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 一昔前の占い師は、複雑な計算をして、ホロスコープや四柱推命の命式を出していたが、今時の占い師は、ほとんどがパソコンの占いソフトで出している。占いソフトとは、診断結果の出るコンピューター占いではなく、ホロスコープや命式を計算するソフトのこと。相談者の生年月日や生まれた時刻を入力すると、ものの数秒で、その人のホロスコープや命式を出すことができるのだ。

 しかし、占いソフトで簡単にホロスコープや命式が出せるため、占い師として名乗れるハードルが低くなってしまったり、占いに「神秘性」を求めていた相談者からすると、パソコン計算は本当に占いなのかと疑問を持ってしまうことも。

 占いソフトは、占い師や相談者にとってどんな功罪をもたらしたのだろうか? まずは「占い」の定義と手順について改めて確認しておこう。

 占いには、(1)データをそろえる、(2)読み解く、(3)未来予測する、という3つの段階があり、占星術なら、ホロスコープを作ることがデータをそろえることで、ホロスコープを読み解き性格診断し、それらをもとに未来予測する。タロットカードなら、カードを展開することでデータがそろい、カードを読み解き、相談者の未来を予測する。

 特に占星術の場合、人類が占いをするようになってから長い間、データをそろえるのが難しかった。そもそも占星術は天文学という学問であり、ホロスコープを作るには星の観測をして、とてつもなく難しい計算をしなくてはならなかったからだ。しかし、現在では、この部分を占いソフトが代行してくれるようになり、今は生年月日さえ入れれば誰でもすぐにホロスコープや東洋占いの命式が出せるようになった。

「データをそろえることも占いの一部なのですが、占い師としての力量が関わってくるのは、「読み解く」ことと「未来を予測する」こと。占いソフトでホロスコープが出せても、それを読み解く力がなければ、結果を導くことができませんから。東洋占いの命式も同様です」(占い業界関係者)

 占いソフトはあくまで占いの道具であり、データをそろえるだけなのだ。と、そういう事情をふまえたうえで、占いソフトの功罪について整理してみた。

 占いソフトができたおかげで、占い師にとっては、「コンピューター計算なのでミスがない」「すべての星や要素を暗記しなくてもいい」「計算用の分厚い暦を持ち歩かなくていい(パソコンひとつで足りる)」というメリットがあり、相談者も、占い師が計算をしている待つ時間もなくなり、時間料金制のところでは、今まで計算に要していた時間も相談することができる。

 しかし、デメリットとしては、簡単なパソコン操作ができ、占いソフトを持っていれば、簡単に占い師になれると思う人が増え、占いの神秘性が薄れてきてしまった。相談者にとっても、ポンとパソコンで出されたホロスコープを見せられて鑑定してもらっても、占いではなく、ただ「解説」してもらっているだけという気がしてしまったり、そんな簡単な操作で出せるなら自分でもできるのでは? と変な風に思ってしまったりする。

 占いソフトの普及は、占い師にとってはメリットが大きいが、相談者にとっては幻滅のほうが大きいかもしれない。だが、計算機にはできない占いの神髄、霊感を働かせる部分だけに集中してもらえるようになったと思えば、相談者にとってのメリットも大きいのではないだろうか。

 CG技術がいくら進歩したからといって、絵を描くのは画家のインスピレーションだ。気圧や温度の数字を手で表に書きこんで作っていた天気図が、パソコンで出せるようになったからといって、天気予報士の仕事がなくなるわけではない。占いソフトにできることは、占いの一部でしかないのだ。

 メリット・デメリットの両面がありつつ、もはや日本では占いソフトなしでの占いはありえないほどに普及している、というのも事実。ならば占い師も相談者もそのメリットを積極的に享受していくほうがいいのではないだろうか。



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