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「MB」への熱~い思いを語ってくれた田中編集長。
思いのこもった「MB」と一緒に

 2006年に惜しまれつつも休刊した、占い・おまじない雑誌「MyBirthday」(実業之日本社)が1号限りの復刊を果たしたのは既報の通り。1979年の創刊以来、星占い、おまじない、友達や片思いの相手との相性占い……など、多くの少女たちを熱狂させた当時のテイストそのままに、大人女子の甘酸っぱい記憶を刺激する懐かしさ満載の一冊となって帰ってきた! 休刊から6年経った今、なぜ復刊が実現したのか。根っからの「MyBirthday」読者であり、1995~2003年まで編集長を務め、およそ10年ぶりに「MyBirthday」(以下MB)の編集長へと復帰した、現WEBサイト「MyBirthday Happy Web」担当のマイバースデイ編集部・田中誠子チーフに話を聞いた。

――なぜこのタイミングで、「MB」復刊が実現したのですか?

田中誠子編集部・チーフ(以下田中) きっかけは、実業之日本社さんと弊社(説話社)で「大人向けのMBを作ろう」という話が盛り上がったことです。最初に企画したときは、パワーストーンやパワースポットなどの、いわゆる“開運ネタ”も考えていたんですね。でもそういうのって、幸せになるのにお金がかかる感じもしますし、もっと「ささやかな幸せ」を求める“MBらしさ”がないなと。そこで、大人向けを意識しすぎるのをやめ、子どもの頃に楽しんだ、ときめきやロマンが詰まった“MBらしさ”溢れる雑誌を作ろうと決めたのです。

――「MB復刻版」制作にあたって、心がけたことなどはありましたか?

田中 現在30~40代の元読者が楽しめるよう、80年代の記事を元に追加取材を行い、再構築しました。たとえば手芸企画のお人形は当時の記事をもとに新しく作り直していますし、クッキングにはおまじないを追加しています。名物企画、マークさんの「魔女入門」では、当時の読者のお悩みとマークさんの回答&おまじないを掲載していますが、復刻版では、そこに編集部からのツッコミを加えています。完全な復刻ではなく、今、大人の視点で振り返ることに意味があるんです。読者は当時の自分を思い出しながら、今の自分について考えるきっかけになるんじゃないかな。

 誌面デザインも、かなりこだわりました。最近は読みやすさ重視の文字の少ない雑誌が多いですが、なるべく縦書きにして、当時のように詰め込みました。書体も、洗練された今時の可愛いものではなく、あの頃使っていたシンプルな書体にしています。また、特にこだわったのは、文中の「ハートマーク」です。占いを担当した先生には、原稿内にたくさんハートマークを入れていただくようにお願いしました。アドバイスの最後にハートがついているのと「。」で終わるのでは、全然印象が違うと思うんですよ。ハートがあるだけで、文章からキラキラした雰囲気が出るんですよね。それこそが、どこか垢抜けない、いじらしい“MBらしさ”だと思うんですよ。

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ファンにとってはたまらない歴代の「MB」がズラリ。
あなたはどの表紙の世代?

――たしかに! 「エミール先生の春までの毎週の週間占い」では、たくさんハートが見られますね。では、80年~現在まで、占い業界そのものの動きは、どう変わったと感じますか?

田中 80年代の占いは、アカデミックで難しい印象で、一般には開かれていないイメージでしたが、90~00年代にかけて、エンターテインメントとして楽しめるよう、占い自体がオープンになってきたように思います。逆に言えば、「寿司占い」「動物占い」など、「占い」がつけばなんでもあり、結果がわかればOKという傾向になってきたのも事実です。もっと面白くするためにメディアから占い師への無茶ぶりが増え、占いの本質……神秘性やロマンを失ってしまったようにも感じますね。とくに90年代後期は、1999年のノストラダムスの大予言に向かって「何が起こるんだろう?」とみんなが注目していた雰囲気がありました。『北斗の拳』(集英社)など世紀末を舞台にしたマンガも多く、社会全体がソワソワと高まっていたと思います。しかし、いざふたを開ければ99年には何も起こらず、不安から解放された00年代は、今度は自由すぎて何をしていいかわからない、そんな戸惑いを皆さんから感じましたね。それ以降、ショー的な要素のあるスピリチュアル占いが増え、迷える人の指南役としてもてはやされた感じがします。

 後半の頃の「MB」は、占い以外の芸能情報を多く扱いました。ビジュアル系バンドの連載があったり、芸能人が読者の悩みに答えたり。「MB」の基本スタンス「悩んでいる女の子のために何ができるか」はそのままに、回答者の幅を広げたというか。出版不況が叫ばれる中で、いろいろと苦労していましたね。

――2010年代、姉妹誌「MISTY」(実業之日本社/11年休刊)においては、読者が占いを受ける側から自分で占う側へと変化していきましたが、MBのスタンスはどうですか?

田中 「MB」は、「自分が幸せな気持ちになる」ための方法として占いやおまじないを使ってほしいなと思ってやってきました。結果を出すことよりも、その過程を楽しんでほしい。幸せの定義は人それぞれなので、「MB」読者には、占いやおまじないの記事を夢中になって読んでいる時間、手芸やお菓子を作っている時間、悩みに共感したり、イラストに感動したり…それぞれにウキウキ感やときめきを感じ、幸せな時間を過ごしてもらえればいいと思っています。他人をどうこうしようとしない、子どもの頃の純粋な気持ちですね。

――最後に、そんな愛すべき「MB」読者の元少女たちへメッセージをお願いします!

田中 忙しい人ほど、子どもの頃の純粋な気持ちを忘れていると思います。だから、「MB復刻版」を読んで、自分の中に今もある子どもっぽい部分、その子のことを思い出してあげてほしいですね。大人が乙女チックな世界を好きでも、いいじゃないですか。あの頃何かに夢中になっていた気持ちは、今もなくなっていないと思います。それから、お子さんがいる元「MB」読者も多いと思いますが、子どもは妖精さんのお話が大好きなんです。お子さんとの何げない会話の中で妖精さんの話をしてあげるとか、世代を超えて“MBらしさ”が受け継がれていくとうれしいです。そして仕事に忙殺されている人は、おまじないをする時ののめり込むような幸福感を思い出せるはずですよ!
(松子)



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