――いわゆる"占いの館"に入るほど深刻には悩んでいない。でも占いはちょっと好き。それなら、占いをゆる~く楽しめる"占いカフェ"はいかが? 各地の占いカフェに次々潜入して、勝手に占いカフェミシュランしていきます。

 占いカフェミシュラン、記念すべき第一回目のカフェは、東京・下北沢の『占・茶』。小さなビルの二階に店を構え、入口にはカフェメニューが書かれたかわいいミニ看板に、方位磁針をかたどったロゴの旗がはためいていました。怪しすぎず、オシャレすぎず、の占いカフェとしては絶妙なバランスです。

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怪しくないというのが占いカフェには大切です

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お店の中も普通のカフェ。鑑定は店の奥のソファ席で行われます

 扉を開けると、「あらーいらっしゃい!」と50過ぎのおばさまが迎え入れてくれました。お店のオーナーであり、占いも担当する日髙水留美さんです。こちらが何も言わずとも、「こっちが占いスペースよ」、「ごはん食べるならこっちの席」、「コーヒーお飲みになる?」とチャキチャキとどんどん進める日髙さん。まるで近所の世話好き母さんです。

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占い界一のオカン系占い師・日髙水留美さん

 いざ占いが始まると、慣れた手つきで母さん、もとい、日髙さんはさっさかリード。言われるがままに生年月日を記入すると、何やら複雑な計算をし、生まれもった星の特徴から、性格を導き出してくれました。

日髙さん(以下、日髙)「私の占いは、まずあなたが生まれ持った性格について説明して、その性格からするとこういう運命を辿りやすいですよ、と教えてあげるスタイルです。さっそくあなたの星を見てみると、本質はとても真面目。ただ、少しプライドが高いかな。将来に向けて前に進む力は強いけど、どこか逃げ腰。枠にハマりすぎだけど、その反面、逃げ上手、かわし上手ではあります。大変繊細で精神的に弱いけど、細やかな分、とっても気遣い屋さんだわ」

 このように、長所、短所、長所、短所、の順番で、性格についてズバズバと指摘してきます。ただ、"前に進む力は強い"のに"逃げ腰"など、時折やや矛盾を感じる点も......。納得いかない表情で聞いていたら、日髙さんはこう続けました。

日髙「ほら、あなた細かいのよ~ぉ。細部にこだわりすぎる。目の前の出来事を文章にまとめるのに適した星を持ってるから、ライターという仕事はすごく向いているわ。でも、伝え方が下手! 細かすぎるゆえに、伝達能力が低いのよ」

 えっ、ライターに向いているのに伝達能力に欠けてるってどういうこと!? と質問を挟む間もなく、ペラペラと占い結果を語り続けます。

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チャキチャキと鑑定を進めていきます

日髙「伝達能力が低いってのは、そうね、例えば、『お昼にパスタを食べたいけど、池袋のパスタ屋もいいし、クリーム系を食べたい。でもペペロンチーノでもいいな』だと支離滅裂で分からないじゃない。『お昼はパスタにするわ。そのパスタはあさりを使ってて、あさりはドコソコ産のものがいいの』って言った方が分かりやすいでしょ? そういうこと。ねっ?」

 と、イマイチよく分からないパスタの例で強引に押し切られてしまいました。さすがはチャキチャキなオカン系占い師。「そういうこと。ねっ?」と笑顔でゴリ押しされると、ついつい納得したくなります。短所を指摘されてもあまり傷つかないのは全身から溢れるオカン感ゆえでしょうか。場所がカフェなのも手伝っているのか、占い師だからと言って変に威圧感もなく、近所のおばちゃんと話している感覚で聞けるのも気楽です。

日髙「今年は悪い星は出ていないわね。あなたの星のめぐりを見ると、2~3年前はしんどかったと思うわ。その当時のことを思い出してみると分かると思う。でも、今年は全体的にうまくいく年よ」

 そう言われてみれば、「しんどい星がきていた」とされる3年前は、会社を辞めて仕事もねぇ、金もねぇ、付き合う男はメンヘラ男、と自分史上最悪の年だったことを思い出しました。街を歩けば露出狂に追いかけられ、ストーカー被害に遭ったものこの時期です。あまつさえ、すがるように駆け込んだ占い館では、占い師に散々こき下ろされた挙句、ン万円もするお守りを買わされそうになったんだっけ。そんな話、一言もしてないのに、占いでそんなことが分かるんですか!?

日髙「普段の生活の中で、赤と緑のもの取り入れるといいわよ。赤系は伝達能力を補佐してくれて、緑系は繊細で傷つきやすい心を守ってくれるの。だから、大きな木のそばに行ってハグしたり、自然の多いところで日光浴したりすればいいじゃない。ねっ? それと、あなたがもともと持っていない"伝達能力の星"があなたのそばにやってくるのは3年後ね」

 そして占い後、カフェ自慢のメニュー『洋風うどん』(700円)を出してくれたのですが、これがビックリ、『洋風うどん』はトマトベースの赤いスープに、緑のハーブが添えられてる料理でした。さっそく運気が上がりそうです。

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(左)もともとは日髙さんが自宅で息子に食べさせていた野菜たっぷり料理。
(右)触ると金運や恋愛運が上がるというお店のラッキー犬・愛ちゃん。
触ろうとしたら嫌がって逃げられるところを、無理矢理触ってきました

 何より、今回の『占・茶』の一番のポイントは、占い師・日髙さんのオカンオーラゆえに、気負わずに占いを聞ける点。そして、畳みかけるように占ってくれるため、コストパフォーマンスも抜群。占いにお金はかけたくないけど、一度くらい占ってもらいたいという人にはうってつけかもしれません。私も、今回の占い結果を受けて、3年後にやってくる"伝達能力の星"に思いを馳せながら、隙あらば大きな木にハグしに行こうと思う次第です。森で必死の形相で木に抱きつく女を見かけたら、それはきっと私です。

■評価データ
【占術】算命学
【料金】5分 980円~(占い中に延長を決めても可)
【得意分野】仕事、引っ越し・転職、恋愛
【占い師の特徴】仕切り屋、早口、世話好きオバチャン系
【カフェの雰囲気】★★★★☆
【占いの濃密度】★★★★☆
【コストパフォーマンス】★★★★★
こぼれ話:具体的な時期で運命を教えてくれる算命学は、占術の中では高度なもので、月1で今月の過ごし方を聞きに来る常連も多いとのこと。リピーターの多い秘訣はカフェのアットホームな雰囲気。リビングでくつろぐかのように過ごせるゆえか、客同士で仲良くなり、恋愛に発展したケースもある。ごくまれに、日髙さんがお客さん同士の相性を鑑定し、キューピッド役になることもあるのだとか。

■ショップデータ
『占・茶』
東京都世田谷区北沢2-34-11 リアンビル2階
電話/03-3485-8978 
営業時間/12:30~23:00
定休日/無休

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■朝井麻由美(あさい・まゆみ)
ライター。体当たり取材を得意とし、一風変わったスポットに潜入&体験した記事は100本を超える。主に週刊誌や情報誌で執筆する他、「ハピズム」にて連載「お昼休みはスピ的ウォッチング♪」を担当。また、「日刊サイゾー」ではB級スポットを巡る「散歩師・朝井がゆく!」を好評連載中。
朝井麻由美Twitter



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