――神聖な"気"が集まる「パワースポット」。けれどそこは、どうにかして幸せになりたい! と願う女たちのよどんだ気で埋め尽くされた場所でもある。礼節を忘れ、私利私欲に走るパワスポバカの実態に迫る!

 京都の有名パワースポットとして最近有名なのが、京都・四条にある安井金比羅宮。こぢんまりとした神社ながらも、京都のど真ん中でアクセスしやすいことから、連日大勢の参拝者でにぎわっています。

 ご祭神は、かの「日本三大怨霊」とも呼ばれた崇徳天皇。保元の乱で讃岐に流された崇徳天皇が、讃岐の金刀比羅宮で欲を断ち切ったことから、断ち物の祈願所として信仰されました。不倫相手の男性とその妻との縁を壊したい女や、嫌いな相手を陥れたい人など、憎い相手を不幸にしたい、ドロっとした人々が全国から集まります。

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悪縁切ります! どーん!!

 安井金比羅宮へ続く鳥居は、観光客に有名な八坂の塔や二年坂へと続く東大路通りに面しています。参道を抜けると、そこには無数のお札が貼られた大きな岩、その奥に本殿があります。

 この岩こそが、参拝者にとっていちばんのお目当て、「縁切り縁結び碑(いし)」です。高さは1.5メートル、幅は3メートルの絵馬の形をした石。参拝者は、形代に願いごとを書き、それを持ち、心の中で念じながら、中央にある小さな穴をくぐって裏側へ。そして、もう一度くぐって元に戻ります。一度くぐって悪縁を絶ち、もう一度くぐることによって良縁を結ぶそう。最後に形代を碑に貼ってフィニッシュ。

 この中には、いったいどんなダークな女たちがいるのか……。ドロドロ不倫で相手の妻を陥れようとしている女や、片思い相手に半分ストーカー化している女などなど、きっと、どんよりとした暗い表情の女たちが集まっているにちがいない、とびくびくしながら境内に入ると、縁切り縁結び碑の前にずらりと並んでいるのは、なんともかわいらしい20代~アラサーくらいの年齢の女性ばかり。

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わらわら集う人の向こうに見える白い塊が……

 絶ちたい縁や想いを胸に秘め、どんより暗い表情をしているかと思いきや、友達同士楽しそうにおしゃべりをしながら、ニコニコ笑顔で順番待ちをしています。比較的若い女性が多いせいか、縁切り縁結び碑の間をくぐるときには、ミニスカートでパンチラを披露してくれる女子までいらっしゃいました。

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こーんな感じでくぐります。パンチラ注意!

 真っ白なショートコートにピンクのミニ、ツインテールに足元はボーダーのニーハイソックス。一見、きゃりーぱみゅぱみゅ的な風貌。こんな普通にかわいい女の子でも、こういうところに来るんだなあと、先ほどのパンチラ娘が貼りつけた形代をちらりとのぞき見してみると、そこには「○○の彼女の××が同棲を解消し、病気で死んでくれますように」と、書かれていました。語尾には丁寧にハートマークまで……碑から出てきたときのかわいい笑顔の裏で、こんな恐ろしいことを考えていたなんて!
 
 本殿を抜けると、その先には無数の絵馬がかけられています。縁切りの神社ということから、こちらの絵馬はいろんな意味で有名。「ギャンブルから縁が切れますように☆」「早く離婚できますように☆」などのかわいらしいものから、「○○が会社をクビになりますように」「息子と○○との婚約が破談しますように」「○○の嫁が早く死にますように」などなど……体感温度が一気に下がる、怨念がたっぷり詰まった絵馬で埋め尽くされています。

 あまりにもディープなお願いごとが多くて、ついつい読みふけってしまう絵馬の数々。もはやこれは、“火サスの世界”! 笑顔の裏で他人を蹴落とそうとする人や、私怨まみれでドロドロの人、同じオフィスで働くライバルを殺したいほど憎んでいる人……いろんな人がいるもんだなあ、と眺めていると、先ほどのパンチラ娘が。彼女もまた絵馬を読み、共感できる絵馬を見つけているのか、ときおり「うんうん」と軽くうなずいたり、にっこりと微笑みながら眺めておりました。

 その横顔を眺め、彼女の心情を察して背筋が凍る筆者……表面的には笑顔を振りまいていても、心の中には黒々しい想いが渦巻いているのでしょう。

 どろどろ系の願いを抱いて人々が集まる神社だけれど、参拝者の表情は意外と爽やか。思いつめた表情の方は少なく、友達同士でにこにこ笑顔で参拝に来ている方も少なくありません。

 だからこそ、余計に恐怖を感じます。この方たちは、いったいなにを考えているのか……人間の表裏を、まざまざと見せつけられました。

 人々の情念が渦巻いている小さな社、安井金比羅宮。全身に覆いかぶさるような疲労感を感じながら鳥居を出ると、目の前に広がっていたのは、古いラブホテルの数々。プチ・ホテル街と化していたその場所は、かつてベッドの下から女性死体が見つかったホテルも営業しているとか。

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哀愁漂うのか、さびれているのか……

 さすがは、日本三大怨霊のひとりでもある崇徳天皇が祀られているだけある。その念の強さはハンパない。
(ニコ)






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