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パワースポットは甘い気持ちで行くと危険!
とテレンス・リー氏は語ります

——皆さんは、パワースポットが神聖、安全な場所だと決めつけていませんか? もちろん、聖域には違いありませんが、光あるところに影があるように、ほとんどのパワースポットには地獄への落とし穴「魔道」が隣り合わせています。そんなパワースポットに訪れた時、無事、お参りをして帰ってくるにはどうすればいいのか……。危機管理のプロフェッショナルで、年間いくつものパワースポットに足を運ぶテレンス・リー氏に教えてもらいましょう。

■今回紹介するパワースポット
江ノ島

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清らかで楽しい印象の観光地、江ノ島。でも実は……
Photo By from ryuo Flickr

 なぜ、ほとんどのパワースポットに「魔道」があるのか? なぜならそこを訪れる人々の心が欲望に満ちているからです。「幸せになりたい」と願うのは万人の素朴な想いですが、幸せ願望も欲望であることに変わりありません。

 欲望は悪鬼にとって最高のごちそうです。悪鬼は欲望の集まるパワースポットに網を張り、皆さんの欲望をえさにしようと狙っているのです。

 その意味で、気をつけなければならないのが「江ノ島」です。

 江ノ島には「江島神社」がありますが、辺津宮(へつのみや)に田寸津比賣命(たぎつひめ)、中津宮(なかつのみや)に市寸島比賣命(いちきしまひめ)、奥津宮(おくつのみや)に多紀理比賣命(たぎりひめ)、と、3つの宮に宗像三女神をお祀りしています。源頼朝が弁財天を勧進したことから弁財天信仰の聖地となって、竹生島、厳島とならび日本三大弁天のひとつに数えられています。

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江島神社入り口。この奥では、戦への狂気と執念が今も渦巻いている……?
Photo By from centralfields Flickr

 源頼朝が弁財天を勧進したのは1182年ですが、この年は源頼朝が平家打倒の願文を伊勢神宮に奉納しています。同時に、奥州藤原氏の調伏を祈願するため、江ノ島に弁財天を勧進しており、ただならぬ起源であることは間違いないでしょう。

 弁財天はサンスクリット語で「サラスヴァティ」といい、“聖なる河”という意味の水の神様ですが、武運を司る一面も持ち合わせており、戦勝祈願には絶大な効果が得られると信じられてきました。

 こうしたことから、鎌倉時代より武家の篤い信仰を集めた江ノ島は、いうなれば最も“狂気”に満ちた「戦に勝つ」という情念を浴び続けてきたのです。当時の戦といえば殺し合い。そんな場所を「魔道」が見逃すはずはありません。

 また、辺津宮境内の奉安殿には八臂弁財天と妙音弁財天の二像が安置されていますが、妙音弁財天には生々しく女性器が彫られています。現在は座布団で隠され、見ることはできませんが、“発願の執念”というものが荒々しいほどに伝わってきます(江の島の本宮とされる洞窟は弁財天信仰が持ち込まれる以前から、女性の性器や子宮に見たてられ「女陰信仰が盛んだった」といわれています)。

 余談ですが、弁財天が男女の仲を裂くという伝説は、江戸時代に旦那衆が江ノ島弁天詣での際、周辺の遊郭で狼藉三昧するには女房道行では具合が悪く、「弁天様は嫉妬深いから」と奥方をだましたのが始まりとの説があります。

 さて、かくも深い業を受けとめてきた江ノ島ですから、「魔道」が現れてしまったことも仕方のないことでしょう。「魔道」が存在する以上、邪な気持ちで願いごとをするのは非常に危険です。

 江ノ島に詣でるならば「いつも幸せをありがとうございます」と、心からのお礼を伝えに行くパワースポットだと納得していなければなりません。よほどに清らかな精神で詣でなければ、闇の世界に魅入られてしまいますよ……。

■テレンス・リー

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神奈川県横浜市出身。立教大学文学部史学科中退。大学在学中より傭兵として紛争地を転戦。引退後、危機管理コーディネーターのかたわら文筆生活に入る。学問的専門分野は中世日本軍制史および幕藩外交史。著書には『おれは戦争下請け屋』(東邦出版))、『戦争病』(実業之日本社)、『3秒おいて、慌てなさい』(笠倉出版社)、相武左馬のペンネームで上梓した『真説パワースポット~あなただけのパワースポットに出会う本』(東京書籍)など多数ある。

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