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白球×宗教のコラボレーション!

 ロンドン・オリンピックも終盤に差し掛かった8月8日、第94回全国高等学校野球選手権大会、通称・夏の甲子園大会が開幕した。この高校野球において、しばしば話題になるのが、私立と公立の格差。時々「同じ高校生なんだから、勝負は分からない!」と、“清く正しい精神”に則った正論をのたまうファンもいるが、その同じ高校生が、片や広々とした専用グラウンドと最新のトレーニングマシン完備、トレーナーまで帯同している私立高校、片や狭いグラウンドをほかの部活と共用し、道具ひとつ買うのもヒーヒー言っている状況の公立高校で練習に励んだ場合、どちらのレベルが高くなるかは明らかだ。

 そんな私立高校の中でも、抜群の資金力と設備、人脈を誇るのが、いわゆる“宗教系”の学校だ。一般的に有名なところでいうと、"PL(パーフェクトリバティー)教"を母体とする大阪の「PL学園」などは、知っている読者も多いことだろう。1980年代に甲子園で圧倒的な強さを誇り、清原和博、桑田真澄をはじめ、多くのプロ野球選手を輩出した野球名門校である。近年は、今大会で4強入りを決めている「大阪桐蔭」や、その大阪桐蔭に大阪府大会の決勝で負けた「履正社」など、新興校の台頭によって府大会で苦戦を強いられているが、まだまだ実力とネームバリューは健在だ。

 ほか、今大会では大阪桐蔭に負けて8強で終わった「天理」や、初戦敗退に終わったものの、夏の甲子園に戦後最多の8年連続出場を果たした「智弁学園」といった常連校をはじめ、全国には宗教系の学校が意外と多い。ともすれば、「宗教=洗脳、怖い!」といったうがった見方をする向きもある中で、「宗教系高校球児は洗脳されている」とお思いのファンも少数ながらいるのではないだろうか。強豪校であれば軍隊並みとも言われる高校野球の練習の中で、実際に宗教が入り込む余地はあるのか? 今大会の出場校を中心に、注目の宗教系学校と、その野球部について紹介していこう。

 まずは20日に行われた準々決勝を勝ち進み、4強入りが決定した東北の雄、青森の「光星学院」。昨年の夏の甲子園、今年の春のセンバツ共に準優勝、OBに巨人の坂本勇人がいるなど、強豪校として知られている。そんな同校は、"カトリック系"。今年の青森県大会決勝では、キリスト教関係者もドキドキの、"プロテスタント系"の「聖愛高校」との“教派対決”を制し、甲子園出場を決めた。

 しかし、昨年の夏の甲子園では、スタメン9人中8人が大阪出身(残り1人は沖縄)だったということもあり、“第2大阪代表”や“外人部隊”と揶揄されたり、「青森・光星学院のエース、大阪出身の秋田(教良)君」とファンを混乱させたり、同甲子園出場メンバーの飲酒が発覚(それも選手本人のブログで……)して停学処分になったり……と、試合以外でも話題を振りまき、“ゴッド・チャイルド”にあるまじき狼藉で、今や甲子園のヒールとしての印象がすっかり定着してしまっている。

 飲酒事件は、ミサの“ぶどう酒”だったのかもしれないが、まるでカトリックの教えが浸透していないようなその素行。それもそのはず、実は同校創立者のヨゼフ中村由太郎氏が熱心なカトリック教徒だったというだけで、教育方針にも「カトリック精神に則り道徳教育を施し〜」とはあるものの、特に宗教関連の授業はない。唯一の宗教行事といえば、12月にクリスマス会をする程度なのだ。“ヒール”のレッテルを貼られてしまった現状を見て、天国のヨゼフ氏は何を思うか……。アーメン。



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