――信仰の有無に関わらず、さまざまな場面にスピリチュアル思想が盛り込まれている日本の冠婚葬祭。なんとな~くやり過ごしているものの、中には「アレ? これってありなの?」と思うようなちぐはぐなものも……。長年の海外暮らしで培ったガイジン的視点から、自身の体験をもとに、日本の婚礼を分析してきた映像ディレクター・古川幸卯子が、今回は、海外にはない日本の制度“入籍”について考えます。

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自然界の愛に、籍は必要ない!(c)yuko kogawa

 先日、検診でレントゲンを撮りに行ったんですが、その時ついうっかり、寝台に横たわったまま、医師用のモニターに映る自分の骨と臓器を見てしまって……。あれ、ドキッとしますね。「えっ、私の頭蓋骨……かわいい! 小顔!」なんて。いや、骨なんですけどね。

 偶然目にしたきっかけで……といえば、“星占い”なんかもそうですよね。なんというか、私はもう、「よく社会人をやれているね!」とか、「必死に努力してるんだね!」と、むしろ人に励まされるくらい短期記憶力がBADですの……(たとえば意気揚々と立ち上がった途端に、次に何をしようとしていたか忘れて固まってしまうことよくあります)。だから、せっかく星占いを読んでも内容をまるまる忘れてしまいがち。

 でも、そんな私でさえ、実は入籍日の決定は星占いのお世話になりました。「今月入籍をしようか」or「先延ばしにしようか」と夫と話していた頃、Twitterでまわってきた某ファッション雑誌の星占いツイートが、「入籍するならまさにナウ、今年の今月がマジ最良で幸せ全開ヤバい、それ以降は避けて」(※意訳)と説いていたんです。偶然にその記事を見てなかったら、ことさら星のお告げを気にしようもなかったのですが……「見ちゃったし、まあそれでいいか」位のテンションで、結局その月に入籍。

 この連載担当の編集・Cさんはもっと本格的に、以前に何度かお世話になったという占い師さんに相談して入籍月を決めたそうです! さすが、時勢におけるタイミングの大切さを知るメディア業界人ですね。直接対面する生身の人に言われるアドバイスは、全然迫力が違う気がします。

 え? なんか今回ちょっとテンション低いって?

 いや~……実際のところ、入籍日っちゅうもんは、いつでもええのでは? って思っちゃうの〜! 世界でもいわゆる「戸籍制度」がある国は、日本や中国等東アジアの数カ国だけと聞きますぜ。そのせいでしょうか。個人的に「戸籍」ってどうもヨクワカンナイ。今の自分や、「家族」というものの本質とは関わりの少ない制度のように感じちゃうのですわあ~。

 それでも、「入籍」がおめでたいことは間違いない。だからこそ入籍は、星占いでも対面占いセッションでもご先祖イタコ降ろしでも、なんにでもガンガン飛び込んで、純粋に2人の他人がTOGETHERになることを「楽しむ」ことこそが、人生最良の儀式のひとつになるように思うのです!

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■市村あらため、古川幸卯子(こがわ・ゆうこ)
1975年、神奈川県生まれ。映像ディレクター、国際マンガ家。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ・ファインアート科卒業。11年間のイギリス滞在を経て帰国。ロンドン時代よりTVCM、ミュージックヴィデオ、アニメーション作品など数多く手がける。著書に、福島第一原子力発電所事故後の東京の日常を描いた『3/11-TOKYO INTERRUPTED-東京一時停止-』(Carlsen Verlag社)がある。
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