十二支の11番目にあたる日のことを指します。子だくさんでお産の軽い犬は、安産の守り神といわれており、それにあやかって、戌の日に安産祈願をするとよいとされてきました。

 中でも、今回紹介した「帯祝い」は妊娠5カ月目の最初の戌の日に行くのがベター。普段着でも問題はありませんので、安産祈願に出向いてみてはいかがでしょうか。

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■古川幸卯子(こがわ・ゆうこ)
1975年、神奈川県生まれ。映像ディレクター、国際マンガ家。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ・ファインアート科卒業。11年間のイギリス滞在を経て帰国。ロンドン時代よりTVCM、ミュージックヴィデオ、アニメーション作品など数多く手がける。著書に、福島第一原子力発電所事故後の東京の日常を描いた『3/11-TOKYO INTERRUPTED-東京一時停止-』(Carlsen Verlag社)がある。
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