――誰もが知っている有名どころばかりがパワースポットじゃない! 身近で意外な場所にも、神聖なパワーがあふれているんです。それはヒーラーや占い師などが顧客にだけ教えている秘密の場所。そんなパワースポットをこっそりご紹介します。

 今回のパワースポットは、東京・新宿の歌舞伎町に鎮座している「稲荷鬼王神社(いなりきおうじんじゃ)」です。歌舞伎町に神社なんてあったんですね。

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歌舞伎町のビル街の一角に鎮座

 境内に入ると、いきなり、頭に大きな水鉢を載せてしゃがんでいる鬼の像に出くわしました。なんともユーモラスな表情です。これは江戸時代後期に作られたとみられ、当時は旗本屋敷にあったようです。毎夜、水浴びのような音が聞こえ、刀で切りつけたものの、家人に病災が頻繁に起こったために寄進されたという伝説が残っていて、鬼の肩のあたりに刀傷が残っているのだとか。

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鬼……というより、ふてくされたおじさんのような顔です

 写真を撮っていると、神霊リーディングが得意な天上桃香さんが到着。正面の拝殿でお参りすると、右横に大きな甕(かめ)が見えました。竹の筒が見えます。

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こちらが、稲荷鬼王神社の拝殿です

「これは『天水琴(てんすいきん)』です。江戸時代に庭師があちこちに作ったのですが、だんだんすたれていったみたいですね。稲荷鬼王神社では往時をしのんで、2004年に天水琴を建設したんですよ。大神さまのおわします社殿の屋根からの雨水を大きな甕にため、少しずつ水琴窟(すいきんくつ)に注いで、音を奏でるしかけになっています」

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これが天水琴。この甕は石州甕だとか。かなり大きいものです

 ……って、桃香さん、さっきから由来を読んでいるだけですね。でも、天水琴、水琴窟とは初耳です。

「いいじゃないですか(笑)。要するに、雨水が竹の筒を通って、少しずつ地中に流れるように工夫されている。地中にも甕が埋められていて、したたる水音が反響するんです。突き出ている竹の筒からそれを聞いて楽しむんですよ」

 さっそく、竹筒に耳を当ててみました。どこか遠くで、誰かが弦をつまびいているような音が聞こえます。参拝客が大きく拍手を打っていると聞こえにくくなる、かすかな音です。

「天水琴は、水琴窟の一種ですね。私たちが知っているような水音とは違うでしょう? この、かすかな音を聞き分けることによって気持ちを静め、魔を遠ざける効果があります。水音は聞く人が誰もいなくても響いていますが、自ら“聞こう”という意思を持たなければ、耳に入ってきません。よりよきものに自分を重ね合わせようとすることで、嫉妬や怒りといった自分の負の感情や、悪だくみ、災厄から身を守ることができる。そして、この水音のようにわずかな兆しかもしれませんが、問題の解決策の糸口が必ず見つけられるようになると思います」

 水音は、決して華やかなものではありません。それだけに、かすかな反響が織り成す味わい深い音の深みを耳にした後だと、桃香さんの説明がしっくりきます。

 神社内には、新宿山の手七福神の1つである恵比寿神社も遷座されています。この参道わきにも水琴窟があるそう。

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灯篭に水をかける水琴窟。こちらも2004年建設

 ひしゃくの水をかけると水が地中(常滑焼の釜)に伝わり、音を不規則に響かせます。水をバシャバシャとかけると、竹筒から聞こえてくる音もかなり反響しますが、時間がたつにつれて音が間遠になるのがわかります。筆者は水量によって音が不規則になる水琴窟が面白いと感じました。天水琴と水琴窟という2つの風雅な音響装置がある、一風変わった稲荷鬼王神社。“負の感情”と“魔”にオサラバできるスポットを訪れて、損はありませんよ!
(恐ミオ)



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