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Photo By sin tec from Flickr

 霊感タロット占い師歴16年のK先生に「『こんなお客さんには正直、困った』というエピソードを教えてください」と尋ねると、冒頭のような言葉が返ってきた。

「相談者に『呪いの方法を教えて欲しい』と真剣に言われた時は、まいりました。でも、呪いとまではいかなくても、誰かに復讐したくて占い師を訪れる方は割といらっしゃるんですよね」

 信じていた恋人や結婚相手に浮気をされたり、別の人に寝取られたり、家族やビジネスパートナーに金銭面でだまされたりして、「この人に裏切られたんですけど、どうしたらいいでしょう?」という相談者を霊感タロットで占うと、どう鑑定しても「裏切った相手をどうしたら痛い目に遭わせられるか」と相手の不幸を無意識に考えていて、相談者の心の中はドス黒いエネルギーが渦巻いていることが多いという。

 その場合はカウンセリングをして、相手の不幸ではなく自分の幸せに目を向けるように諭していくそうだが、一筋縄にはいかない。それは「意図を持って復讐や呪いを望んでいる場合」があるからだ。呪いといえば、たとえば「丑の刻参り」のように、藁人形を木にくくりつけて丑三つ時に五寸釘で夜な夜な打ちつける、というイメージが強いのだが、実際にはどのように行うのだろうか。

 K先生は苦笑いしながら答えてくれた。
 
「具体的な方法は教えられませんよ。でも、人を呪うということは、ものすごく大変なことなんです。一生かかると言ってもいい。呪いのターゲットを決めたら寝食や仕事もそっちのけで、四六時中、相手が不幸になることを考え、常に呪い続けなければいけないんです。でも、普通に生活していたら不可能ですよね。お風呂でボーっとリラックスしてしまう時もあるし、友だちと飲んで笑って、テレビやネットを見て感心したりという時間もあるでしょう? どんなに怨念を込めて呪い続けていたとしても、その人がちょっとでも楽しさに包まれたら、その瞬間に呪いの効力はゼロになってしまう。つまり、今まで呪ったエネルギーは無駄になります」

 さらに、常に呪い続けている時は、自分自身に対しても盲目になっているという。

「『あなたの人生のすべての時間を呪いにかけることができますか?』と一応、覚悟をお尋ねするんですよ。たいていの方は「はい」とおっしゃるのですが、実は、鑑定に来た時点で呪いのエネルギーは解けているんです。相談している間、少なくとも意識の何%かは私や呪いの方法に向かっていて、相手に向かっていないわけですから」(K先生)

 このような理由で、「呪うことは不可能です」と先生が伝えても、自分の足下が見えなくなっている相談者には、なかなか理解してもらえない。そういう意味で、意図的に誰かを呪ったり復讐したりしたい人は、自分自身に対しても盲目で、一筋縄ではいかないのだ。

 もし、あなたが今、誰かが疎ましくて復讐したいという気持ちがあったり、ましてや呪いたいと思っているとしたら、そのエネルギーを自分が幸せになる方に向けた方がよほど建設的だし、相手に幸せになった姿を見せつけた方が、呪いなんかよりも何倍も効果があるのではないだろうか。

 よく、呪いは自分に跳ね返ってくる、というけれど、それは因果応報的な意味だけでなく、時間的な意味合いもあるのだ。楽しく幸せになれるかもしれない自分の人生の貴重な時間を、呪いたい相手のために使わないといけないのだから。

 ちなみに、占い師が、鑑定した相談者から恨みを買って呪われるということはあるのだろうか?

「ありますけど、さっきもお話したように、呪いの範囲に入っていませんね。あらあら、あの人のエネルギーが来てるな......という感じ。塩水を飲んだり、塩を入れたお風呂に入ったり、お散歩したり、好きな音楽を聴いたりして気分転換すれば、たいてい弾けますね。部屋の中にも、普段からセージという浄化ハーブやクリスタル、植物などを置いて結界を張ってますし。よほどの時はお祓いに行けば一発です。同時に、その方の幸せをお祈りして、ね」(K先生)

 明るく楽しく過ごしていれば、呪いはもちろん復讐やネガティブな影響は受けないのだとか。これは占い師だけでなく、一般人の私たちにも当てはまるのだそう。
 
 本人は「この世の終わり」とばかりに懸命に呪っていたとしても、ポジティブな人間からしたら塩水や音楽で受け流せる程度で、全然たいしたことはないのだ。呪う方からしたら、なんとも気の抜ける話ではないか。
(丸山桜奈)



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