『グレイテスト・ヒッツ』(ユニバーサルイン
ターナショナル)
――実力だけでは生き残れないハリウッドという世界に生きるセレブ。彼らを支えているパワーの源、幸運をもたらす見えざる手を分析します。
■今回のターゲット
フレディ・マーキュリー (ゾロアスター教)
ビートルズをはじめ、カリスマ的なバンドマンたちの多くが、自分たちの信じている宗教をオープンしていたのに対して、クイーンは宗教について語ることのなかったバンド。とはいえ、決してないがしろにしていたのではなく、逆にボーカルのフレディ・マーキュリーにとって、信仰する宗教は人生の一部であったといっても過言ではない。彼が信仰していた宗教。それは「ゾロアスター教」だった。
■音楽に情熱を注いだ学生時代
中央アフリカ東部に位置するタンザニアのザンジバル島に生まれ、一家のルーツであるインドで育ったフレディ。彼は小さい頃から音楽が大好きで、レコードにあわせて歌う遊びが大好きな子どもだった。そんな彼の類まれなる音楽の才能を見いだした校長の強い勧めで、7歳の時にピアノを習い始める。そして、12歳の時に同級生とともにバンド「The Hectics」を結成。メンバーはみんな寄宿舎学校の生徒であったため、演奏するのは学校のイベントのみに限られていたが、バンド活動を通して、フレディは音楽への愛をどんどん深めていった。
高校卒業後、フレディはザンジバル島に戻り自由気ままな暮らしを過ごしていたが、17歳の時、内乱が起こり、家族と共にイギリス南東部のミドルセックスに移住。大学進学を目指した彼は、近所のアイルワース学校に通い出し、空いた時間にヒースロー空港でのケータリングのバイトや、倉庫での荷物移動などの肉体労働をするようになる。目標に向かい努力を重ねたフレディは、1966年9月に見事イーリング・アートカレッジに進学。ここで親友となったティム・スタッフェルのバンド「スマイル」のメンバーが、後にフレディと「クイーン」を結成することになるブライアン・メイとロジャー・テイラーだった。フレディはティムとスマイルの影響で再び音楽に情熱を注ぐようになり、1971年「クイーン」を結成。誰にもまねできない卓越した音楽テクニックとオリジナリティー溢れるサウンドで、世界中を魅了し、数々の伝説を作り上げていったのだった。
■ゾロアスター教の教えが隠されている?
ゾロアスター教は、今から約3500年前に古代イランの預言者ゾロアスター(ザラスシュトラ)の宣教によって生まれた、世界最古の宗教のひとつ。アフラ・マズダーを神とあがめ、この世とは善と悪の争いの場であると説いているのが特徴だ。世界で最も勢力のある宗教だった時期が約1,000年間続き、日本のお盆もゾロアスター教が由来だという説もあるほど。しかし、今では信者数はごくわずか。5年前の米ニューヨーク・タイムズの記事によると、現在の信者数は、インドのボンベイに任むパールシー教徒を中心とする19万人あまり。フレディの両親は、ペルシャ系インド人のパールシー。そう、彼はゾロアスター教を信仰する家庭に生まれたのだ。
フレディは8歳の時、ゾロアスター教の洗礼にあたる厳粛な儀式を受けたと伝えられている。司祭が祈りを捧げる中、お清めの水に身体を浸し、永遠の火の前で祈りと誓いの言葉を述べた。儀式を終えた幼い彼の身体には、純潔と純粋を象徴するスダ(sudreh)という白い布が巻かれ、羊毛で作ったクシュティーと呼ばれる紐が結ばれたそうで、見守っていたパールシーの仲間たちから大きな祝福を受けたそうだ。
多くのロックスターたちは学生時代を振り返るとき、「つまらなかった」「窮屈だった」と否定的に発言するが、フレディは「素晴らしい日々を送った」「寄宿舎で過ごした時は、何にも変えられぬほどだった。本当に楽しかった」とコメントしている。ゾロアスター教は寛大さと情け深さが特徴の宗教であるため、そのことがフレディにポジティブな影響を与え、前向きな性格を形成したのかもしれない。
フレディは、ロックスターらしい派手な生き方をしたとも伝えられているが、実はゾロアスター教では、飲酒や牛・豚・羊などの肉を食べることを禁じていない。がんじがらめにすることをしない宗教であることから、フレディは何の心配もなく、ロックの道を突き進むことができたのだろう。
なお、ゾロアスター教では同性愛を認めると一部で伝えられているが、禁じているという見方が有力だ。フレディが生前、男性とも性交渉をするバイセクシュアルだったことをあまり話さなかったのは、宗教に反することであり、両親を悲しませるからだとされている。また、フレディ自身は平凡な家庭を築くことに強い憧れを抱いていたそうだが、ゾロアスター教は父親が信者でなければ信徒となれない、父親からのみ受け継がれる宗教であり、子孫を残さなければならないという意識が彼の中にあったからだとも言われている。
世界を魅了し続けたロックの帝王フレディは、1991年11月23日、かねてよりうわさされていたHIV感染を認める声明を発表。翌日24日、HIV感染合併症のひとつであるニューモシスチス肺炎により45歳の若さでこの世を去った。
葬儀はゾロアスター教の司祭により、厳かに執り行われ、フレディの遺言により、親族と親しい友人のみの小さなプライベートな式となった。ちなみに、ゾロアスター教にのっとり鳥葬を希望していたという説もあるが、イギリスでは許可されていないことから、最初から予定されてはおらず、単なるうわさだったとみられている。
独特な宗教と風習の中で誕生し、成長し、神に見守られながらこの世を思う存分楽しんだフレディ・マーキュリー。生前、自分の音楽には一切の宗教色はないとコメントしていたが、「ゾロアスター教のメッセージが隠されている」といううわさも流れており、死後20年が経った今も、彼の宗教観は注目を集めている。
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