4、定まらないFBIの捜査の方向性

また、2人の容疑者が拘束された後、英タブロイド紙「ミラー」が、「FBIは、2人と関係がある女性2人を含む12人の潜在スパイの行方を追っている」と報道したが、その直後に捜査当局は、「容疑者2人は単独で爆破事件を起こした」と発表。潜在スパイの話はうやむやに消えてしまった。

5、ホワイトハウスのの行動

 また、アメリカを狙うテロ組織といえば、真っ先にアルカイダが挙げられるのにもかかわらず、今回の爆破事件は、とても早い段階で「アルカイダの線は消えた」と確定されたことに、納得できないと感じる人も多いようだ。

 事件発生後に、オバマ大統領が、サウジアラビアの大使と予定外の面会をした直後に、「アルカイダは無関係」という発表が出されたという情報もある。なお、事件発生直後に、「容疑者」として一瞬拘束されたと、複数の米メディアに報じられた、アブドゥール・ラフマン・アリ・アル=ハルビーはサウジアラビア国籍。身内に6人ものテロリストがいるという説もあり、危険極まりない人物なのに、あっさりと解放されたのは、オバマ大統領の口ぞえがあったからだというウワサまで流れている。

6、メディアの偏った報道

 容疑者兄弟だが、アメリカに来た当初は、敬虔なイスラム教信者だったわけではなかった。身内が公開した、容疑者らがまだ幼い頃の家族写真を見ると、みんな洋服を着ており、母親も髪の毛も隠さず出している。複数の米メディアは、母親とタメルランは、5年ほど前から熱心なイスラム教徒になったと報道。母親が営んでいた自宅エステの常連客の、「その頃から、911はアメリカの自作自演などと言うようになった。イスラム教についても熱心に語るようになり、怖かった」という証言も、報じられている。

 事件の主犯だとされるタメルランが、過激なイスラム教徒になったきっかけだが、叔父いわく、「ミーシャ」と呼ばれているイスラム聖職者に洗脳されたからとのこと。この聖職者は、がっちりとした体格のアルメニア人で、タメルランよりも少し年上だったが、ハゲており、赤いあごひげをたくわえていたとのこと。2人が交流を持つようになったのは、2009年。ボストンのモスクでの出会いだとのこと。「CNN」の取材を受けた叔父は、「ミーシャは、ボストン郊外にあるツァルナエフ家を訪れ、キッチンでイスラム教がいかに素晴らしいか、イスラム教にとって何が悪なのかを、何時間も説いていた。モハメッドはこう言っていた、ああ言っていたなど、長々語っていたんだ」と発言。この聖職者が、「悪魔祓い」も行い、胡散臭い男だったことも明かした。

 しかし、「New York Review of Books」の取材を受けたこの聖職者は、「自分がタメルランを洗脳しただなんてとんでもない。もし自分が彼の指導者だったら、『事件を起こすな』と、全力で阻止したさ」「自分は3年前にロードアイランド州に越してきたが、ボストンを去ってからは、タメルランとは1度も連絡を取っていない」「先日、FBIの捜査官が家に来た。もちろん、彼らの捜査には協力しているよ。携帯電話もPCもすべて提出した」と主張。CNNの取材を受けていた叔父とは面識がないと言い、同誌も「体型は痩せ型。両親とつつましく暮らしている」と伝えた。

 こうして、兄弟が「恐ろしいイスラム聖職者に洗脳され、テロへ突き進んだ」という説は、あっけなく崩れたわけだが、アメリカの大手メディアは、過激なイスラム教が悪だといわんばかりの報道を続けている。

「2011年に母ズベイダットとタメルランがジハードについて語った」などという情報も大きく取り上げており、ジハードという言葉に敏感なアメリカ人の恐怖心をあおっているようだ。

ちなみに、容疑者の2人がチェチェンに関して強い興味を持っていたのは、彼らのSNSを見れば明らかなのだが、ロシア版ビンラディンとして名高いチェチェン独立派の野戦指揮官のドク・ウマロフと、容疑者2人のつながりを深く調べる大手メディアはなく、この点を「おかしい」と感じる人は多いようだ。

また、ツァルナエフ一家はアメリカの生活保護を受け暮らしていたこともあるとも報じられるなど、メディアは、愛国心の強いアメリカ人の怒りを、意図的にあおりまくっているようにも見受けられる。

 主犯格とされるタメルランが死んでしまったこともあり、事件の全貌が明らかになることはないだろうとも囁かれている「ボストン・マラソン爆破事件」。

 もしも、容疑者の2人がダミーであるとしたら、ジョハルの弁護団に、多くの凶悪犯罪者を死刑から回避させている実績を持つ敏腕女性弁護士ジュディ・クラークが参加したことは、せめてものお情けなのかもしれない。



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