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左から、柳下毅一郎さん、海猫沢めろんさん、バンギ・アブドゥルさん

バンギ・アブドゥルさん(以下、バンギ) さて来る5月18日のイベント「ハピズムサロン」のトークセッション、男子の部の3人が集まって、まー当日どんなこと話そうか、てあたりを軽く示し合わせておこうじゃないかということで。現代魔術をやってるバンギです。今日はよろしくお願いします。

柳下毅一郎さん(以下、柳下) 柳下毅一郎です。特殊翻訳家と名乗ってまして、SFやら現代文学やらのエッジな小説を翻訳しています。あと映画評論をちょろちょろ書いたり、人殺しの研究をしたり。得意技はサブカル全般です。

海猫沢めろんさん(以下、海猫沢) 海猫沢めろんです。小説やエッセイ書いてます。90〜00年代前半のオタク・エロゲー文化がぼくのルーツなんですけど、基本的に雑食なのでサブカル・オタク系のものは広く浅くという感じです。

バンギ 僕は柳下さんのお仕事には大変お世話になっていて、ペヨトル工房(80年代日本のサブカルチャーをリードした出版社)のバロウズ本とか、昔必死に読み漁ったサブカル本がことごとく柳下さんのお仕事で。

海猫沢 柳下さんってそういう存在ですよね。来月、とある海外文学のイベントで「グロいガイブン」を紹介しなくてはならないのですが、セレクトがほとんど、柳下さんと渡辺 佐智江さんの本ばっかになってこまってます(笑)。

柳下 ははは。でもみんな絶版ですね(笑)。

90年代・村崎百郎・ジャック・パーソンズ

海猫沢 あの頃のパンクっぽい空気は好きでしたね。ペヨトルでは村崎百郎さんとかが編集やってらしたんですけど、村崎さんって実はすごい魔術に興味あった人なんですよね。

柳下 本人は冗談めかしてたんですけど、かなり本気でやってたようですね。露悪的に語るのが好きだったんだろうし、照れもあったんじゃないかな。たぶん半分ギャグ、半分本気ぐらいの感じだったんだけど、本気の部分はあまり人に見せなかったんですよね。そういう意味ではジャック・パーソンズなんかにも近いものを感じます。

バンギ ジャック・パーソンズという人は、クロウリーの直弟子でロケット工学者で、爆発事故で死んじゃって、月のクレーターに名前が残っているという人で。

海猫沢 パンクスギル!

柳下 今、すごく気になって調べてるんですよね。彼はムーンチャイルドを生もうとして爆死したとも言われている。しかも初期のLAのSFサークルにも出入りしていたSF史のキーパーソンでもあるんです。

バンギ オカルトとSFとサイエンスの現場にいて、その後の流れを体現していますね。けどパーソンズは基本的にはただの人で、エピソードにすごく生活感がある。そこらの普通の人がやらかしちゃう生活感のあるスピ、オカルトみたいな今の感覚が、いまパーソンズが気になることと関係するのかも知れない。

隔世遺伝する「今どきの魔女」現象

海猫沢 DIY宗教的な感覚とも絡んでくるよね。日本はオウム以降、オカルトってタブーってかんじじゃないですか。団体で集まってなんか恐い!みたいな。今はネットとかで個人が個人のままつながって、普通の人がスピに目覚めちゃうってのはよくあるんですか?

バンギ 周りだけでも、ネットをつまみ読みしていきなり実践魔女になる自己参入儀式をやる子がすごく増えてますよ。

海猫沢 動機ってなんなんだろう? 『魔法少女まどかマギカ』(テレビ東京系)とか見てとかなのかな……?

バンギ それもあるけど、うつとかの心身的な問題が身近にあって、スピの雰囲気をくぐって「まーそれもアリよね」て人が、 今はヨガにいかずに、魔女にいってる気がする。

柳下 そこの回路が今ひとつ見えないですね〜。海猫沢さんはオカルトに対しては懐疑派なんですか?

海猫沢 昔からすごく好きなんですよ。魔術の儀式とか、密教の修行とかも少ししてたんですけど(笑)。 ぼくは切実に救いを求めてるタイプじゃなくて、ワンダーを求めてるんです。なので、あんまりマジだと「いやそれはなんかキツそうでヤだな」と思っちゃうんですよ。

柳下 よくわかります(笑)。

バンギ 今の新しい魔女っ子たちも、救いじゃなくて可愛いおまじないなんですね。けどその可愛いおまじないを、全的に生きる覚悟を持ってる。

柳下 クロウリーとかも、実はそういう茶目っぽいところありますよね。






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