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しょせん人間の集まりです

「精神世界」という言葉を日本で最初に用いたのは、「たま出版」の創業者である瓜谷侑広氏(故人)だが、当時から30年以上たった今、再び精神世界ブームが到来している。

 だが、ひと口に精神世界といっても、近代スピリチュアリズムからニューエイジムーブメントに属するものまでさまざまな系統、ジャンルがあり、見えない世界の捉え方についても、多種多様な解釈が入り乱れているのが実情だ。

「日本の精神世界を大まかに見ると、既成の新興宗教の影響だけでなく、欧米のスピリチュアリズムやニューエイジなどの影響を強く受けています。これらの世界観には本質的な差はないものの、実際のスピリチュアリストやニューエイジャーと呼ばれる人々の間には考え方や立場の違いがあり、そこには“派閥”らしき微妙な壁があり、ことあるごとに反発し合っています」(精神世界情報通)

 また、スピリチュアリズムはキリスト教色が強い一方で、ニューエイジは仏教色が強いといわれ、見えない世界のとらえ方も、前者は“厳格”、後者は“ゆるい”という話を聞くが、こうした違いはどうして生まれたのだろうか?

「近代スピリチュアリズムは、中世の神秘主義思想から発展しながら、主にヨーロッパや南米のキリスト教圏で興った心霊主義運動で、それまでの唯物論や一神教的な世界観を打ち破りました。その特徴は、『霊界通信』や『心霊治療』などを介して魂の永遠性(輪廻)を説き、霊的覚醒、霊格の向上を目指すのが目的で、イエスを霊的指導者と見なす点においても、キリスト教的な色彩を帯びているんです。一方、1970年代後半にアメリカで巻き起こったニューエイジムーブメントは、東洋思想の影響を強く受けており、その思想は霊性と意識変革を重視するもので、タオイズム、瞑想、禅、ヨガ、呼吸法、占星術、自己啓発、人間性心理学、ニューサイエンス、UFO、チャネリング、ボディワーク、ディープエコロジー、オーガニックなど多岐にわたります」(同上)

 大ざっぱに分ければ、スピリチュアリズムは序列と経験を重視する英国風、ニューエイジは自由と実利を求めるアメリカ風、日本の精神世界はその両方の影響を受けていて、どちらの系統に属しているかで、自ずから厳格さとゆるさの幅が違ってくるというのだ。

「最近はやりの精神世界用語の一つ『アセンション』の解釈についても、この二者間でかなり意見が異なり、お互いに自分の意見が正しいと主張し合っている。ニューエイジャーの間では、『宇宙の波動が上がり、人々の意識も次元上昇。アセンション後には理想社会が訪れる』と極めて楽観的にとらえているのに対し、スピリチュアリストは、『アセンション情報をもたらしている霊的存在自体が高次元の霊とは断定できない』と懐疑的に見る者が多いのが特徴です」(同上)

 スピリチュアリズムをベースに日本で新たな展開をしかけた江原啓之氏も、「アセンションは起きえない、そんな短期間に霊的進化することなどない、アセンションを信じている人には悪いが自分の足元を見つめなめなおしてほしい」(「前世 人生を変える」)などと否定的に捉えている。

 また、精神世界の情報通によると、ニューエイジ系の人は目新しいセラピーやUFO情報などにもすぐに飛びつきやすい軽さがあり、ネットワーク志向が強いのに対して、スピリチュアリズム系の人は、特定の仲間内で伝統的な技法を保守し、段階的な試練を課すような修行者タイプが多く、どちらかといえば前者はS、後者はM的傾向が強いようだ。

 もちろん、両者の間にはさまざまなグラデーションが存在する。いずれにしても、スピリチュアルに関心のある人は自分の心的傾向を自覚した上で、多角的な視点から情報を取捨選択することが、精神世界の見えない派閥(!?)や迷路にはまり込まない予防策といえるだろう。



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