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災害は怖い

 南海トラフ地震の発生が間近に迫っているといわれる。

 筆者はこれまで南海トラフ地震に関して、主に「いつ起こるか」について警告してきたが、今回は、巨大地震発生によって、「どの程度の被害が出るのか」を考えていきたい。5月24日に政府の地震調査委員会が発表した長期評価では、今後30年以内に南海トラフでM8以上の地震が起こる確率を60%~70%としていて、いつ起っても不思議ではないとする地震学者も少なくない。

 内閣府中央防災会議の地震対策検討ワーキンググループ(以下WG)は、今年3月18日に南海トラフ巨大地震の被害想定の第二次報告として、施設等の被害と経済的な被害をまとめた資料を発表した。この地震では、最大で死者32万3千人、倒壊家屋238万6千棟という途方もない数字が出ている。

 この死者数は東日本大震災の20倍近い数字で、2004年スマトラ島沖地震の死者・行方不明者数の約28万人を大きく上回り、史上最悪の大惨事となる。ただし、これは東日本大震災の教訓を踏まえた上での、千年に一度起きるかどうかという最悪の事態を想定した場合のものだ。

 第二次報告によると、最大3440万人が断水、最大2710万軒が停電、最大930万回線が不通になると推定。また、中部から九州までの空港は津波で浸水し、ビルのエレベーターに閉じ込められる人も、最大2万3千人ほどになる。危険物・コンビナート施設では、静岡県~大分県の臨海部にかけて、流出が最大で約60施設、破損などが約890施設の被害が想定される。

 だが、このような数字を並べられても、どれだけ大規模な被害になるのか、イマイチわかりにくい。わかっているのは、「東日本大震災を超える甚大な人的・物的被害が発生し(中略)国難とも言える巨大災害になるものと想定される」(WG第二次報告)ことだ。

 県別に見ていくと、死者数では、静岡10万9千人、和歌山8万人、高知4万9千人がワースト3となる。静岡県では、じつに県民の35人に1人が死亡するという大惨事となる。

 これを見て筆者が感じるのは、大都市名古屋を含む愛知県が7位で2万3千人、大阪府はそれより下位で7700人という想定が、本当にその程度で済むのかということだ。特に筆者が恐れるのは、名古屋における被害が予想以上に甚大なものとなるのではないかということ。そう考えるのは、それなりの根拠がある。

 予言者の松原照子氏は、2012年2月8の「世見」で、こう書いている。

「日本も火山が多いし、「濃尾も今から126が注意」と書きたくなっても、この数字が何の意味か分からないし、1891と書きたくなったので年月を指しているのか?と自分勝手に判断をしてしまった」これは、以前の南海トラフ地震の記事で書いたように、1891に126を足すと2017となり、2017年に南海トラフ地震が起きるという意味ではないかというのが、1つの解釈だ。これは、名古屋を含めた濃尾平野で甚大な被害が出ることを示唆しているのではないか。

 濃尾平野の地盤は軟弱で、被害想定では、揺れに加えて液状化の被害も全国で最悪クラスとされている。WGの発表でも、名古屋市を含む愛知県西部などの濃尾平野が揺れやすい地域とされる。

 東京・大阪・名古屋のような日本の大都市は、近代以降にM8クラス以上の直撃を受けるという経験をまだしていない。
被害想定では、愛知県が液状化による全壊棟数が約2万3千棟で、全国で最悪だ。だが、対策は進んでいないのが現状なのだ。

■首都圏における被害は?

