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もう、占い師になっちゃおうかなあ

 就職氷河期が続く中、転職事情も様変わりしてきている。農業、林業など後継者難の第一次産業、伝統工芸や隙間(ニッチ)産業など、普通の仕事とは違うちょっと特殊な業界に目を向ける人もいる。中には、派遣やアルバイトをしながら、いずれ本当に好きなことを仕事にできるようにと準備を始めている人も少なくない。

そんな中、俗に「不況に強い」と言われる職業「占い師」は、仕事としてありなのだろうか?

 占いビジネスに詳しい占い師に話を聞いてみた。

「占い業界だって、もちろん不況の影響を受けています。つぶれた占い館もたくさんあるし、廃業した占い師も多い。携帯やネットの占いの売り上げも伸び悩んでいますし、占い鑑定やライティングの単価も下がっている業界の大先生だって、収入は落ちてるはずですよ」

 となると、「不況に強い」というわけではないのだろうか。

「いえ、確かに不況に強いとは言われています。好景気の時のように占い師に大金つぎ込むことが少なくなっても、不況で悩みは増えるわけですから。先が見えないから、占いに頼りたくなる人も増えますし」

 そもそも占い師、という職業は、不況の前と後で、どう変わっているのだろうか。

「景気がよかった時代は、占い師もパフォーマー、エンターティナーの要素が強かったんです。奇抜な格好をして、おもしろおかしいことを言えばお金になった。でも不況になってからは、本当に悩んでいる人がこっそり占ってもらうという、占い本来の姿に戻ったんでしょうね。エンターティメント占い師は廃業しても、本来の占い師の仕事はある。そういう意味では、やっぱり不況に強いということになりますね」

 占い業界全体の売り上げは減っても、占い師本来の仕事はなくならない。誰にでも勧められる職業ではないとしても、本気で占いを仕事にしたいと思うなら、好機ということか。

「占いを学びたい、占い師になりたい、という人は確実に増えています。占い学校や講座も多くなりました。資格も経験も資金も何もなくてもはじめられますからね。貧乏でもニートでもリストラされても関係なしです。そういう意味では、不況の時代に、始めやすい仕事ともいえます」

 とはいえ、占い館がつぶれれば、そこで働いていた占い師は仕事場を失う。占い師は占い館の社員ではなく、場所を借りているだけの歩合制である場合が多いので、職場がつぶれて解雇されても、なんの保証もない。第一に、占い師は1人ひとりが個人事業主なため、好・不況に関係なく、お客が行列を作る人気占い師もいれば、まったく売り上げがない不人気占い師もいるはずだ。

 本来の占い師の仕事の形とはどういうものなのだろうか。

「そもそも、占い師は大もうけできるような職業じゃないんです。悩める人の力になって、ささやかながらお礼をいただいて、というのが本来の占い師の仕事のあり方ではないでしょうか」

 占い師という職業が、不況の影響を受けないわけではない。たとえ占い師になっても、結果的に能力がなければ、どの業種でも同じように廃業せざるを得ない。だが不況になっても世の中が変わっても、何千年も昔からずっと、「占い師」が居続けたのは事実。占い業界全体が縮小していく可能性はもちろんあるが、現場の占い師の声を聞いて改めて思った。これから先「占い師」という職業がなくなることはない。それだけは確かだ。



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