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『12星座 相性☆虎の巻』(実業之日本社)

蟹座ちゃん:牡羊座くんは先週も掃除をサボりました!
牡羊座くん:……あの日は大事な試合があったんだよ! それに、ちょっとは、やったよ。
水瓶座くん:でも、モップもって、たーっと一回走っただけでよ。で、出て行ったよね。
山羊座くん:……先生、牡羊座つるし上げていても時間の無駄なんで。積極的に結論出しましょう(キラリ)。

 これは、新刊『12星座相性★虎の巻』(実業之日本社)の一部を引用したもの。12星座の性質を学園モノ風に紹介している本書では、アストロまーさ先生率いる「アストロまーさ学園」の、12人の生徒たち(もちろん星座は全員バラバラ)が登場し、1~12章まで順番に各星座が毎回何らかの騒ぎを起こしている。
 
 例えば、冒頭の蟹座ならば“口うるさくサボりを指摘する”、牡羊座は“掃除せずにさっさと部活へ”といった特徴が表現されているのだ。そのほかにも、その星座の得意なこと、苦手なこと、能力評価グラフなどが詳細に分析されたカルテや、アストロまーさ先生からの宿題として、その星座ごとの良さをもっと活かせるようなアドバイスのページも充実。さらに、本の端には、「修学旅行で夜、こっそりと脱走しそうな星座は?」、「後始末を押し付けられがちな星座は?」といった、小ネタもぎっしり詰まっている。

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アストロまーさ学園の生徒たち。クラスメート12名の小規模クラスです

 ただ、学園モノといっても、星座の特徴を分かりやすくするためか、リアリティは少ないよう。恋多き星座・蟹座ちゃんは、ホームルームでクラス全員に堂々と恋愛相談。「天井があると息苦しい」という制約苦手な射手座くんは、自らの希望で個人面談を屋上でやってもらう。中性的でストイックなところがモテモテの乙女座くんは、机の中からお菓子・手紙・プレゼントの箱がドサドサ溢れ落ちるエピソード。それにしても、漫画でよくありそうなベタなシーンだらけだな……失礼ながらそんなことを思いながら読み進めていたら、筆者の星座・水瓶座のところには、“こだわり屋の水瓶座の言いがちセリフ集”のところに「何かありきたりだな」「それ、おもしろいわけ?」との記述が。くっ、合ってる……。

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こちらが山羊座くん。ズバリ、推しメンでしょう?
某漫画のメガネ委員長“丸尾くん”も山羊座

 ところが、このベタかつ、登場人物の特徴を極端に表現したのがむしろ功を奏して、インパクト抜群のキャラに仕上がっていたのが「山羊座」くん。山羊座くんの言動をよくよく読み込むと、妙な言動が散見されるのである。慎重・現実的な山羊座は、責任ある立場がピッタリのまとめ役気質。この本では、クラスで暴走する子たちを冷静に仕切るメガネ+七三ヘアーの委員長(※そもそも委員長が七三メガネというビジュアルもベタ)、という設定になっているのだが――。
 
 あるときは、あと1点で満点を取れなかったことを嘆き、絶叫し、顔を紫色に染めて、泡を吹いて気絶する山羊座くん。またあるときは、遠足の余興でノリノリで女装コスプレをする山羊座くん。本書の解説によると、「遊び心は基本少なめなので、いざやるときに限度がわからない」とされている。山羊座と言えば、真面目で堅実、特に目立った特徴のない星座といったイメージだったのに……。この本を読んで以来、すっかり山羊座が私の推しメンになったのだった。
(朝井麻由美)






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