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悪い顔してるな~(絵)海老原優

 ミサイル発射問題で緊張度を増す朝鮮半島の38度線だが、中国側(吉林省)の国境には白頭山(ペクトゥサン。中国名・長白山)という、標高2744メートルの朝鮮半島最高峰がそびえている。

 実はこの白頭山、金正恩のお父様である先代の総書記・金正日生誕の地として、北朝鮮では聖地扱いされているのだ(実際は別の場所らしいが)。だから2011年12月17日に金正日が死去した際には、朝鮮中央放送でいつもの女性アナが、次のような文言を厳かに読み上げていた。

「今朝、敬愛する将軍様の逝去に、悲しみの絶叫をあげるように、白頭山の湖の氷が割れ大音響が湖畔を揺り動かした。気温は氷点下22.4度まで低下し、周辺が猛吹雪に見舞われた」「正日峰近くで、気象観測開始以来見たこともない赤い夕焼けで空が染まった」。
 
 日本の新聞では「金正日の死去により、白頭山で超常現象?」などと揶揄されていたが、数日後の放送ではネタがなくなったのか、内容が一気にスケールダウンしている。

「金成日主席の銅像の前で、タンチョウヅルが長時間頭を下げた」「葬儀式場で、ツガイのヤマバトが中に入れてくださいと言わんばかりに窓をつついた」。
  
 ……ふ~ん(汗)。でもね、白頭山にまつわる不思議な話は別にあるのだよ。山頂のカルデラ湖・天池(チョンジ)では、100年以上も前から謎の怪獣が目撃されているのだ!
 
 1980年、中国側山頂にある気象台の職員が、正体不明の怪獣に向かって発砲する騒ぎが起きた。2002年には、3~8メートルの大小20~30頭の怪生物が群れをなして湖面を泳ぐ様子が撮影され、CNNがチャイニーズ・ネッシー、つまり中国版ネッシーとして全世界に報道した。北朝鮮側から見ればノースコリアン・ネッシーだけどね。

 怪獣の姿は、写真では遠景のため小さすぎてよくわからないが、これまでの証言によれば「頭は牛、体は犬、口はカモ、腹が白く背中が黒光りし、赤い毛の生えている怪物」なのだという。う~む……口はカモ? 中国側では吉林省の「吉」を採って吉利(ジーリー)と名付けられた。

 ただしこの天池は、たかだか約1万年前に生じたばかりの歴史の浅い湖だ。しかも白頭山は過去に何度も噴火を繰り返している。常識的に考えて、そのような環境で古代生物が生き残っている可能性は限りなく低い。また火山のくぼみに水が溜まってできたカルデラ湖ゆえ、巨大生物が何十匹も生きていくにはエサ不足だ。そこで浮上するのが「怪獣=潜水艇説」

 天池の北朝鮮側には軍事施設があり、小型潜水艇の試運転や訓練が行われていて、それが怪獣に見間違われたという軍事評論家の見解もあるのだ。牛の角みたいに見えたのは潜望鏡だ。であれば、北朝鮮が怪獣に関して沈黙を守っているのも頷けよう。

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雲も池もなんだか不穏!!
 さて、北朝鮮の軍事施設などという物々しい情報が出てきたが、一方、中国側・長白山の麓には「怪獣庁」なる脱力の施設が設置されている。もちろん正式なお役所ではなく、吉利の像が展示され、吉利グッズが土産として売られている単なる観光スポットだ。吉林省に旅行の際には、ぜひ怪獣庁と天池に寄ってみては? 運がよければ、吉利の写真が撮れるかもしれないよ♪

 ちなみに、2010年に中国の火山学者が「白頭山は噴火を約100年に1度繰り返していて、前回の噴火は1903年。早ければ4、5年以内に噴火するかもしれん」と発表し、2013年の今はまさに予測期間の真っ最中。もし白頭山が噴火すれば、日本にも大量の火山灰が降り注ぐ事態が想定されている。ただでさえ黄砂やらpm2.5やらで大迷惑し、挙句の果てにミサイルまで降ってきそうなのに、もう勘弁してください、ほんとに。

■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究 家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。新刊に、『蘇る封印映像』(宝島社)がある
ウェブ連載・「幻の映画を観た! 怪獣怪人大集合」



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