kitokatto.jpg
ネスレ公式サイトより

 現在受験シーズン真っ盛り。学問の神様が祀られている神社へ参拝にいく人も、多いのではないでしょうか? それに加え、この時期すっかり風物詩になっているものといえば“合格祈願お菓子”です。ン十年前に受験を終え、すっかり脳が退化している筆者から見ると、正直「すっかりお菓子メーカーの販促キャンペーンになっちゃったなあ」などと感じてしまうわけですが、実際これらの合格祈願お菓子は、いつ頃から始まったのでしょうか?

 日本の合格祈願菓子の元祖として有名なのは、ネスレ日本の『キットカット』。「きっと勝つ」というごろ合わせとして有名ですが、現在発売されている商品をチェックしてみると、『キットカット ミニ 受験メッセージパック』『ネスレ キットカット ミニ 紅白パック』というネーミング。「きっと勝つ」は商品名ではないのです。

 実はこの件について、ネスレ日本で受験生応援キャンペーンに携わった竹内雄二氏が、公式サイトで以下のように語っていました。

「『きっと勝つ』というのは消費者の方が生み出したアイデア・言葉であり、私たちが勝手にその言葉を使って広告をしてしまうと、申し訳ない」

 ちなみに「キットカット」の合格祈願は、九州が発祥だそう。「きっと勝つ」を九州弁でいうと「きっと勝つとぅ」となることから、受験生を中心にキットカットがよく食べられるようになったといいます。そして、ネスレ日本がそのうわさを聞きつけて、受験生応援キャンペーンを始めたのが2003年。10年の歴史があるのです。

 しかし、その後調べてみると、それより先に発売されている合格祈願菓子があることがわかりました。それは、明治の『カール』から派生した『うカール』。なんと、2001年より発売されおり、時系列でいえばこちらが最初だったのです。

 「ウカール」が発売された経緯は、公式サイトにある「カールの歴史」というコーナーで詳しく解説されていました。それによると、クリスマスやバレンタインがある冬の時期、チョコレートは売れるけれど、カールの売り上げは厳しかったそう。そのため、冬の売り上げ打開策として受験生を応援する企画を考えた結果、誕生したのが『うカール』だったのです。これだけ聞くと「販売促進キャンペーンかよ!」と思いますが、実際、発売後に消費者から合格感謝のはがきが多数届いたとか。何ごともやってみるものですね。

 合格祈願お菓子の歴史を振り返ってみると、まず『カール』がメーカー主導で合格祈願キャンペーンを仕掛け、その2年後に『キットカット』が消費者からの自然発生現象を取り込んで、お菓子による受験応援キャンペーンを定着させた、というのが流れのようです。

 こうした経緯があり、今ではお菓子だけにとどまらず、カップラーメンやジュース、さらには文房具にまで合格祈願商品が登場。受験戦争とは別に、こちらもすっかり合格祈願戦争となっている感がありますが、実はこういった願掛けはそれ以前から日本では行われていました。

 中でも、代表的なものは「駅の切符」。JR四国「学」駅の入場券は全国的に有名で、入場券の「入」と「学」が縦に並ぶレイアウトになっているため、「入学」となることから、受験生のお守りとして人気を博してきました。こちらは1986年発売です。そして、さらに古いものだと、1975年より発売されている南海鉄道の「学文路」駅の切符があります。こちらは「学問(文)の路に入る」と読めることにちなんで発売されているそうですが、切符のほかに、さまざまな縁起のいい付属品がセットになっているのが特徴。ちなみに、今年度は「すべらない砂」として、電車が急こう配を登る際に車輪が滑らないように撒く砂がついているそうです。それにしても、よくこんなアイデアが思いつくものだと感心してしまいますが……。

 合格祈願の歴史を振り返って感じるのは、とにかく受験生の方々の合格にかける想いの強さ。「可能性があることなら何でもやる」「こんなに縁起を担いだのだから大丈夫」という気持ちは、何か大きなことを成し遂げるためにとても重要なのだと感じました。

 縁起担いでいる暇があれば勉強しろ! というツッコミは野暮ってもの。受験生の皆様には担げる縁起はとことん担いで、見事合格を果たしてほしいものです。
(高山惠)



【検索ワード】  ・  ・  ・  ・  ・ 



オフィシャルアカウント&モバイル
  • twitter
  • facebook
  • RSS
  • モバイル用
  

ハピズムをBookmarkする
  • HOME
  • 風水・開運
  • > 『キットカット』=“きっと勝つ”誕生の経緯は? 合格祈願お菓子元祖を探る