(前編はこちら)

■降霊会スタート! 果たして誰が降りてくるのか……

 午前3時をまわり、いよいよ降霊会! このタイミングでの開始は、ルシファーに敬意を表してのこと。ルシファーはラテン語で「金星」の名を持つ天使。明けの明星の出現を待つ子羊たちの表情には、不安と期待が見てとれます。

 先ほどの黒ミサと違うのは、取り仕切るのが魔術師KATORであること。稗田・尚叡の両名は、いわば霊媒です。魔術師KATORがゲストを集め、「魔法陣の周りを囲むように立ち、手をつないでください」と指示します。筆者も雰囲気にのまれて参加。位置は、なんと魔術師KATORの隣です。イ、イケメン魔術師に手ぇ握られちゃったよ。どどどーしよ。いかんいかん、邪念は……。

 霊を降ろす前に、魔術師から「降霊」についての説明がありました。

・降霊ブームは19世紀半ばのアメリカで起きた「ハイズビル事件」がきっかけである。
・この事件により、霊とコンタクトしようという発想がはじめて生まれた。
・背景にあるのは、事件の数年前、モールス信号による通信が成功した件。人類が通信というツールを手にしたことで、霊に呼びかけることを思いついたのだろう。

「……いうわけでブームとなった降霊会ですが、インチキが多いので、現在では少なくなっています。今夜は、当時の雰囲気を味わいつつ、楽しんでいただきたいと思います」

 そして、霊媒となった稗田が魔法陣の中央へ進み、降霊が始まりました。魔術師KATORの指示どおり目を閉じると、自分がどこにいるのかわからないような、不思議な感覚に陥ります。

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魔方陣の中で倒れる、霊媒・稗田氏。
セーラー服姿なのは『エコエコアザラク』の主人公・黒井ミサのコスプレ

 やがて足元でガタガタッ、という大きな音が! 思わずギュッと目をつぶる筆者。すかさず魔術師KATORが「そこに誰かいますか?」と呼びかけます。

 ゆらりと立つ稗田が、はっきりとした口調で語り始めました。「人は私を魔女と呼ぶ……私は薬草の知識を、人々に役立てるだけ……」。どうやら稗田に降りたのは、数十年前の女性で、今でいう薬剤師のようです。悩める人々に助言をしていたことから、占いもする魔女、と思われていたのでしょうか。憑依された稗田は、円陣を組むゲストに声をかけては勝手に占っていきます。ひとりの若い男性には「あなた、耳に気をつけて!」と命令口調でアドバイス。

 ゲストは前のめり状態で、うっかり手を離しそうになる人も。すかさず魔術師KATOR、「手を離さないでください!」と一喝。つないだ手をギュッと握られ、ズキューンな筆者。あら、あらら? 気がつくと椅子に座っていた……貧血を起こしたみたい。降霊はまだまだ続いていますが、おとなしく観覧することにしました。

 続いて登場した尚叡にも、誰かが降りたようです。魔術師KATORが聞き出したところによると、霊の正体はオカルティズムのカリスマ、ジョン・ディー!!! ディー博士と言えば、あの魔道書『ネクロノミコン』の作者ではありませんか。

 ジョン・ディー博士は、16世紀から17世紀にかけて実在したイギリスの学者です。専門は錬金術、占星術、数学。要するに、有名な魔法使い。16世紀において、科学は魔法のようなもの。うろんな魔術師として投獄されたこともある、受難の科学者なのです。なおディー博士を『ネクロノミコン』の作者としたのは、ラヴクラフトの創作です。念のため。

 さて、そんなメジャーな人が降りてくるとは、いやはや大変なことになりました。ディー博士は日本語も堪能らしく、ゲストに次々と託宣を授けます。「もう疲れた……」と去ろうとする博士を、。魔術師KATORが引きとめるひと幕も。魔術師おそるべし。

■貧血と思いきや、霊に憑かれていた!?

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サロンタイムには、『月光』在籍の占い師が占いに
応じてくれます

 降霊会がお開きになった後は、始発までフリーなサロンタイム。降霊会で占いを経験した人も、しなかった人も、お目当ての占い師さんに鑑定をリクエストしています。せっかくだから筆者も、ワンショット占いを依頼してみました。結果は、「意中の男性とは、あなたの今後の生き方しだいでベストパートナーになれるかも」……つまり、すぐにラブラブにはなれないってこと、なのね。くすん。

 気を取り直し、あたりを見回すと、稗田氏がちょうどエアポケットに。大役を終え、少々興奮気味のところを直撃し、カラクリもとい。感想を伺いました。

稗田「とにかく無事終了して安心しました。もっと長い時間やりたかったけれど、これ以上続けると意識が保てないと思ってやめました。自分の意識を霊に間貸ししている状態だったので」

――先ほど、男性に耳のことをおっしゃっていましたが?

稗田 ああ、はい。今きいたら、あの方、クラブのDJだそうです

――おお、大当たりですね。

稗田 とにかく無事に終わってよかった。寒くなったという人がいたくらいで

――私、貧血起こしましたが。

稗田 えっ……それ、憑いてる……かも

 うわ、私って霊媒体質だったの!? 衝撃の事実!! でも大丈夫。終了後は、稗田氏謹製の生ミントをかじるグラウンディング(grounding=現実に戻す)で、気分スッキリ。アフターケアも万全なのですね、薬剤師が降りるくらいだから。

 ここまで読んで、自分も降霊してみたいと思った人! 早まってはいけません。このイベントが無事終了したのは、プロ集団によるムダに周到な準備もさることながら、客層がオカルトに耐性があり、なおかつ親和性の高い子羊たちだったからなのです。『月光』では今後も降霊会の開催を続ける予定、とのことなので、参加のチャンスはまだまだあります。ご安心を。

 イベントに出かけるのは困難、という人は、『魔術堂』の魔術書でお勉強し、魔術師を目指しましょう。一人前になるのには、300年くらいかかるかもしれないけど。
(よいこ)

占館 月光
魔術堂
OMEGA ALGEA



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