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どりゃあぁぁぁぁぁぁぁ(画・海老原優)

――「未確認生物」「未知動物」を意味する「UMA(ユーマ)」とは、Unidentified Mysterious Animal(未確認神秘動物)の略で、学術的に存在が証明されていない謎の生き物のこと。1970年代なかばに超常現象研究家・南山宏が命名し、『ビートたけしのTVタックル』などでもお馴染みの動物研究家・實吉達郎が著書などで紹介。1990年代以降にその呼称が定着していった。「新種」とはまた違う、怪物的なニュアンスが込められているUMA。その実態を、怪獣酋長・天野ミチヒロが説く――

 このコラムの第1回目は、今年の干支にちなんで<幻の蛇ツチノコ>を紹介したにも関わらず、「実は……ツチノコは蛇じゃないかも~」なんて曖昧な仮説で肩透かしを食った読者のみなさん、今回は正真正銘の蛇、しかもUMA的な大蛇の話をしよう。

 大蛇といえば、アフリカや東南アジアには世界最長の蛇「ニシキヘビ」、南米アマゾン川流域には世界最重量の蛇「アナコンダ」がいる。どちらも10メートル前後の長さを誇る世界最大の大蛇だが、わが国では沖縄・宮古・八重山の諸島に生息する2メートル70センチ程度の「スジオナメラ」が日本最大に過ぎない。しかし過去、日本に生息するはずのないサイズの蛇が全国各地に出現しているのだ。それらは、たまに報道される「3メートルもあるペットのニシキヘビが逃げ出し、お婆さんが腕を咬まれました」といったレベルの話ではない。ヘタしたら、お婆さんが丸ごと呑み込まれてしまうほどデカイ蛇の話である。

 四国で2番目に高い山、徳島県の剣山(つるぎさん 標高1,995メートル)。剣山自体が面白い山なのだが、そこは「古より修験者が修行を行う山」で、「ソロモン王の秘宝が眠る」といわれ、「山自体がピラミッド」で、「UFOも頻繁に目撃される」謎だらけの山。事件はこの山の麓で起きた。1973年5月の午前8時頃、剪宇(きりう)峠の山林で、穴吹町在住の農家4名が鎌で草刈りをしていた。すると、鎌は鎌でも鎌首をもたげた大蛇が草むらの中からヌッと出現! 大蛇はかなり巨大で、草の隙間から見えている胴体だけでも約5メートル。5メートルの蛇だって日本には生息していないが、隠れている尻尾を入れたら倍の10メートルはありそうだったという。

 かつてコンビニの雑誌コーナーで、秋元康(おニャン子時)に遭遇した私の10倍以上は驚いたであろう4人の農民は、鎌を放り出して大慌てで町へと逃げ帰った。蛇の大きさが大きさだけに「食われてはかなわん!」と、野山での仕事が多い町の人たちにとっては文字通りの死活問題。そこで町民120名による大蛇捜索隊が結成され、大掛かりな山狩りが実施されたのだ。ちなみに、ベネズエラでアナコンダを研究している生物学者が言っていたが、蛇は5メートルになれば子供くらいは呑み込めるそうだ。

 その後、大蛇は2度と現れることはなく、その正体は謎のままに終わった。この山狩りの様子は全国のマスコミで報道され、年末の『ビートたけしの超常現象Xファイル』(テレビ朝日)などでお馴染みのオカルト研究家・山口敏太郎氏も徳島県出身だけに、「そのニュースをよく覚えている」と、当時の騒動の大きさを私に語ってくれた。

 四国ではほかにも、1987年1月に高知県高知市久礼野(くれの)の養鶏センターで、7メートルの大蛇がニワトリを呑み込んだという記録がある。四国以外だと、千葉県白浜町蔵倉山(1977~1980年)、三重県松坂市女牛谷(1978年)、長崎県権現山(年代不明)、熊本県阿蘇郡西原村(1977年)でも大蛇が目撃されている。「なーんだ、ほとんどが爬虫類の生息しやすい温暖な土地だから、私の住んでいる東北は大丈夫だわ」と安心しているそこの彼女、寒い地方だって大蛇は出るよ~。

 福島県の石川郡石川町では、1980年代後半から1990年代前半にかけて7メートル前後の大蛇が何度も目撃され、1993年には先述した剣山のケースのように町ぐるみで捜索隊が組織された。さらに同じ東北地方の某所で、少年時代に8メートルの大蛇と遭遇したという話を目撃者本人から聞いた。彼の祖父もまた、かつて同サイズの大蛇を目撃したというので、実在する可能性は相当高いどころか「100パーいる!」と彼はきっぱり断言している。「某所」と書いたのは、その人はもう一度現地を訪れ、誰にも邪魔をされず大蛇の実在を証明したいので、場所は書かないでくれというのだ。その意気込みに私は応え、場所は秘す。彼にはぜひ「東北の大蛇」の存在を世間に、いや世界に発表して欲しい。

 さて、これらの大蛇は何者なのだろうか。現実的には密輸、あるいは動物園から逃げだしたニシキヘビやアナコンダなどの外来種、などと考えられる。しかし、UMAという観点からいえば、日本の神話や民間伝承の中に登場するオロチ、またはウワバミが実在していて、「学術上、日本で発見されていない巨大な蛇」という可能性もある。野山では、くれぐれも大蛇に呑み込まれないよう、充分注意しよう!

■天野ミチヒロ
1960年東京出身。UMA(未確認生物)研究 家。キングギドラやガラモンなどをこよなく愛す昭和怪獣マニア。趣味は、怪獣フィギュアと絶滅映像作品の収集。総合格闘技道場「ファイト ネス」所属。著書に『放送禁止映像大全』(文春文庫)、『未確認生物学!』(メディアファクトリー)、『本当にいる世界の未知生物 (UMA)案内』(笠倉出版)など。
ウェブ連載・「幻の映画を観た! 怪獣怪人大集合」



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