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もはやデミ・ムーア、ニューヨークの幻

 ここ数年、アメリカはスピリチュアルへの関心が高まっている。きっかけを作ったのはハリウッドのセレブスターたち。享楽的な生活に疑問を感じるようになったセレブたちが、次々とスピリチュアルに目覚め「真の幸せを手に入れた」と発言するようになったからだ。

 セレブたちの多くは、何気なく読んだ本や友人からの紹介など、ふとしたきっかけで知ったスピリチュアル・グル(グル=サンスクリット語で指導者の意)の教えに心を打たれ、スピリチュアルにのめり込むようになるのだと伝えられている。グルとの友情を育む者もおり、その教えを広める手伝いをするセレブもいるほどなのだ。

 今回は、そんなセレブスターの心を虜にし、スピリチュアルに目覚めさせた「セレブが心酔するスピリチュアル・グルたち」を紹介する。

■ヨギー・キャメロン・アルボジアン

 1967年2月26日、イランに生まれたヨギー・キャメロン。イラン人の父とイギリス人の母を持つ彼は11歳のときに両親と離れイギリスの寄宿舎学校に入学。大学に進学したものの1年で中退し、ロンドンの町を歩いているときにモデル事務所にスカウトされ、その数週間後にパリで開催されたジャン=ポール・ゴルチエのショーのランウェイでモデルとしてのキャリアをスタートした。1988年にGUESSジーンズのキャンペーンモデルに採用されたことがきっかけで人気急上昇した彼は、マドンナの目にとまり『Express Yourself』のPV(1989)に出演。世界中を飛び回り、高級ホテルに滞在し、一流のものばかりに囲まれるスーパーモデルの生活を送った。

 しかし1998年、キャメロンは親友の死によりスピリチュアルな覚醒を経験。心の安息を求めた彼は、ニューヨークの専門校でヨガの基礎を学んだ後、インドに渡り、グル、スリ・ヴァスデヴァンの下でヨガ哲学を究めた。ほかにも、5000年以上前から継承されている伝承医学「アーユルヴェーダ」を修得。ヨガを教えるグルになっただけでなく、「アーユルヴェーダ」を通して人に健康を与えるセラピストとなった。

 キャメロンは、脈をとることで、その人の中にある自然界の四大要素「地、火、水、空気」のバランスを知る。そして、アーユルヴェーダの理論に基づき、ストレスにより乱れた心と身体のバランスを正常に戻す治療を行う。薬草や自然油を使ったマッサージや、食生活の改善指導、ヨガ指導をすることで、バランスと機能を整えていくのである。

 ヨガ哲学に沿った禁欲生活を送りながら、健康を取り戻したい人たちの手助けをするスピリチュアル・ヒーラーとしてのキャメロンの存在は口コミで広がり、多くのTV番組で取り上げられるように。エレン・デジェネレス、マリア・メノーナスら、セレブ顧客の多い彼は、本も出版しており、リアリティ番組も制作している。

■マニーシャ・コイララ
 
 1970年8月16日、ネパールに生まれたマニーシャ・コイララ。祖父、叔父がネパールの首相、父親も政治家というエリート一族の中育った彼女は、中等教育をインドの首都ニューデリーで受け、学生時代からモデルとしての仕事を得るように。医師を夢見ていたが周囲の勧めで女優となり、ボリウッドで大活躍するようになった。

 国際連合人口基金の親善大使やネパールの少女たちの人身売買問題に取り組むなど、慈善家、活動家としても積極的に活動している彼女が、スピリチュアル・ヒーラーとしての才能もあるということが知られたのは2008年のこと。弁護士から俳優に転身した異色のキャリアを持つジェラルド・バトラーが、マニーシャに不安を取り除いてもらいスピリチュアルに高いレベルへと導いてくれたと大絶賛したのである。

