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きゃりー様公式HPより。鼻血もOKです!
きゃりーぱみゅぱみゅのウェイウェイブログ」より

 フシギパワーでちょい上ライフ! そろそろ年末が差し迫ってきたけど、「ハピズム」をご覧のみなさんはいかがお過ごしかしら。アタシは落ち込んでるわよ。理由はいくつかあるけど、ひとつはアレね、一部メディアによる「小林幸子、元事務所社長らとのトラブルと新曲売れ行き不振により、紅白出場は絶望的」という報道。年を追うごとにつまらなくなっていく『紅白歌合戦』(NHK)の中で、毎年バカみたいにお金かけた衣装で登場するさっちゃんは希少な様式美なのに……。

 もしこれで本当に落選させようものなら、選考委員の方々の判断能力には失望せざるを得ないわね。近年の紅白は、曲の中盤で電飾をビカビカ光らせながら巨大化していくさっちゃんを見て、何となく「ありがたや、ありがたや」と拝んでしまうことが慣例になっているようなご高齢の視聴者層によって支えられているのに、そこを切るようなまねしてどうするのよ! あの巨大化は、妙にアッパーな空気に包まれている紅白だから成立するのであって、いい意味でしみったれた『年忘れにっぽんの歌』(テレビ東京系)でやったって、心の準備ができていないお年寄りがビックリして、のどに餅詰まらせるだけよ。選考委員の方々には、ぜひその点も考慮していただきたいわ。

 ただ、そんなさっちゃんに代わる“衣装枠”での出場が有力視されている、きゃりーぱみゅぱみゅ様(以下、きゃりー様)を拝見してみたい気持ちもあるの。ご本人も、「小林幸子さんとかインパクトがあるので、もし出られたら、今まで見たことのない素晴らしい衣装を着たい」とコメントされているところからして乗り気でいらっしゃるみたいだし、もしかしたらさっちゃん不在を忘れさせてくれるほどのお姿を拝ませてくださるかもしれない。そうなったらアタシ、来年からはきゃりー様にお布施させていただくわ。フィンランドとベルギーの音楽配信チャートで1位を獲得されたという、「ポーンポーンウェイウェイウェ~イ」みたいな呪文も、マントラ並みに唱えるわよ!

 そもそもアタシがこの連載でやろうとしていることは、「言動を自分にとって都合のいいように解釈でき、その存在を都合のいい時に崇拝できる」といった意味での“偶像”を芸能界から見つけることであって、それでいうと、きゃりー様は非常にふさわしいと思うのよね。実体が見えづらいから。

 これは決して冒涜しているわけではなく、むしろ、称賛の言葉として受け取ってもらいたいんだけど、きゃりー様って、膨大な数の大人たちに弄り回されてるじゃない。「プッチンプリン」のCMでは全身でプリンを表現した恰好をさせられて、同じく「ファンタ」のイベントでは全身でファンタを表現した恰好をさせられて、CDでは歌声に思い切りエフェクトかけられて……。それでも“きゃりーらしさ”を成立させていられるのは、はたから“きゃりーらしさ”というものに実体がないからよ。だから、クライアントの望むがままにプリンにもファンタにもなれるし、プロデューサーの思うがままに歌声を作れる。これってすごい資質よ。だって、「ハローキティ」や「初音ミク」と同じカテゴリーにいるってことだもの。

 ちなみに、これはある広告業界の方から聞いたお話なんだけど、現代の若者の中には“商売っ気を感じさせるもの”に抵抗を感じる人が増えていて、彼らにとって“芸能人”はその象徴的存在なんですって。じゃあ代わりに何が受け入れられているのかというと、それこそ初音ミクとか二次元のキャラクター。もはや“人”である時点で受容し難いという、徹底した“偶像崇拝主義”の若者が増え行く中で、若者向けのCMで引っ張りだこになっているきゃりー様って、やっぱりただ者じゃないのよ。そういえば、若者向け衣料ブランド「g.u.」のイメージモデルが元AKBの前田敦子さんからきゃりー様に替わったけど、考えてみれば、それもさもありなん。AKBなんて、商売っ気の権化みたいなものだからね。

 以上の観点からして、きゃりー様が神様にふさわしい……と結論づけたいところだけど、残念ながらそうとも言い切れない。今は初音ミクと対等に戦えても、あちらは老いることがない二次元のキャラクター、片や、きゃりー様は確実に老いていく三次元の人間だもの。プリンにもファンタにもなれる非実体性の根本には“若さ”があって、それが失われた時、今と同じように偶像的存在でいられるかといったら、かなり難しいと思うのよね。見るからに大人の女性が「ポーンポーンウェイウェイウェ~イ」とか口走ってたら、ちょっと……っていうか、だいぶ不気味じゃない。そんなの崇拝してたら、カルト教徒も同然よ。

 でも、だからこそ、アタシはきゃりー様に期待したい。人間でも次元を超越して不老になれるということは、かのプリンセス天功先生が身をもって証明してくださっているもの。それを継ぐためにも、もし紅白に出られるのなら、数年前までさっちゃんと衣装対決を繰り広げられていた美川憲一先生のように、演出に天功先生プロデュースによるイリュージョンを取り入れるべきね。きゃりー様、謹んでご進言申し上げます。

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■アボンヌ安田(あぼんぬ・やすだ)
1984年、神奈川県生まれ。16歳くらいで同性愛に目覚め、21歳くらいからライター業を始め、現在は今後の人生の糧になる“お布施の対象”を探している。「サイゾー」(小社刊)、「週刊女性」(主婦と生活社)などを中心に執筆を行い、「テレビブロス」(東京ニュース通信社)では、コラム「おんなブロ覗き見帖」を隔号で連載中。






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