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Photo By from tamaki Flickr

 もうすぐ確定申告の時期。日本では占い師も自由業の一種なので、ちゃんと税金を払っている。もちろん確定申告にも行く。年間所得が3,000万円超えていれば消費税を払わなければならないし、雑誌やウエブでの占い原稿料からはすでに源泉徴収税が引かれているので、収入額によっては確定申告すれば引かれた分が戻ってくる。家族を扶養している占い師は、ちゃんと扶養控除も申告する。

 このように、日本の占い師は律儀にしっかり税金を払っているが、ほかの国でもそうとは限らない。

 占いの本場ルーマニアでは、昨年2011年1月、初めて、魔女や占星術師、占い師に対して税金が課せられることになった。それまでは無税だったということになる。なぜか?

 実はこの法案、2010年に提出されたのだが、占い師や魔女が「税金を課すなら呪い殺す!」と反対し、否決されているのだ。再提出され、ようやく法案が通ってからも、ルーマニア大統領や議員あてに「猫のフン」や「犬の死体」「毒草」を使って「魔術で呪い殺す」という脅迫が届いた。

 日本の法律では誰かを呪い殺す儀式をしても、法的に罰せられることはない。わら人形に五寸釘を打ちつけても誰かを殺すことは不可能なので、もし呪われた人が急死したら、それはただの偶然だ。これを「不能犯」という。ただし、「呪殺する!」と脅迫したことで精神的なダメージを与えたと立証されれば脅迫罪が適用される可能性はある。だがこれはあくまで脅迫に対する罪であって、呪ったことに対する罪ではない。

 実際に2005年日本で、タイ人のパブ経営者が従業員のインドネシア人女性らの爪や髪の毛を採取し、黒魔術により呪殺すると脅し売春させていたことが発覚し、売春防止法違反で検挙されている。これも呪いそのものではなく、売春を強要したことが罪とされた例だ。

 さて、ルーマニアの呪殺宣言から約1年が経過したわけだが、今年61歳になるルーマニア大統領バセスク氏はいまだに健在である。今年1月のビジネスニュースによると、ルーマニア経済は個人消費の拡大で、去年に引き続き2012年もプラス成長になる見込み。魔女や占い師も、財政改善に一役買っているのということになるのだろう。

 実際、課税され正規の職業として認められることを歓迎した魔女や占い師もいたということだ。

 かつてルーマニアの独裁者だったチャウシェスク大統領には、お抱え魔女がいたといううわさもあったし、政敵を呪殺しようとしたこともあったらしい。また、ルーマニアは吸血鬼のモデルとされたドラキュラ伯爵生誕の地でもある。
 
 だが、現代のルーマニアの魔女は、日本と同じく税金を納める正しくまっとうな職業なのだ。



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