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今回お話を伺った、メンタリストのDaiGoさん

 占い師に「アナタ、彼と別れるわね」「3カ月後には仕事がうまくいかなくなるわよ」とズタボロに言われ、すがるようにありったけの開運グッズを買う――身に覚えのある方々、それは悪い占い師の思うツボかもしれません! 世の中には、お客さんからしこたま吸い上げる占い師が存在するのは事実。著書『DaiGoメンタリズム 誰とでも心を通わせることができる7つの法則』(ワニブックス)で、「占いにも超能力にも、すべてタネも仕掛けもあります!」と豪語しているメンタリスト・DaiGo氏に、占いとの付き合い方、占い師の選び方をご指南いただきました。

――占いや超能力のような、不思議な力のカラクリが分かるとのことですが、"メンタリスト"とは一体......?

DaiGo氏(以下、DaiGo) メンタリストは、心理テクニックや錯覚を利用して、人の心を読んだりコントロールしたりできる手法「メンタリズム」の使い手です。これは何もサイキックパワーがあるから使えるということではなく、科学・心理学などを応用した学問のようなもので、学べば誰でもできることです。僕も、超能力も霊能力も何も持たない、ただの大学院生ですよ(笑)。メンタリストは、昔から姿形を変えて存在していて、古くはユリ・ゲラーやサイババ、祈祷師、そしてもちろん占い師もメンタリズムを使っています。

――不思議な力があることで有名になった人たちは、皆"メンタリスト"ということですか?

DaiGo そうです。それを、タネや仕掛けを明かさずにやるから驚かれるわけですが、彼らは理屈を全部分かった上でやっています。なかには、気付かずにやってる人もいますけどね。例えば占い師の場合、メンタリズムを理解して占いに応用している人もいれば、逆に、小さな頃に何か言い当てるような出来事がたまたま続き、"自分には力がある"と信じ切って今も天性の勘で占いをしている人もいるわけです。

――占いに理屈が存在するなら、なぜ占いが当たると思ってしまうのかにも理由があるのでしょうか?

DaiGo ひとつは、人間の記憶力の問題です。「エビングハウスの忘却曲線」という理論によると、人間の記憶は20分で、どんなに記憶力の良い人でも40%くらい低下するんです。そして、残りの60%はどんな記憶かと言うと、面白いと思ったことや、驚いたことなど自分の深い感情と結びついたものなのです。逆に言えば、占い師にハズレてることを言われても、ハズレてることは『すごい、当たってる!』と感動しないから、記憶に残らないんですよ。だから、極端に言えば、10個言われたうちの2個しか当たらなかったとしても、その2個が記憶に残り続ける、という仕組みです。

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フォーク曲げも、理屈さえ分かれば誰でもできる
んです。そこのあなただって......

――それじゃあ、当てずっぽうに言われてても、結果的には"当たってる"と思わされてしまうってこと......?

DaiGo もちろん、当てずっぽうではなく、ある程度当たるようなテクニックも使っているはずです。人は皆、同じようなことで悩んでいますので、男性か女性か、既婚か未婚か、彼女の有無、年齢で、ある程度の悩みが絞れてしまいます。「今日はどんな悩みでいらしたの?」とお客さんと対峙した時点で、性別や年齢という情報は得られますよね。そして、お客さんが「実はうちの夫が......」と話し始める。この時点で、相手が既婚だと分かる。夫の悩みと言えば、浮気か、仕事の悩みか、ほとんどこの2択です。ここで、お客さんがすべて言い終わる前に、「浮気ね」と言う。これで当たってたら、「この占い師すごい! 本物だ!」とお客さんが驚き、その後何を言っても信じてしまう土俵ができます。メンタリストもよく使う手法ですが、最初に驚かせると、相手の心を開かせることができるんです。

――「この占い師には見透かす力がある」と信じ込ませるんですね。でも、もし悩みの内容が浮気じゃなかったら大ハズレなわけで、信用が下がると思うのですが。

DaiGo 「浮気ね」と言ってハズレだったとしても、「だとしたらおかしいわね、タロットで見てみましょう......。やっぱり、カードによると、浮気の相が出てるのよ」と断言して、相手の不安感や疑心暗鬼を作る技法もあります。この、"不安感や疑心暗鬼を作る"というのがポイントで、感情に波風を立たせることで、相手の性格を読みやすくするんですよ。「あなた死ぬわよ」「地獄に堕ちるわよ」と予言する有名な占い師がいましたが、それと同じ。それに対する言い返し方で、気が強い人なのか、弱い人なのか、感情をぶつけるタイプなのかそうでないのかの情報を得て、占いを当てる材料にするのです。

――でも、占い師の先生にそうやって断言されたら、たとえハズレてても信じないとバチがあたる気分になります。

DaiGo そこもミソなんです。占いの場面は"アドバイスを聞きに来ている"という場ができている。電車の中で知らない人に「あなたの旦那は浮気してるわよ」と言われてもまったく響かないと思うけど、占い師の先生に言われると飲み込んでしまう。

――では、占いとはどう付き合っていけばいいのでしょうか?

DaiGo まず、占い師のことを「先生」と呼ばない方がいいですね。これは、「権威催眠」と言って、「先生」と呼んだ瞬間に上下関係ができてしまいます。人間は、上の立場の人の言うことは、つい飲み込んでしまうもの。占い師とはあくまで対等な立場でいて、占い師の言うことすべてを鵜呑みにせず、単なる一意見だと思うことです。だから、"不思議な力で言い当ててもらう"という感覚で臨むよりも、"自分のモヤモヤを聞いてもらう"、といったカウンセリングのような使い方をするのがいいと思います。

――占いに行くのは大抵悩んで弱っているときだから、占い師にすがらずに対等でいるのは、言うほど簡単ではなさそうですね。

DaiGo 占い師に完全にすがると、「あなたの運気は最低だから、私の言うことを聞きなさい、このグッズを買えば救われるわよ!」とリピーターにさせたり、お金を使わせたりするような悪い占い師の思うツボ。占い師の言うことを聞かなくても、バチなんて当たりませんから(笑)、自分に合わないなと思った占い師のところに何度も通う必要はないんですよ。

 話を聞きながら、筆者の頭の中には、数年前に霊視してもらったとある占い師の顔が浮かんでいました。席に座るなり、「アナタの家には神棚があるわね!」「アナタ、ロクに墓参りしてないでしょ? 墓参りに行かないと、2カ月後に仕事がなくなるわよ」と言い放った、その占い師の"先生"。「このままじゃ仕事も恋愛もダメなままだから」と、開運グッズをひたすら勧めてくるばかりか、開運グッズは一年に一回、浄化しに来てほしい、と念を押されました。

 結局、私はその後も墓参りを怠ったのですが、別段仕事がなくなることはなく、こうして今も原稿を書いています。また、いくら家中をくまなく探しても、神棚は見つからなかったのは言うまでもありません。開運グッズ、買わなくてよかった。
(朝井麻由美)

DaiGo(だいご)
日本で唯一のメンタリスト。「すべての超常現象は科学的に再現できる」を信条に、科学・心理学にもとづき超常現象を解析し、暗示、錯覚、トリックなどを用いて超常現象を再現するパフォーマンス"メンタリズム"を行うメンタリスト。本著は初著書。スプーン曲げや、心を見透かす読心術など、再現される超常現象は多岐に渡る。



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