世界の"黒系"魔術について、現役魔女の榴美
さんが教えてくれますよ!

―—現役魔女&魔術師の“るみたん”こと、谷崎榴美が、小耳にはさんだ、洋の東西を問わない「黒め」魔術の現在をリアルタイムでお届け! 

 ハピズム読者の皆さま、こんにちは。“魔女のるみたん”でお馴染みの谷崎榴美です。

 これまでは、「かくれ魔術」「セックスマジック」の連載を通して、「カワイく、可憐に、エレガントに」をテーマとした、日常にちょっぴり魔法のエッセンスをプラスする術をお伝えしてきましたが、うーん。正直言って飽きました。あ! いえいえ、飽きてはいません、うそです。飽きたというよりも「片手落ち感」を感じ始めた……と表現したほうが正しいのかもしれません。

 19世紀の頃より受け継がれる、品行方正な象徴体系のもとに編み上げられた、真白き光の射すほうへと善き意志のもと突き進む清廉な現代魔術の思想は、それはそれは美麗で魅惑的なものです。にもかかわらず、その魅力を日常に落としこもうと試みたとたん、なぜか安易なスピ的ノリのおまじないまがいに成り下がってしまうという、この事実……。実は私はここ半年、たどたどしくパソコンのキーボードをぷちぷちとつまびきながら、「このままでは魔術の面白さを、ハピズム読者様にちっともお伝えすることができないわ! あぁ、こんな体たらくでは、きっとアセンション後に霊的先輩たちに恐ろしいお仕置きをされてしまう!!」と、切腹モノの無力感を覚えてやまない毎日を過ごしていたのです。

 なにせ、時は21世紀。巷には、あらゆる出来事に対して、とにかく「ありがとう」「ごめんなさい」「許してください」「愛しています」と唱えるだけで、現実がみるみる好転するなんていう、極限まで無駄な技法を削ぎ落した、優秀な「意識に変化を引き起こす術」の類がすでに山ほど存在しています。その上、それらのメソッドは、アマゾンでちゃちゃっとポチれば、翌朝にはあなたのおうちの玄関先に届くというのですから、100年前の偉大な魔術師たちも、雲の上でさぞやびっくりしていることでしょう。

 魔術はすでに、「スピ系文化」として、私たちの日常生活フィールドの隅々に当たり前のように染み渡っているのです。仰々しい呪文やホコリをかぶった古文書など誰も見向きもしないはずなのです。

 なのになぜ、人はなお「魔術」という言葉に、こうも心を揺すぶられるのでしょうか?

 このままでは、おちおちアセンションもできたものではない、落ちこぼれ魔女の私は一生懸命考えました。ハピズム読者の皆様が求める、「魔術」の真の魅力とはなんぞや? と。

 毎日を素敵にアレンジできちゃうチート技が知りたい?

 誰も知らない抜け道を使って、ちゃっかりお得な気分になりたいとか?

 もっとシンプルに、ホウキで空を飛びたいからとか!?

 うーん、ちょっとばかりファンシーすぎですよね? というか、ぶりっ子みたいなこと言ってんじゃねーよ! って感じです。本当はもっと別の何かを期待してるんじゃないですかね? そう、もっとこう……どろどろとした後ろ暗い感じの……たとえばそう。

“悪意”とか。
“殺意”とか。
“恨み”とか。

 ずばり“呪い”とか……ね?

 そうなんです。真面目な魔術実践者の多くは、得てして、“魔術”という言葉に付加された「ダークな」イメージを嫌うきらいがありますが、それでも、やっぱりこういった薄ら暗い側面を無視して魔術のなんたるかを伝えるのって、ちょっと難しいのではないかな、と私は考えました。



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