皆さんは、魔術・魔法について、どんなイメージをお持ちでしょうか? 鷲鼻の老婆が大きな釜でカエルの目玉をグツグツ煮たり、黒ずくめの魔法使いが魔法陣を前に生贄を捧げる……そんな光景を想像する人が多いのではないでしょうか。

 でも、おまじないや願かけも、広い意味では「魔術・魔法」です。もし、手軽にできるおまじないで恋愛成就がかなうなら……と、幼い頃、両思いになれるおまじないを試したことがある人も多いのではないでしょうか。ガーベラの花びらをミルクに浮かべて飲む、満月の夜に青いペンで好きな人の名前を書く、などなど。由来もわからず、無邪気に行っていたおまじないという名の「恋愛魔法」。けれども、その魔術・魔法には、数千年の歴史と、神秘学に基づいた根拠があるのです。

 というわけで今回は、現代に受け継がれる恋愛魔法を習得するべく、『聖ヴァニラ学園」主催の「魔術学講座vol.6 恋愛魔法と占いの夕べ」に行ってきました。

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稗田氏による、この日の講座の説明が始まります

 講師は、ハピズムでもお馴染み、「現代の卑弥呼」稗田おんまゆら氏。アドバイザーとして、オカルトショップ『魔術堂』店主のKATOR氏も同席する豪華イベントです。

 会場は、雑居ビルの地下2階にあるクラブ『銀座ブラックハート』。ドアを開けると、きついお香の匂いが立ちこめています。聞けば、「乳香」と「没薬」等を調合した「霊的浄化」のお香だとか。控えめに流れる音楽は、グレゴリオ聖歌。祭壇には、人間の男女をかたどったキャンドルや、花・聖杯などの魔除け&魔寄せ!? アイテムが並んでいます。これらはすべて、オカルトショップ『魔術堂』提供の純正品。30人も入ればいっぱいになってしまう店内は、異様な熱気に包まれており、期待が高まります。

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人間の男女を象ったキャンドルは、この日の講座のキーアイテム
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お清め用の榊、キャンドル、お香など、テーブルの上にはさまざまな魔術グッズが

 参加者は、性別も年齢もバラバラ。スーツ姿のビジネスマンから、不思議系乙女まで。ものすごい美女もいて、「この女性なら、魔法なんか必要ないんじゃ?」なんて考えたりして。「恋愛魔法」と銘打ったイベントなので参加者は女性ばかりだと思っていたのですが、半数近く男性がいたのは意外でした。恋に悩む気持ちは、皆、同じなのですね。

 今回のメインイベントは「集団祈願」。恋愛に関する願いごとを、1人1つだけ用意します。それぞれの願いを参加者全員で共有し、心を合わせて祈ることで、自分の望みを確認しつつ実現につなげようとする試みです。

 講義に先立ち、ラブオイルとテキストが配られます。ラブオイルは、KATOR氏が魔術学・神秘学の伝統を踏まえて恋愛魔法用に調合したもの。恋愛魔法に効きそうな、甘くてセクシーな香りです。テキストは稗田氏著の『ケータイおまじない&占いBOOK』(竹内書店新社)。キュートな表紙だけれど、中身は大まじめ。おまじないや魔法のやり方、注意事項が満載です。

 稗田氏によれば、魔法とは「天から力をお借りすること」。そのため、いくつかの注意事項があります。大事なポイントは、この3つ。

・魔術を行ったら、必ず天にお返しをすること
・集中すること
・魔術は非日常。必ず日常に戻ってくること

 まずは、お清めの儀式です。稗田氏によるお祓いが始まると、皆、素直に頭を垂れ、神式の祝詞に聴き入ります。稗田氏曰く、「西洋式の魔術教室ですが清祓いは神式で行います」とのこと。理由は秘密、だそうです。

 続いて、魔法を行う際に必要な「お守り」を全員に配布。邪悪なものから身を守るために必要なのだそう。配布されたお守りは、キリスト教会で入手した「御絵」。天使の絵が描かれています。特定の宗教に偏らないあたり節操がない、もとい、安心感があります。

