心に薄闇をたたえたハピスム読者の皆さま、ご機嫌よう。お正月三が日の間、家の敷地から一歩も出ずに、一人ぼっちで引きこもっていたハーミット系魔女の谷崎榴美です。

 寂しさを紛らわすために悪魔召喚儀式をやってみたりもしましたが、どうにも代わり映えがしないというか、新年っぽさが出ないというか……。考えてみれば当たり前のこと。なにせ召喚儀式なんて、年がら年中、ことあるごとにやっているのですから。

 もっとスペシャルな、日本のお正月感を感じられるマジカルなイベントはないものか……?

 ということで、初詣に行くことにしました! さて、どこに行こうかなー? せっかく行くなら、ダークサイドな場所がいいなー。と、検討に検討を重ねた結果、白羽の矢が立ったのは茨城県の「大甕倭文神社」。ここは「天津甕星(あまつみかぼし)、またの名を「天香々背男(あめのかがせお)」という、荒ぶる星の神様を討伐した偉い武神「武葉槌命(たけはづちのみこ)」が祀られており、境内にはその「天津甕星」を封じているとされる「宿魂石」というのがあるのだそうです。ふむ、祟り神の類いですね。興味深いです!

 乗り換えアプリの指示に従って、東京から電車にゴトゴト揺られること2時間あまり。そして駅に着いたら早速Google Mapsで検索。おお、レビュー欄にもしっかり「パワースポット・悪神」と出てますね。うーん、アンビバレント! 俄然、盛り上がります。

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さて到着。目立つようにどーんと構えられている本殿は、
どうせただの飾りでしょう。偉い人には、それがわからんのです。
などと心の中で1人ガンダムネタをつぶやきつつ、
私はまっすぐ本命の「宿魂石」のほうへ
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ありました。「宿魂石」とは、この岩山
そのものを指す名前だったのですね
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こ、この鎖にぶら下がって駆け上がれと!? 
私ったら、うっかりヒールを履いてきてしまったのですが……。
けれど登れというのなら、どこにだって登りましょうぞ。
よっこらしょ。気分はインディ・ジョーンズです
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岩山のてっぺんには、こぢんまりとしたお社が。
普段は閉じられているらしい柵も、お正月だからでしょうか。
解放されて、自由に中に入って拝せるようになっております

 ここに封じ込められている「天津甕星」の「ミカ」、もしくは「イカ」とは“金星”の意。「天香々背男」とは実のところ、金星の神様を信仰していた人々の長だといわれているのです。金星の神様? そう、洋風にいうならば、暁の星「ルシフェル」。堕天使ですね。

 ずっと不思議に思っていたのですが、日本の神様って八百万っていうわりには、「星々の神様」がいませんよね。月の神様はちゃんといるのに。日本は星があまり見えなかったのかしら? いやいや、そんなわけありません。ちゃんと今と変わらず、美しく夜空を飾っていたはずです。

 はるか昔の神代の時の少し前、日本中に「ちょっと違う神様」を祀っている人々がたくさん暮らしていました。そんな彼らを、「日本民族を1つにまとめあげる」ためにと、ばっさばっさと討伐することで成り立ったのが、現在の私たちが知る「天照大神」を主神とする神道なのです。ですから、「星の神様」はもしかしたら、お伊勢さんを中心とする神道にとっては、ちょっとしたタブーだったりするのかもしれませんね。

 魔女も同じく、キリスト教により弾圧された異教徒たち。現代の魔女たちは、大きな勢力に負けてしまわざるを得なかった人々の悲しみを、霊的に背負っているともいえましょう。私も極東の現代魔女の端くれとして、「討伐され、改宗を余儀なくされた皆さまよ、あなたと似たようなことをしている小娘が21世紀におりますよ」と、ささやかながらこっそりと、開け放たれた社の御前にて金星関係の魔術的お唱えを奉納させていただきました。

 さて、これで無事、初詣は終了です。岩山をおそるおそる駆けおりて、いただいたお札とお神酒をプラプラさせながら、さっさと帰ることにしました。

 ところが、それ終わりではありませんでした。それは「日本ならではでありつつ、なかなかマジカルな、いい初詣だったなー」などと、ちょっとした達成感を胸に、てくてく駅まで歩いていた道すがらのこと。「ん? 何か、おかしい……?」と、妙な違和感を覚えたのです。

 突如、びっくりするほどの痛みと重みとだるさが混じった何かが、私の左腕を襲いました。それはそれは鮮やかなほど明らかな、超 常 現 象 だ!! 聖域で変な呪文を唱えたから、バチがあたったのでしょうか……。うう、ごめんなさい!

 少々取り乱しながらも、とりあえず道のすみのほうに座りこみ、iPhoneのルーン占いアプリを立ち上げて、どうしたものかと質問してみることに。餅は餅屋。皆さんも超常現象に困ったら、非科学の力に助けを求めましょう。

 出た文字は「ラグー(水)」。これは……手を洗えってことでしょうか? 少しもったいない気もしますが、さっきいただいたお神酒で、左腕をじゃーっと流してみることに。すると、たちまち痛みは消え失せ、心なしか気持ちまでぱっと晴れやか! なんだか昔話みたいなオチですが……。

 それにしても、お神酒って、神道パワーってすごいですね! ほっと胸をなでおろした私は、そのあと何ごともなかったかのようにすっくと立ち上がり、また2時間かけておうちに帰ってきたのでした。ふー。これで心置きなく、2013年も元気に頑張れそうです。行ってよかった悪神詣!

 さて、今回は身近な日本に潜む、ちょっぴりダークでマジカルなエピソードをお伝えしましたが、いかがでしたか? 次回は「負のオーラの巣窟」とウワサされる都内の漫画喫茶に、魔女とその友達の某スーパーヒーラーが、頼まれてもないのに勝手に浄化目的で潜入した時の体験談をお届けしようかと思っています。「21世紀ダークサイドマジックNOW!」、どうぞお楽しみに!

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■谷崎榴美(たにざき・るみ)
現代魔女術研究・実践家。シュメール・バビロニアからポストアセンションを貫通する魔女ガーリーな霊性(特に性と愛)を探求。プレイセラピーを取り入れた現代魔女術ワークショップや公開儀式、スカイプ鑑定、各種執筆などの手段を用いて現代日本のオカルトシーンをなんとか盛り上げんと日夜心血を注いでいる。
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