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キッチン用品が魔術道具に!

 みなさんは「おやかんさま」って知ってますか?

 それは数カ月ぶりに上京してきた母と、夜ごはんを共にしていたときのこと。私は母の指に、見覚えのある指輪がはまっていることに気がつきました。そのルビーの指輪は、母が娘時代に彼女の父、つまり私の祖父から母にプレゼントされたものでしたが、8年前祖父が急死した日にどこかに置き忘れたきり、その後いくら探しても見つからないと聞かされていたもの。私がその指輪についてふれると、母はよくぞ聞いてくれました! といわんばかりに「そうなの! おやかんさまに見つけてもらっちゃったのよ!」と身を乗り出して答えました。

 オ、オヤカンサマ……とな??

 耳慣れない言葉、特に油断しているときにこういった、カタカナなのか漢字なのか人の名前なのかなんなのか判別のつかない言葉を突然耳にすると、異言かなにかのように聞こえてしまって、なんとなくぞっとするものがあります。

 おそらくお湯を沸かす「やかん」のことなのでしょうが、「お」と「さま」がついているということは、神様か何かなのかしら…? でもなんか……めっちゃ私が好きそうなものの類いな気がする!!

 好奇心を掻き立てられ、瞳を輝かせながら「おやかんさま」について詰め寄る私に、こういった話が嫌いじゃない母は「その反応を待ってました!」と、嬉々としてことの顛末を語ってくれました。

 なんでも、ある日お気に入りのディオールのサングラスをなくしてしまい、意気消沈していた母を見かねた友人の1人が、「おやかんさま」なるものを教えてくれたんだそう。半信半疑、けれど「すがるわらがあれば、とりあえずすがってみたい派」の母は、友人に教わったとおりに実践してみることにしたのだそうです。

 まず、お水を入れたやかんをコンロにかけ、湯を沸かす。そしてふたがカタカタと音をたてて注ぎ口から蒸気が立ち上り始めたら、手を合わせて、こう唱える。

『もしやもしや、もしやの山にこしかけて、もつれた糸をほどかんとす。おやかんさまおやかんさま、お願いします。どうか、お気に入りのディオールのサングラスを見つけてください。あれはとっても大切なものなんです。あれがないと困ります。買ったばかりだったんです。高かったんです云々……』

 手順はざっとこんな感じ。これだけで、ぱっと魔法のように失せ物が戻ってくるというのだから、なーんとまぁ、お手軽簡単なこと!

 実際、サングラスは数時間後にすんなり見つかり、その上、件の指輪まで、うれしいオマケとしてどこからともなくひょっこり出てきちゃったというのだから、おやかんさま、おそるべし! この効果テキメンっぷりには、母もいたく驚いたのだそう。そりゃそうですよ。だって一家総出で探しまわっても8年間出てこなかった大切な指輪が、ひょっこり出てきちゃったんだから。

 それにしても「おやかんさま」というネーミングセンスしかり、「もしやもしや~」というどことなく子守唄を思わせるようなノスタルジックな呪文しかり、なんともいえない民間呪術のステキ気配がムンムンします! ということで、私は帰宅後さっそくグーグル先生に聞いてみることにしました。

 するとこんな由来を発見。



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