――神社に行っただけでご利益があると考えてはいないだろうか? 神社を参るときは、何よりも失礼がないようにするのがご利益への第一歩。神主や神職者が教える神社の作法を学んで、たっぷりとご利益をいただこう。

【第7回 神様とご利益の関係】

supitori.jpg
まつられている神様のことを知れば、むやみやたらと神社巡りをしなくても
よくなるかも!?

 占い、風水、パワースポットなどのブームのおかげで神社仏閣に参拝する人も増えてきました。自分のお願いを聞き入れてもらおうと熱心に参拝することも大切ですが、いろいろな場所を巡るのなら、そこの神社やお寺の歴史などの成り立ち、神話、まつられている神様(ご祭神)などにも目を向けてみてはいかがですか? 神社や神様に対する理解が深まれば、開運のヒントを見つけられるかもしれませんよ。

■マンガでもOK! 神様について勉強しよう

 何よりも重要なのは、「ご祭神(ごさいじん)」です。ご祭神とは、神社にまつられている神様のことを指します。神社でご利益が明言されている場合は、このご祭神のご神徳(ごしんとく)=神様の功徳・能力によるものが多く、ご祭神のご神徳をいただくことをご利益と言います。

 ご祭神のご神徳は、歴史や神話などの成り立ちが大きく影響しているので、それらを学ぶことで神様を知り、自己の開運のヒントにもなります。神様あっての神社ですから、きちんとご利益をいただくためには、その神様がまつられている歴史を知ることで開運の近道になります。ただ、小さい神社ではよく分かっていないことがあったり、一般に広く公開されていない場合もあります。明治維新(主に神仏分離)後に神様の名称が変更されてしまったりと、明確になっていない場合も多々あるので注意が必要です。

 日本神話は、古事記と日本書紀の前半部分が一般的に認められているもので、現代語訳で読みやすくなっているものやマンガになっているものもあります。いろいろな出版社から発行されていますので、ぜひ一度手に取ってみていただければ、神様をより近く感じられるのではないかと思います。

■ご利益はどうやって決まるのか?

 ではご利益の内容は、どうやって決まっているのでしょうか? 

 先に述べたように、ご利益はそこにまつられているご祭神のご神徳が関わってきます。神社にまつられている神様が神話でどのようなことをしてきたのか、どんな性質だったかという話を元に、現代に対応するご利益が考えれられているのが一般的です。

 例えば、京都の繁華街にある錦天満宮。「天満宮」は学問の神様でおなじみの菅原道真をご祭神とする神社です。菅原道真のような実在の人物であれば、生前の実績などから、「学業成就」がご利益とされることが一般的です。錦天満宮は京都の台所として知られる錦市場の中にあるため、学問の神様から転じて「商才」となり、今では、学業に加え商売繁昌のご利益もあるといわれています。このようにご利益には、神話や歴史での活躍、まつられている人物の実績のほか、その土地、その神社独自の由来から、特別なご利益があるとしている場合もあります。

 日本の神様の中でもスーパースターである「大国主命(おおくにぬしのみこと)」は出雲大社の縁結びの神様で、有名な「因幡の白兎」の話の主役。神話でさまざまな活躍をしているため、限りないほどのご利益が挙げられます。また、仏教の神様である大黒天と同一視され、大黒天のご利益である財神の性格も持ち合わせました。

 また、恋愛に効くといわれている人気の神社にまつられている「木花咲耶姫命(このはなさくやひめのみこと)」。天照大神の孫・邇邇芸命(ににぎのみこと)に美しさを見初められ、結婚し子どもを身ごもるのですが、神話の中では、実はその美しさと併せて、強い女性の一面も出てきます。夫に浮気を疑われたために産屋にこもり、そして産屋に火を放ってその中で子どもを産んだそうです。まさに母は強しのエピソードですが、ほかにも神社によっては「酒作りの神様」としてもまつっているところもありますから、一人の神様でもご利益はさまざまです。
 
 このように、神話で語られる神様の活躍は知れば知るほど新しい発見があり、教訓や人生のヒントになる可能性もあります。なぜ大国主命がウサギと一緒にいるのか、縁結びの神様なのか、などが分かると面白いと思います。ご祭神のことを知っていると神社の理解も深まり、ご参拝がより楽しくなることでしょう。
(中津川昌弘+編集部)

■神主が教えるスピリチュアルトリビア・バックナンバー
【第1回 鳥居のくぐり方】
【第2回 手水、神前の作法】
【第3回 心霊写真の対処方法】
【第4回 お札と神棚の祀り方】
【第5回 参拝時の服装】
【第6回 御朱印】

中津川昌弘(なかつがわ・まさひろ)
米国留学中に日本文化の重要性に気づき、現在まで伝統文化や神社仏閣の研究を重ねている。日本文化を海外に発信しようと、僧侶、神職とも交流を深め、忘れられてしまった日本の風習などに光を当てるために活動中。現代神社と実務研究会理事を務める。著書に『日本のおまもり』(徳間書店/共著)がある。
ハッピーお守りライフ






オフィシャルアカウント&モバイル
  • twitter
  • facebook
  • RSS
  • モバイル用
  

ハピズムをBookmarkする