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 2011年3月11日、あの東日本大震災が起こった。これまでに発表された震災による死者・行方不明者は1万8574人(13年2月13日時点)、復興作業もまだまだ終わりが見えない。そんな中、いまだ行方不明者を探し続ける家族も多く、その最後の“手段”として、“霊視”にたどり着く人も多いという。そこで今回、こうした霊視を行う福山ていしん氏に、実際にあった震災にまつわる相談者のエピソードを聞きつつ、さまよう魂たちへの供養方法について教えてもらった。

ーー今回は、福山ていしん先生に“魂の言葉を聞く”というテーマで、お話をお伺いできればと思います。震災以降、先生はどのような活動をなさっているのでしょうか?

福山ていしん(以下、福山) 被災者の方にこちらに出向いていただいてご相談を受けたり、ご依頼で被災地へ伺ったりしています。

ーーこの2年間でどれくらいの相談件数が寄せられましたか?

福山 震災が起きて2011年3月末まででお会いした方が17名。被災地の方からのメールで無料対応したのは、128件くらいでした。また、被災されていなくても被災地に家族がいらっしゃる方からの問い合わせも多かったので、実際は426件ですね。亡くなった家族がいるのだが、話はできますか? どのように供養すればよいですか? というような問い合わせが多かったように思います。今でも週に2〜3件はそういった問い合わせがあります。

ーー現実的な話ですが、無料のメール相談だけでなく、実際にお会いして先生にお願いをする場合にどれくらいの料金がかかるのですか?

福山 大きな会場で皆さんにお集まりいただいてお話するのは、一度でおひとり2万円という相談料をいただいています。これは大都市で大きな会場を設けて、そこにお越しいただくというのが前提です。宮城の方ですと、仙台で会場を借りて、まとめてお話をさせていただきます。その場合も2万円ですね。

ーー個人で先生を呼ばれる方もいらっしゃるのでは?

福山 そういうお話もあります。個人の方に呼ばれた場合、もちろん伺うのですが、メールや電話でいろいろとお話を聞かせていただいてからにしています。行ったはいいけれど、故人の方を見つけられなかったり、対話できなかったりしたら、お互い気まずい思いが残るだけですので。私自身がどのように接すればよいかという準備も必要ですから、そのときは一度お話をしてから決めていきましょう、というお話をさせていただいているんです。

ーー実際に、先生のところにコンタクトを取られる方は、口コミであったり、インターネットで調べたりする方が多いですか?

福山 インターネットでの検索が多いと思いますね。昔は、ブログも書いていたんですが、今はFacebookのほうを頻繁に更新していまして。

ーー具体的には、どういった内容のご相談が多いのでしょうか?

福山 震災後1〜2カ月の間は、ご家族が生きていると願っていらっしゃる方も多かったんですよ。それで、その方が今どこにいるのか探してほしい、というご相談がやはり多かったんですね。亡くなっていることが前提であれば、お話もできるのですが、生きていると信じてらっしゃる方のご相談で、そのご家族が亡くなっている姿が見えてしまったときには、そのお話をしてもよいのか、すごく難しかったです。

ーーもうすでに亡くなってしまっているという前提のご相談者の方にはどのようなお話を?

福山 ご相談者の中には、故人をご家族自分たちで探そうとする方もいらっしゃいますから、そのような方には、どの場所にいらっしゃるかということや、亡くなった方がどのような思いでいらっしゃるかということをお話させていただいています。

ーー故人との対話というのは、具体的にどのような状況になるのでしょうか?

福山 亡くなった方にとって、死の間際というのはかなりの恐怖ですので、パニックのような感情で出てくる方が多いです。亡くなった方がかなり強い思いを持っていると、ご家族や知り合いの方にある種の憑依をすることもあります。

ーー被災地の方でもそのようなことがあったのですか?

福山 仙台市で、30代の女性とその赤ちゃんが一緒に亡くなった身内の方の自宅に呼ばれてお話をしたときのことです。その方の実家の方と嫁ぎ先の方を交えて、総勢12〜3名くらいで話しました。そのときに、その方の妹さんがいて、皆さんとお話をしていると、妹さんの気分が悪くなってきたと言うんです。うつろな感じでうつむいているなと思っていたら、手をこするように落ち着きがなくなってきました。私は亡くなった方と対話をしていたのですが、故人が妹さんへ近づいて、そして、妹の背後に来た瞬間、そのまま妹さんの中に消えていったんです。お姉さんが憑依したんでしょう、妹さんの口から亡くなった瞬間のお話をし始めたんです。故人は車を運転していて、津波に流されている間「ああ! ああ!」、「ギャー」とわめいていて、水に飲まれて沈むときにも、ものすごく悲鳴を上げていました。それがあまりにも生々しくて、周りの方が妹さんを故人と思って「大丈夫だから」と声をかけて、お母さんは手を握って。それからしばらくして落ち着いたかなと思った瞬間、その人自身が、仏教でいうと亡くなってから、私たちが住んでいる娑婆の世界から離脱することを涅槃(ねはん)というんですが、その状態に入ったんですね。

ーーそこで、妹さんもお姉さんも落ち着きを取り戻したということですね?

