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画像は、ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q 公式サイト

――「未確認生物」「未知動物」を意味する「UMA(ユーマ)」とは、Unidentified Mysterious Animal(未確認神秘動物)の略で、学術的に存在が証明されていない謎の生き物のこと。1970年代なかばに超常現象研究家・南山宏が命名し、『ビートたけしのTVタックル』などでもお馴染みの動物研究家・實吉達郎が著書などで紹介。1990年代以降にその呼称が定着していった。「新種」とはまた違う、怪物的なニュアンスが込められているUMA。その実態を、怪獣酋長・天野ミチヒロが説く――

 ロシアの隕石、すごかったね。怪獣番組やSF映画ではよく目にしてきた光景だけど、本物の映像は初めてだ。映画だと隕石の中から怪獣が現れるのだけど、現実ではそういうことはなかったようだ。だが実際、60年ほど前のアメリカで、火の玉が落下してきて、その場所に行ってみると怪物がいた! という信じられない事件が起きていた。

 1952年9月12日の夜7時すぎ、アメリカ合衆国のウェストバージニア州にある小さな町フラットウッズで、数人の子供たちが小学校のグラウンドで遊んでいた。すると突然、闇空を裂いて、燃えるように輝く火の玉が上空を飛んでくるではないか。その火の玉は、小学校から離れた丘の方に落下した。「隕石?」「空飛ぶ円盤?」と好奇心旺盛な子供たちは、その中の1人の母親とともに落下地点を目指した。空飛ぶ円盤……当時はUFOという言葉はまだ普及しておらず、フライング・ディスク(空飛ぶ円盤)、またはフライング・ソーサー(空飛ぶ皿)と呼ばれていた。

 物体が落下したあたりに子供たちが駆けつけてみると、現場へ近づくにつれて強くなる、刺激臭を含んだ霧。目と鼻が焼けるようでノドがむせる臭いに、全員の気分が悪くなった。そして次第に濃くなる霧の中、15メートルほど先の木立の中で、火の玉のように光っている物体が! 恐る恐る子供たちが光体に接近してみると、その近くではなんと! 身長が3メートル以上ある怪物が待ち構えていたのだ。

 怪物の顔はまん丸で、赤味がかったオレンジ色。鼻や口は見当たらず皿のような丸い目が2つ。スペード形のフードを被ったような頭部。暗い緑色のボディに、ティラノサウルスのような両腕。下半身は、足先まで完全に隠れるロングスカートのような感じで、プリーツ(ひだ)が縦に並んでいる。

 この、まるで尼僧が悪魔化したようなアンチ宗教的なフォルムの怪物は、「ブンブン」と唸るような音や「シュ~ッ」という音を発しながら、地面から1メートルほどの宙に浮いていた。やがてそいつが、恐怖に引きつる子供たちに向かってスーッと近づいてきたからもうタイヘン! ここで全員がパニックに陥り、その場から「わ~」と一目散に逃げ帰ったのだ。その後、怪物に遭遇した全員が、嘔吐やノドの腫れなど、マスタードガスを吸ったような症状に数日間悩まされたという。この騒動は瞬く間に全米に広まり、「フラットウッズ・モンスター」と命名され全米を震撼させたのだ。

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ブゥンブゥンブゥン(海老原優・絵)

 1960年代に入ると、フラットウッズ・モンスターは日本でも「3メートルの宇宙人」という、わかりやすいネーミングで少年誌などが紹介した。飛んできた火の玉は宇宙船と解釈されたのだ。また遭遇場面を再現したイラストのモンスターがハンパじゃなく怖くて、現在40歳以上の人たちは口をそろえてトラウマだったと語る。そのため、3メートル宇宙人は各社でフィギュア化され、漫画やアニメ作品でもインスパイアされたキャラクターが多く登場している。『ケロロ軍曹』の宇宙タレントや『新世紀エヴァンゲリオン』の使徒・シャムシエルなどがそうだ。しかし、長年宇宙人と思われてきたフラットウッズ・モンスターは、宇宙人ではない可能性が濃厚となってきた。

 現在伝わっているその姿は、実は当時のマスコミが子供たちの目撃談を元に拙いイメージで発表したもの。まるっきり小学生のイタズラ書きみたいでしょ? 毎年、町興しで開催される「フラットウッズ・モンスター・フェスティバル」のHPにあるイラストを見れば一目瞭然だが、実際の目撃談を忠実に再現してみると、怪物の姿は明らかにメカなのだ。フードに見えたのはヘルメットで、腕はアンテナ。スカートのプリーツは縦に並んだ金属パイプ。まるで50年代風ロボットの懐かしいデザインだ。「ブンブン」や「シュ~ッ」という音は機械の空気圧か蒸気による噴出音だったのかもしれない。

 ちなみに『クレヨンしんちゃん』の「宇宙家族ノハラだゾ!」(前編)で、ピンク色をした3メートル宇宙人型ロボットに乗った渡辺麻友が登場するが、案外それで正しいのかもしれない(笑)。しかし仮に宇宙人が作ったロボットだとするとだ、いったい何のために送り込まれてきたのだろうか。攻撃兵器? いや地球探査ロボットと好意的に解釈しておこう。

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まゆゆはなぜコレに……

■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究 家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。
ウェブ連載・「幻の映画を観た! 怪獣怪人大集合」






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