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『ワーロック』(キングレコード)

■14歳の少年、サンディ・チャールズが起こした、サスカチュワン州オカルト殺人事件
 
 1995年7月9日。カナダのサスカチュワン州北部にある人口5,500人ほどの小さな町ラロンジュで、8歳の少年が行方不明になったと警察に通報があった。少年の名はジョナサン・ティンプセン。シングルマザーの家庭に育つ彼は、近くに住む祖母の家に泊まりに行くことが多く、8日から彼の行方は分からなくなっていたという。

 警察と地域の住民は一丸となり少年の捜索を開始。10日には捜索範囲を広め、11日、ジョナサンは祖母の家から数百メートルしか離れていない林の中で、遺体となって発見された。顔面と頭部はひどく損傷。首は深く切られ、何者かによって殺害されたことは誰の目にも明らかだった。

 警察は早い段階から、住民への聞き込みで、ある少年に目をつけていた。その少年は、捜索にも参加していた14歳のサンディ・チャールズ。警察の取り調べに、殺害したことを認めたサンディ。悪魔を信じていると述べた彼は、とあるホラー映画を見て殺人を決意したことも明かした。

 住民の多くは、サンディが犯人だと知ると、みな驚愕。学校の教師は彼のことを「いい生徒だ」と言い、住民たちはバイトの新聞配達も時間通りに届けていたと証言。母は「年下の兄弟の面倒を見るいい子だ」と述べた。大人の信頼を得ていた彼は、外見的におとなしそうな少年で、悪魔崇拝などオカルト的なこととは無縁の存在に見えたのだ。

 しかし、思春期真っただ中のサンディは、頭の中ではさまざまなことを考えており、次第にオカルトに興味を持つように。警察の取り調べに対して、彼は「1,000年ごとに悪魔が地球に解き放たれる。次は西暦2000年。2000年に、悪魔がこの世を制覇することになる」と語った。そして、「悪魔的な儀式をしたら、悪魔本にその名が刻まれ、2000年に悪魔が解放された時、自分は悪魔に選ばれる人間になる」と述べ、それが殺人を犯した動機だったと明かした。

 事件前日の7月8日、サンディは、ジョナサンと彼の7歳になる従兄弟、ウィリアム・マーティンを誘い、林のそばで野球をして遊んだ。サンディはわざと林の中へと球を打ち、探そうと言いながら林の奥へ奥へとジョナサンを誘い込んだ。奥深くまで来ると、サンディはジョナサン殺害を決行。まず腕で首の骨を折ろうとしたが、映画などで見るようにはうまくいかず、石で頭をメチャクチャに殴ったが、それでも息の根は止められなかった。ナイフで刺したが、ナイフの刃も折れてしまったという。サンディは大急ぎで家に戻り、ナイフをいくつか持ち、犯行現場に戻った。いつの間にかジョナサンは息絶えており、サンディは太ももに切り込みを入れ、肉片を自宅に持ち帰った。すべてを見ていたウィリアムには共犯者だと言い聞かせ、遺体を隠す手伝いをさせた。その後、サンディは自宅でジョナサンの肉を焼いて食べた。

 サンディが殺す相手にジョナサンを選んだのには理由があった。「洗礼を受けていない童貞の男の子」を殺すことが必要だったからだ。「洗礼を受けていない童貞の男の子」を殺して「肉片」を食べたのは、サンディが大好きな映画『Warlock』にインスパイアされたから。

『Warlock』は、1989年に公開された悪魔崇拝とウイッチクラフト(魔術)をテーマにしたホラー・オカルト映画。『ハリソン・フォード 逃亡者』のデヴィッド・N・トゥーヒーが脚本を執筆し、『13日の金曜日』などを手がけたスティーヴ・マイナーが監督。ジュリアン・サンズ扮する悪魔と契約を果たした魔道士が、悪魔経典を手にすべく17世紀から現代へ時空を超えてあらわれるという、なんとも不気味な物語である。






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