――信仰の有無に関わらず、さまざまな場面にスピリチュアル思想が盛り込まれている日本の冠婚葬祭。なんとな~くやり過ごしているものの、中には「アレ? これってありなの?」と思うようなちぐはぐなものも……。そこで、長年の海外暮らしで培ったガイジン的視点から、半分ガイジン!? な映像ディレクター・市村幸卯子が、日本のちょっとおかしなしきたりについてツッコんでいきたいと思います!

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模擬披露宴:ウェイティングベアを抱かせられて、
ハート眼鏡をつけさせられて、花火を見させられる。
(c) yuko ichimura

 私たちは、あまたの式場&ウェディング“言霊アゲアゲ巫女”プランナーに出会った結果、いちばん普通に意思疎通ができ(過度にアゲ巫女すぎない)、また参列ゲストへの気配りが行き届いた横浜ロイヤルパークホテルさんに全体の仕切りをお願いすることにしました。

 挙式当日のスケジュールは、ホテルで衣装の支度→神社へ移動・神前挙式→ホテルに戻って親族食事会(ミニ披露宴)という流れ。fumufumu.

 My母・チエちゃんに報告したところ……「そーお、決まってよかったわねえ。ところで」、と私の腕をひっぱり寄せて真顔で一言、「両親へのお手紙朗読、ないよね?」。

 チエちゃんはcool&dryな性格のさっぱりレモン味レディなので、そういう内々のセンチメンタルを皆さんの前で展開するのは「まじで無理」とのこと。

 確かにニッポンの披露宴……いつからこんなにも複雑な演出をするようになったのでしょうか?

 バブル期より伝え聞く、“恐怖!天井からゴンドラで登場”などのエクストラバガンザな演出は姿を消したようですが、その代わりに「確かにありそうだけれど、どの国の何時代の習慣?」と思うようなUNKNOWNなそれは増えました。
 
 たとえば、「ラッキードラジェ(ヨーロッパ数カ国が混ざっている気がする)」「シャンパンタワー(ホストクラブ?)」「新郎ビールサーバー担いでまわる(球場?)」「マイテーマ曲で入場(K-1?)」。

 そうそう、「レインボーの紙眼鏡をかけさせられてキャンドルリレーをすると、炎に『ハート』模様が浮かび上がる!」という演出も見かけました。確かにたくさん「ハート」が見えるのですが、半分以上の「ハート」が上下逆さになっていて、おしりちゅーかピーチちゅーか岡村靖幸っぽいことになっていましたね……。

 そして注目No.1は、「感謝のウェイト・ベア」! 新郎新婦が生まれたときの体重とおなじ重さのテディベアを両親にプレゼントする、のです……!

 OHHHH!!!!! I JUST CAN’T…… この不可解すぎる演出のコンセプトはなに!?

「巣立って行く子の代わりに、スピリットは親のおそばに……あの日の出会いにマジ感謝! リインカネーション・輪廻……」(意訳)

 はい、来た~。ちょっと日本昔話のような、土の匂いのする「こけし」民俗学的な何か来た~(※こけしは「子化身」から来ていて、胎児を意味する……という話があるそう)。

 で、ですよ。そんな披露宴演出の目玉と言えば、“夫婦初の共同作業「ケーキカット」”ですが、私は「ケーキカットだけはやりたくない。ほかの人がやるのは素敵だと思うけどさ、私たちにとっては自分ごとに感じられないというかねぇ」と新郎に訴えました。 

 これに応えて、ロマンチスト(ただし斜めにヒネリの入った)の夫は、言いました。

「わかるよ。ケーキじゃないよね。“寿司開き”にしよう」

 え……何それ!?

 次回に続く!


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■市村幸卯子(いちむら・ゆうこ)
1975年、神奈川県生まれ。映像ディレクター、国際マンガ家。ロンドン大学ゴールドスミスカレッジ・ファインアート科卒業。11年間のイギリス滞在を経て帰国。ロンドン時代よりTVCM、ミュージックヴィデオ、アニメーション作品など数多く手がける。著書に、福島第一原子力発電所事故後の東京の日常を描いた『3/11-TOKYO INTERRUPTED-東京一時停止-』(Carlsen Verlag社)がある。
公式HP


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