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画像は、『法の書』国書刊行会より

 今年3月11日、イギリスのお騒がせセレブとして有名なピーチーズ・ゲルドフが、写真共用アプリ「インスタグラム」に、腕に「O.T.O」と彫ったタトゥーを掲載。

「#93 #テレマ #インスタグラムにいるテレマ信仰者のみなさまにo.t.oを捧げるわ(#93 #Thelema #o.t.o for all my fellow Thelemites on instagram)」という、謎のメッセージとともに、魔術師アレイスター・クロウリーが執筆した本へのリンクを貼り、15万人近いフォロワーたちを「東方聖堂騎士団」へ勧誘していると、ネット上で大きな波紋を呼んだ。

 史上最大のチャリティーイベント『ライヴエイド』の発起人であるボブ・ゲルドフの愛娘で、ワガママいっぱいに育ったピーチーズ。そんな彼女が、出産を間近に控えた3月に「信仰している」とカミングアウトした「東方聖堂騎士団」は、近年、セレブの信者数が激増していると伝えられているカルト団である。

 かつてはサイエントロジーやユダヤ教にハマってきたピーチーズ。2008年に電撃婚したアメリカ人ミュージシャン、マックス・ドゥルーミーを通して「東方聖堂騎士団」を知ったとのこと。2人の結婚生活はわずか半年しか続かなかったが、「神と天使が住む場所(Quo stet olympus)」というアレイスターの言葉を首筋に彫ったマックスの影響を受け、ピーチーズは「東方聖堂騎士団」に入信したのだ。

■アレイスター・クロウリーが率いた東方聖堂騎士団とは?

「東方聖堂騎士団」は、20世紀初めに「友愛結社」「宗教団体」として創設。フリーメイソンと関連していた時代もあったが、アレイスター・クロウリーが指導者になり、「テレマの法」を宗教原理とするカルト団体として再編された。

◆アレイスター・クロウリーとは

 1875年10月12日に、神の主権を強調するカルヴァン主義の両親の元に生まれたアレイスターは、説教師である父親の教えや、厳格なキリスト寄宿学校の生活に嫌気がさし、キリスト教に反発。その反動でオカルトにどっぷりハマっていった。また、「5歳のとき、生後5時間で死んだ妹の遺体を見てから、オカルト的なものに興味を持つようになった」という説もある。なお、12歳で亡くなった父の膨大な財産を手にしたため、生涯職につくことはなかったと伝えられている。

 ケンブリッジ大学在学時の23歳、カバラなど近代西洋儀式魔術を集結させた秘密結社「黄金の夜明け団」の創設者の1人、マグレガー・メイザースと親しくなり入団。2年後、アレイスターが好き放題し、秘密結社をかき回したことにより起こった団の内部紛争にまぎれて脱退。近代西洋魔術において、魔術結社の設立に許可を与える存在である「秘密の首領」を探す放浪の旅に出た。この時、日本にも立ち寄っている。

 そして、29歳の時、新婚旅行で訪れたエジプトで、アイワスという名の守護天使と接触し、神懸りのトリップ状態に陥り「法の書」を完成。この本は、「テレマの法」を掲げるうえでの根本聖典となり、これを基に、32歳で魔術結社「A∴A∴」(銀の星)をロンドンに設立。

 神秘主義関連の作品を、次々と発表したが、34歳の時、妻と離婚したことをきっかけに、結界に頼らぬ無防備魔術や麻薬、酒を使った性魔術にのめり込むようになった。そして、ドイツで接触を受けた「東方聖堂騎士団」にハマり、37歳で同団英国支部を設立。指導者の地位につき、彼の描くカルト団へと再編していったのだった。



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