 いよいよ集団祈願が始まりました。祭壇の上には、恋愛成就に使うアイテム・男女一対の赤い人型キャンドルが置かれています。願いごとを祈願しながらキャンドルにラブオイルを塗ることで、望みがかなうそうです。「悪いものを祓う」という願いは下から上へ、「自分がこうありたい、または望むものを引き寄せる」という願いは上から下へ。詳しい手順の説明を受けてから、1人ずつ祭壇の前に進み、稗田氏と向き合います。

「そなたの望みは」

 との問いかけに、願いを口にする人、祈祷の言葉を唱える人、さまざまです。

 筆者の番がきました。願いごとを言い、オイルをつけた指でろうそくに触れると、全員による唱和が続きます。

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1人が唱えた後に、参加者全員で願いを声に出して唱えます

「天よ、この者の望みを聞き入れ、地よ、この者の願いを受け止めたまえ」

 皆が一緒に祈ってくれる安心感で、気持ちが落ち着きます。次第に会場に一体感が生まれ、皆の願いがうねりとなって空間を満たしていきました。

 締めくくりは、稗田氏による祈願。皆と同様の祈りの言葉に加え、

「……また、世のすべてのあらゆるところに、平安と愛がありますように。子どもの泣き声が笑い声に変わり、飢えた子どもたちが満たされ、そして、世のすべての国が共に栄えますように。天よ、私たちの願いを聞き入れてください……」

 絶え入るばかりの声明に、神妙な面持ちで聞き入る参加者。目を潤ませる人もチラホラ。

 休憩の後は、質問&アドバイスタイム。「祭壇の向きは?」「しつらえかたは?」などなど、具体的な質問が飛び交います。ハーブや香料を使った魔術については、魔術師KATORが答えます。「最近媚薬の研究をしていまして……」とのお言葉に、どよめく一同。

 いっぽう稗田氏は、参加者のリクエストペーパーを見ながら、てきぱきとアドバイス。「まずは、自分がイイ女になること。精神的に自立していることも大事です」「清潔感が重要。特に男性の方……」魔術を行うならば一層、自分を磨く努力も不可欠なのですね。

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参加者の疑問質問に、ていねいに答える稗田氏。
この日のタイムテーブルは惑星の運行に合わせて組まれているのだとか。
時間に合わせて魔法陣が映し出される。この時間帯は「火星時間帯」

 また、一般的なトラブル解決には「お清め」が有効とのこと。身近なところでは入浴。塩ひとつまみをいれたバスタブに、ゆっくり浸かるのがオススメ。人間関係をよくしたい時には、フェンネルをポケットに入れて出かけるといいそうです。フェンネルはセリ科植物の一種で、古くからハーブとして用いられてきました。美容と健康・強壮に効果があるとされます。インド料理屋さんのレジの横にある口直し用のツブツブに入っている、アレです。

 さらに、稗田氏は、魔術を行う上での注意事項として、「魔術とは天の力を借りること。だから、魔術やおまじないをかけたら、必ずお礼をするのが大事です」と語ります。具体的には、「お礼の基本は血と汗です。献血やボランティアなどがいいでしょう。できない時は、寄付や義援金などでもいいですね。そして、なるべく不平不満を言わないこと。どうしても怒る時は、時と場所を決めて」。

 集団祈願を終え、場内は興奮冷めやらずといった雰囲気。「集団祈祷などの魔術のお祈りによって、人の温かみを感じました。自らを見直せると思いました」「魔術が大好きで、今までにもキャンドルを使ったマジックをやったことはありますが、今回ほど長い時間をかけて行ったのは初めて。1人でやるよりも空気が重厚で、『これはエネルギー?』と驚きました」など、参加者たちは集団で祈るパワーを体感したようです。

 錬金術師をあらわす「alchemist」とは、chemistry(化学)の語源です。薬草の知識に長けた女性を魔女とみなしていた時代もあります。つまり魔術とは、科学であるとも言えるのです。近年では、人の心も科学で解明できるとの説があります。人の心という目に見えないものを、確かな基準によって解き明かしたい、そしてできるなら、よりよい運を手にして幸福になりたいという思いは、今も昔も変わらないのでしょう。
(よいこ)

稗田おんまゆら

『聖ヴァニラ学園』
「魔術学講座」の次回開催日と授業内容、イベント情報はホームページで確認できます。

『魔術堂』



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