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「Chakra」(アイア出版)1月号

 「Chakra」(アイア出版)を今回初めて手に取った人は、いったいこれはなんの雑誌なのか? と混乱するのではないでしょうか。表紙の一番目立つところに時代遅れなヘビ皮財布の写真がデデンと陣取り、特集記事のキャッチコピーは「安眠・集中力強化!慢性疲労もスッキリ解消!」「抗うつ・自律神経の安定!」。プラス、巡礼・開運・ヒーリング、果ては「『冬の流星群』を見に行こう★」って……。毎号チェックしている筆者もさすがに今回は軽く思考停止したので、ちょっと整理してみました。「Chakra」1月号の記事をざっくりジャンル分けすると、以下のようになります。

・メンタルヘルス系
・スピリチュアル系
・開運系
・占い系
・生活の知恵系

 似ているようで微妙に異なるテイストの読み物を雑多に詰め込んでいる上に、誌面構成が強引です。記事の終わり方が唐突だったり、曼陀羅みたいなヒーリングアート紹介ページに続いて「ヤマキ」のめんつゆレシピが載っていたり。脳内でいちいち切り替えながら読み進めないと疲れます。全プレ「白蛇の長財布」(1,000円、送料等の負担あり)告知に8ページを割く力技にも脱帽。財布も浄化しなきゃならないとは知りませんでした。それにしても来年の干支は巳だってのに、バチが当たらないのか? と、ビクビクしつつ、気を取り直して中身を見ていきましょう。

<トピック>
◎知られざる「巨木」のチカラ
◎「冬の流星群」を見に行こう★
◎知って得する「冬至のはなし」

■巨木探訪でメンヘル&開運!

 森林浴の効果は一般に知られています。「Chakra」9号ではこれを「森林セラピー」として取り上げ、抗うつと自律神経の安定効果を紹介。今回は特集「知られざる『巨木』のチカラ」でさらに踏み込んで、巨木・名木にスポットを当てています。樹木信仰は古今東西を問わず受け継がれてきました。我が国も、神社には必ずと言っていいほど御神木があるお国柄。巨木・神木をはぐくむ自然に敬意をはらいつつ、その有り難みをプロの写真で堪能しようという企画です。

 樹齢七千年と言われる屋久島の縄文杉から明治神宮内の樹木群まで、つまり、登山口から往復10時間の難路から駅歩1分のお手軽コースまでをまんべんなく紹介。さらに、まかふし木」と銘打って、幹が絡み合っていたりユニークな形状だったりする奇木も登場します。恒例の切り取り付録「神秘の巨木カード」のラインナップは、「屋久島の縄文杉」「首里金城の大アカギ」「岩倉の乳房杉」「十二本ヤス」「塩原の逆杉」「府馬の大クス」と、いずれ劣らぬ名木ばかり。このカードを持ち歩くだけで健康と開運が手に入るとか。メンヘル&開運効果がダブルで盛り込まれているあたり、「ワザあり一本!」と言いたくなりますね。木だけに……。

■天体観測特集でも「Chakra」魂は忘れない

 続いて、「『冬の流星群』を見に行こう★」を見ていきましょう。12月にはふたご座流星群、1月はしぶんぎ座流星群が見られるとのこと。「流星を絶対見つける観測ガイド」として、流星の極大日と時間帯まで紹介しているあたりに、作り手の気合いを感じます。流星のもとは宇宙のチリだとか、流星群は全部で95種類あるとか、小学生男子か天文オタクでないと知らないような知識をガイドしつつ、観測のポイントやコツまでを伝授。望遠鏡などは必要なく、月のない暗い夜、地面に寝っ転がって肉眼で見るのがベストだそう。防寒装備について注意を促してはいますが、天体観測で遭難するのは恥ずかしい……決して1人では観ないでください、と付け加えたくなります。一応、全国の天文台情報も載っているので、慎重派の方はそちらをご参照くださいますよう。

 純粋な天体観測案内で、開運の“カ”の字もスピリチュアルの“ス”の字も登場しない読み物ですが、リードのアオリはさすがです。

「めったに見られない流れ星を一晩にたくさん見ることができたら……。そんな願いを叶えるのが「流星群」と呼ばれる流星の大放出デーです!」

 大放出……スーパーのチラシを思わせる大盤振る舞い系センスに、「Chakra」っぽさを感じ、ちょっと安心しました。

■年中行事特集から漂う、「Chakra」読者の想定年齢

 年中行事なんかやらない派が多そうなハピズム世代。さすがに「冬至ってナニ?」な人はいないと思いますが……念のため、冬至は一年で一番夜が長い日です。つまり太陽の再生を待つ日ですね。監修を担当するスピリチュアリスト・暁玲華先生も、冬至を「よりよい新年を迎えるための準備の始まり」と位置づけ、「冬至から開運強化月間が始まる」と断言。季節に応じた年中行事を行った先人の知恵を暮らしに取り入れるメリットを説いています。

 ポイントは、
・魔を寄せ付けず開運に向かうため、争いを避け、心穏やかに過ごす
・不老長寿と健康を願い、魔を払うとされるカボチャを食べる。飾るのも吉
・リラックス効果と美容効果のあるゆず湯に入る。さら湯はNG
・「ん」のつくラッキーフード(例:寒天、人参、蓮根など)を食べる

 ご親切に、カボチャ料理のレシピも載っています。それはいいんだけど、ちょっと手間がかかる料理なのが、この雑誌の読者層を示唆していて興味深いですね。

 今回ちょっと怖かったのが付録の「脳内デトックスCD」。心理学者・富田隆先生が監修したこのCD、「特殊に加工した、耳には聞こえないサブリミナルメッセージが込められてい」るそう。ぜんぜん気づかなかったよ(当たり前か)。ほかにも「スピリチュアルヒーリングアート」に添えられているポエムがチョイ神がかっていて引きました。

 なんとなく洗脳フラッグが見え隠れする今月号ですが、聖俗入り乱れた寄せ鍋のような印象でおトク感は十分。表紙のダメ押しキャッチ「この一冊があなたの来年を変える!」とのお告げを信じることにいたしましょう。

 来月号はなんと特集が7本。「編集部のこだわりをぎゅぎゅっと濃縮!」した企画が満載で、今年のラストを飾るにふさわしい一冊になるのは間違いなさそうです。
(よいこ)



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