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山々のシルエットが龍の背に見える!?

 古代から、山は気の源で、聖なる場所であると考えられてきました。日本全国を見ても、山をご神体とし、崇める村は数々あります。その根源は、やはり「山の実り」。太古の昔から、山はすべての生命にとって、命の源だったのです。

 今や世界遺産にまでなった「熊野古道」。吉野から熊野をつなぐ「大峯奥駈道」と、高野山から熊野をつなぐ「熊野参詣道小辺路」がありますが、ここは「修験道」といわれる行者の修行道。それ故、その険しさもかなりのもの。熊野古道は主要な修行場をつなぐ道、いわば「レイライン」なのです。


■ミステリアスな十津川村から始まる果無集落への道

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このトンネルを抜けた先から古道が始まる

 今回訪れた奈良県十津川村は、大峯奥駈道(おおみねおくがけみち)と熊野参詣道小辺路の2つのレイラインが通り、また、玉置神社があるとして、古来から行者に尊ばれた地です。この熊野参詣道小辺路は、真言密教の総本山高野山から熊野本宮大社に至る全長72キロの聖なる祈りの道。この道を進むと通過する果無集落(はてなししゅうらく)は、山脈を見渡すことができる「天空の郷」とも呼ばれています。

 十津川村は、最寄り駅から路線バスで6時間半かかりますが、この長い距離が、身体にたまった都会の汚れを清める時間を創りだしてくれるのです(南紀白浜空港からはバスで2時間半)。また、十津川村は歴史的に、どこの支配も受けず、独立して生計を営んでいた大変珍しい土地でもあります。何か特別な任務を持って別待遇になっていたのでは? という歴史ミステリー的な想いを巡らせるのも一興。西村京太郎や司馬遼太郎を始め、幾つもの小説の題材になったのもうなずけます。

■宇多田ヒカルがハイテンションになった小道!?

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ハイになったら、たしかに怪我する、Traveling

 さて、さっそく出発です。このトンネルを抜けると、そこから果無集落山道の入り口になります。トンネルの手前と抜けた先では、はっきりと気の違いを感じられます。長い間、修験道の中心として培われた場所だけありますね。(写真)

 吊り橋を渡ると、山道が続きます。急な上り坂が続くので、熊野古道の中でも人が少ない道なのだそう。観光バスが通った古道では「修験道の気」を感じられませんでしたが、ここにはまだ気が残されているようです。

 同行してくださった村の人に「最近、熊野古道で、あの宇多田ヒカルがアキレス腱を痛めたというニュースがありましたよね?」と聞くと、「それは踊るとか、何かをやったんでしょう。古道に入るとテンションが高くなるので、ハイになりますよ」とのこと。なるほど、村の人でさえそういう気を感じる場所を、感性豊かなミュージシャンが通過したら、イッてしまうのも当然かもしれません。


■世界遺産だけある、見所の多さ!

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最終目的地の滝!

 ひたすらキツイ山道を登り、石畳を踏みしめます。この石畳を1000年以上前の行者が歩いたのだと思うと、この程度の疲労でくじけられません。歩き出して40分弱。かなり身体がキツイ。でもそれもまた修行。都会に侵された気を浄化するには、我を忘れて山道を歩くことが必要なのです。

 登って登ってやっと頂上に到着すると、歓迎するかのように太陽の光が射してきました。この山の果てからは、山脈が続き、その山の背はまるで「龍の背」のように見えると言い伝えられています。最後に、ここの西国三十三観音の石仏を拝んだら果無集落山道は終了です。ここまでの修行(?)ですっかり俗世の汚れを払い、ここからやっと秘境パワースポットに向かいます。

 果無集落から少し降りたところにある滝が、その目的地。1200年の間、行者たちの疲れを癒やした滝には、かつてないほどの大きなパワーを感じられました。十津川村は1泊2日で東京からも行ける、とっておきのパワースポット。今年もあと2カ月、厄を落としに訪れてみてはいかがでしょうか。
(樫原叔子)



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