 ジェラルドはストレスから解き放たれることを目的に、インドのチェンナイにあるワンネス・ユニバーシティに入学。精神修養を受けた。帰国する日が近づくと彼は、「ここを離れたら平穏な気持ちが失せてしまうのではないか、スピリチュアルな教えもすべて忘れてしまうのではないか」と不安な気持ちを抱えるようになった。そんな時に、学校で出会ったのがマニーシャで、彼女は自身の経験を基に"真のスピリチュアル"とはどういうことかを教え、ジェラルドの不安を全て取り去ってくれたのだという。

 祖母に可愛がられながら育ったマニーシャは、幼い頃からスピリチュアルを大切にしており、ボリウッドで活躍する一方でワンネス・ユニバーシティに所属。長年に渡り精神を研ぎ澄ましてきた。グルの称号を持っているわけではないが、人に癒やしを与え、スピリチュアルを高める手助けをする能力が身についているのである。

 新しいスピリチュアルリーダーの誕生だとハリウッドで注目されるようになったマニーシャ。昨年末に卵巣がんに侵されていることを公表したが手術は成功。治療経過は順調と伝えられており、完治した後にスピリチュアルな作品制作に着手するものと期待が寄せられている。

■ディーパック・チョプラ 

 1946年10月22日、インドの首都ニューデリーで生まれたディーパック・チョプラ。父は著名な心臓専門医だが、祖父は自分の心臓病が西洋医学では治らないと知った際、インドの伝承医学「アーユルヴェーダ」に助けを求めており、柔軟な思想を持つ家庭に育った。アメリカのノーベル賞作家シンクレア・ルイスの長編小説『アロースミスの生涯』に感銘し医療を学んだディーパックは、1970年に、たった25ドルを持って渡米。ニュージャージーの病院での研修医を経てボストンの病院に医師として就職。短期間でチーフへと昇格し、成功の道を歩むようになった。しかし、「ストレスに押しつぶされそうな日々だった。同僚の医師もそうだったね。みんな、医療をミスをして訴訟を起こされることを恐れ、酒や喫煙、薬に依存していた」とのこと。処方薬に頼りすぎる西洋医学自体に疑問を持つようになったディーパックは、超越瞑想法の本を読み、代替医療に興味を抱くようになった。

 超越瞑想の創立者マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーに会いに行き、手ほどきを受けたディーパックは病院を辞め、マハリシと共に代替医療に使う薬草などを販売する会社を設立。超越瞑想を窮めていった彼は、エリザベス・テイラー、マイケル・ジャクソン、ドナ・キャランなどセレブたちにも手ほどきをするようになり、その名が知られるようになった。90年代前半からは、マハリシの下を離れ、カリフォルニアに移住し、心と身体の調和をとる代替医療に力を注ぐように。1996年に「ウェルビーイングのためのチョプラセンター」を設立し、西洋の医学と東洋の伝統的な自然のヒーリングを統合させた癒やしの手法を確立。メディアにも頻繁に登場し、多くの人々に「真の健康とは何か」を伝授している。これまで50冊以上の本をリリースしているが、そのうちの14冊はベストセラー本となっており、ディーパックを支持する人の多さをうかがい知ることができる。

 カバラ信者として有名なデミ・ムーアもディーパックの癒やし法と思想に心酔しており、昨年の1月にメルトダウンしたときもディーパックに助けを求めたと伝えられている。

 なお、マハリシ・マヘーシュ・ヨーギーは、ニュー・エイジ思想家としても知られており、ビートルズに大きな影響を与えたスピリチュアル・グルとして知られている(2008年91歳で他界)。ヨーガとヴェーダーンタ哲学の霊的指導者として、インド及び西側諸国の人々に影響を及ぼしたヴィヴェーカーナンダ(1863年~1902年)、ヨガを西洋に初めて伝えた偉大な伝道師として知られるヨガナンダ(1893年~1952年)、そして前出のマハリシを、三大ヨーギーと呼ぶことも多く、今回ご紹介したスピリチュアル・リーダーたちにも強い影響を与えている。






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