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モーニング娘。公式HPより

 フシギパワーでちょい上ライフ! 今年は全国的に桜の開花が例年よりも早かったりして、駆け足で春がやって来たような感じだけど、「ハピズム」をご覧のみな様はいかがお過ごしかしら? アタシは例年通りにお花見をすることもなく、いつも通りに必要最低限の人としか会わず、ひたすら地味に過ごしてるわよ。むしろ、「地味に過ごすこと」を心がけてるわね。冬の寒さの反動で、春の暖かい陽気というものは、ただでさえ人を浮つかせるじゃない? 普段から地に足着けて生きてらっしゃる人なら、多少浮ついたところで何ら支障はないけど、アタシなんて四六時中浮ついてるんだから、自制してないと大変なことになるわよ。欲に溺れて自滅する様が目に浮かぶわ……。

 欲といえば、先日、「サイゾーウーマン」でも連載されている大先輩・ブルボンヌさんと久々にお話する機会があったんだけど、その最中に「業が深いわね」というお言葉をいただいたの。アタシが23歳の時に整形したことを指してのお言葉だったんだけど、確かにその通り、アタシは業が深い……つまり、欲深い人間なのだと改めて気づかされたわ。切ったり、縫ったり、削ったりして顔の造形を変えるなんてこと、欲深くなけりゃしないもの。そして、それで満足したかといったら決してそうではなく、今度は“心の安住”を求めてお布施できる神様探しに奔走。ねぇ、アタシの業ってどんだけ深いの? 「世界で一番深い海」とされるチャレンジャー海淵よりありそうなんだけど。もしも輪廻転生というものがあるなら、来世では男でも女でもオカマでもいいから、業の浅い人間になりたい……。

 でも、“業の浅い人間”なんてこの世にいるのかしら? そもそも業とは仏教学で「カルマ」を意味し、カルマとは「自分の行為はすべて自分に返ってくる」という因果応報論の“自分の行為”を指しているわけじゃない。そして、負のカルマ……要するに“悪い行為”を生むものとして捉えられているのが「煩悩」で、中でも貪(欲)・瞋(怒り)・癡(愚かさ)の3つは「三毒」とまで言われているけど、世の中見渡してみれば三毒だらけよね。むしろ、三毒の上に世の中が成り立っていると言っても過言じゃないくらい。「毒薬変じて薬となる」なんてことわざもあるように、欲・怒り・愚かさの三毒は、人間や社会が成長する上で欠かせないものなのよ。よって、人間として生まれた以上、“業の浅い人間”にはなれないってことね。

 やれやれ、これでアタシの業問題には方がついたわ……と安堵したのも束の間、幸か不幸か、見つけちゃったんだよね。「もしかして、業の浅い人間?」というお方を。2012年にデビュー15周年を迎えた女性アイドルグループ・モーニング娘。に、11期メンバーとして同年9月に単独加入された、小田さくら様よ。ちなみにご年齢は14歳で、好きな食べ物は松前漬けとナスとクラゲ。とてもJCとは思えないシルバー世代並みの嗜好性からして、煩悩の少なさが窺い知れるけど、ただそれだけじゃないの。このJC、もっとすごいのよ。

 モーニング娘。の公式携帯サイト「ポケモー。」のQ&Aコーナーにて、「あなたは天使です。他人のために良いことができます。さて、何をしてあげますか?」というクエスチョンが出題された際、ほかのメンバーが「落とし物や忘れ物を持ち主のもとに返してあげる!」「朝寝坊さんを起こしてあげます」などアイドルらしいアンサーを提示する中、さくら様は「 人から『欲』というものを取り除いてあげたい」とご回答。ね、すごいでしょ? もはや目線がアイドルはおろか人間の域さえ超越して、天人の高さになってるのよ。アイドル業界なんて、今や日本で一番欲が渦巻いているところなわけだし、もしかすると本当に天界から降りて来たのかもしれないわね。きっと、握手会ではおひとりおひとりに「あなたが煩悩から救われますように」と念じながら、慈悲のお心で握手なさっているんじゃないかしら……。

 そもそも「欲にまみれた者に対して救済精神を持つ」ということは、まず“欲にまみれることの怖さ”を知っていないとできないことだからね。その証拠に、YouTubeで公開されている「小田さくら 52の質問」という動画では、「願いごとをひとつだけ叶えてもらえるとしたら何を願う?」といった質問に「何も望まない人にしてほしいです」と述べていて、この娘に一体何があったのかしら……と思いを馳せずにはいられなかったわ。アタシが14歳の頃は「他人を足蹴にしても自分の望みを叶えたい」というほど欲にまみれていたし、それから14年経った今だって「願いがひとつだけ叶うなら?」と問われたら、「Facebookの創設者より金持ちになりたい」とか口走ってしまいそうだもの。

 ああ、アタシもさくら様のように業の浅い人間になりたい……。そんなことを思いながら、4月17日にリリースされるモーニング娘。の新曲「ブレインストーミング」(ZETIMA)のMVを鑑賞していたら、サビの「GO! GO!」の部分が「業! 業!」と戒められているように聞こえてきて、発作的にamazonで予約注文しちゃったわ。桜の開花は無視できたけど、さくら様の魅力に開眼してしまった事実は無視できない。お布施させていただきます!

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■アボンヌ安田(あぼんぬ・やすだ)
1984年、神奈川県生まれ。16歳くらいで同性愛に目覚め、21歳くらいからライター業を始め、現在は今後の人生の糧になる“お布施の対象”を探している。「サイゾー」(小社刊)、「週刊女性」(主婦と生活社)などを中心に執筆を行い、「テレビブロス」(東京ニュース通信社)では、コラム「おんなブロ覗き見帖」を隔号で連載中。






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