福山 涅槃っていうのは、ある種の成仏の世界に行こうとか、死後の世界に行こうとするんですね。そこで、落ち着いた状態で話を聞いていると、彼女は自分の乗っていた車にまだ子どもがいることを知らせようと、家族のところに来たらしんです。実は赤ちゃんは車の中で見つかっていたのですが、自分は車から流されてしまって、その方だけ見つかっていなくて。赤ちゃんが見つかったことを知らなかったようなんです。

ーー被災地でのほかの依頼でも、やはり同じようなことが?

福山 震災で亡くなった方の魂というのは、いろいろな思いを持っています。自分が死んでしまったこともそうですが、中には助けたくても助けられなかった家族がいたり、逆に自分は死んだが、生きている家族に感謝の気持ちを伝えたいという方もたくさんいます。ですので、類似したお話はたくさんありました。

ーー個人だけでなく、被災地でも霊的なものを感じることもありますか?

福山 被災地全部を回ってはいませんが、点在していくつもあると思います。特に、亡くなった方が流されている場所、海流の関係で多く流されている場所はそうです。そういうところでは、人魂は、科学的にいうと、生き物が亡くなって発生するリンが空中で光るというんですね。海の中でもそうで、人間のリンが出るとまるで海蛍のように光るらしく、ダイバーの方がもしかしたらと思い、捜索すると遺体があったという話は聞ききます。僕はリンが見えるわけではないが、手招きしているとか、誰かがいると感じます。

ーーやはり、霊魂は亡くなった場所に留まるものなんでしょうか?

福山 その場合が多いですが、反対に被災された場所から家族を救い求めて移動する場合もあります。体育館や公民館など、ご遺体を搬送して安置している場所でもすごく感じますね。遺体がつれてこられたことで、ここに家族が来てくれるんだと思って、いまだに待っている亡くなった人たちがいるんですよ。

ーーそこで、やはり供養が大事になんですね。

福山 亡くなった方がどういった供養を望んでいるのか。また、本当の供養とうのはどういったものをしてあげればよいのか。お経をあげればよいかというと、そうでもないんです。震災で父親を亡くしたある家族(小学生の娘と母、祖母)が尋ねてきたことがあって。遺体は見つかっているんですが、お父さんが案の定、一緒について来たんです。お嬢さんが毎日お経をあげているが、お父さんに対して「お経は聞こえてる?」と聞いてほしいと。そうすると、お父さんは「聞こえている」と。お嬢さんが「お経っていいの?」と聞いたら、お父さんが「一生懸命あげてくれているのは伝わるけど、お経はさっぱりわからない」と答えたんです。そうなると、お経というのは何なのかという話ですよね。お経を唱えて供養して、成仏するのかっていったら必ずしもそうではないようです。

ーーお経もただ唱えているだけではあまり意味がない、と?

福山 仏教的、宗教的な思想の中で、人の生きてくための道徳などを仏教の中で照らし合わせて「こうあるべき」ということはあります。でも、それでは亡くなった方、それから遺族の方が納得できない、何かすっきりしなとおっしゃる方もいます。そうすると、故人がどういう気持ちで、どんなことを訴えたいのかを聞くことによって、残された人はどうすべきかを考え、先に進むことができるのだと思います。

ーー生きている我々と、亡くなってしまった方。双方にとって難しい問題ですね……。

福山 本当にその通りです。生きる人と亡くなっている人と何が違うのか。生きる人と亡くなる人、我々の世界から見て、そこにはどんな意味があるのか、その答えはわかりません。

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■福山ていしん
2001年から霊視、除霊活動を開始し、テレビ、ラジオ、雑誌でも活躍。著書に『恋愛・婚活に効く 幸せのパワースポットガイド』(ベストセラーズ)ほか。東京・名古屋・大阪を中心に毎日霊視相談を開催し、メールでも相談を受け付けている。
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