 それから、首都圏の被害についても触れておくことに。南海トラフ地震の震源が遠いからといって、首都圏は「対岸の火事」では済まない。東京都では、最悪の場合で、津波による死者数が1,500人ほどになると想定されている。

 都内では津波の高さが最高3mに達するという想定だが、これを軽く見てはいけない。高さ1mの津波でも、死亡率は100%になるからだ。また、東日本大震災の際に千葉県浦安市などで液状化現象による被害が問題となったが、同様の被害も懸念される。濱田政則・早稲田大学理工学部教授は、「南海トラフで大地震が起これば、首都圏でも東日本大震災以上の液状化現象が起こる可能性があります」と語り、また名古屋などについても「東日本大震災よりも震源が近く、何倍も揺れるわけですから、被害はさらに大きくなるでしょう」という。(「週刊現代」2013年06月22日号)

 南海トラフ地震では、3連動地震になる可能性が高いと言われているが、さらに一部の科学者たちが可能性を検討している駿河トラフも連動すると、実に4連動地震となる。そうなると、関東では、さらに甚大な被害が出る恐れがあるだろう。日向灘を含めた5連動の巨大地震を想定する学者もいる。

■内閣府WGの落とし穴とは?

 実は、内閣府WGの被害想定には、致命的といえるほど考慮が漏れている部分がある。それは、「原発事故による被害想定」だ。内閣府の防災担当は、「原発事故は規制庁の担当であり、議論は一切しなかった」と語る。最大で死者32万人以上という想定などは、あくまでも浜岡原発などで重大な事故が発生しなかった前提での試算なのだ。

 では、浜岡原発で事故が起きたら、一体どうなるのだろうか。作家の広瀬隆氏によると、想定されている震度7の揺れで、冷却用海水を引き込む地下の取水トンネルが崩壊する可能性があり、主水槽の水は20分しかもたないという致命的な構造上の欠陥のため、メルトダウンを引き起こす危険性があるという。

 前述のように、内閣府WGの被害想定は最悪の事態を前提にしているが、浜岡原発が福一以上の大惨事を引き起こしたら、被害規模はそれ以上になるかもしれない。国会事故調協力調査員で原子力資料研究室(CNIC)の上澤千尋氏の推定では、大地震によって浜岡原発全体で事故が起きた場合、原発から風下方向の70Kmまでの範囲(静岡県の大部分)の全員が全身被曝によって死亡し、110Km(静岡県全体と愛知・山梨の半分位)では半分が死亡するという。

 350Kmの範囲では、早期に現れる健康被害の可能性(急性障害)があり、東は東京都西部や神奈川県の大半が含まれる。
これが現実になれば、比喩的表現ではなく、本当に「日本の終わり」となってしまうかもしれない。

 ところで、南海トラフ地震は数年中には起きないと主張する学者もいる。たとえば、「起きない派」では、阪神・淡路大震災など数多くの大地震を予測的中してきた木村政昭名誉教授(琉球大)、新しい「熱移送説」を提唱する角田文雄名誉教授(埼玉大)、地震エコーによる予知で話題の森谷武男博士(北大)などがいる。

■巨大地震はいつきてもおかしくない

 それに対して、巨大地震が間近に迫っているとする学者もいる。

 今年4月13日に淡路島でM6.3の地震があったが、武蔵野学院大学の島村英紀特任教授(地震学)は、この地震を「南海トラフ大地震の前ぶれだったのかもしれない。大地震へのカウントダウンはもう始まっているかもしれないんですよ」と語る。(「週刊現代」2013年06月22日号)

 島村氏によると、南海トラフで地震が起こる数年から数十年前には、西日本の内陸部で地震が頻発するということで、その前兆がすでに始まっているのではないかという。たとえば1995年の阪神淡路大震災(M7.3)、2000年の鳥取県西部地震(M7.3)、2001年の芸予地震(M6.7)などが、その内陸部の地震にあたる。

 東日本大震災の「想定外」の事態を繰り返さないためにも、被害想定がある地域では、今から十分な対策を講じておく必要があるだろう。

■百瀬直也(ももせなおや)
 スピ・超常現象研究家。10代でスピ世界に目覚め、内外の聖地巡礼を続ける。シャーマニズム、古代史、民俗学、地震予知、占星学なども研究。各種カウンセリングも行う。特技はダウジングによる地震予知。著書は『ヴィア・ドロローサ~イエスが歩いた悲しみの道』『大地震の前兆集~生き残るための必須知識』シリーズ (Amazon Kindle本)など。Twitterは@noya_momose。



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