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テニスコートを離れ、めかしこんだおふたり

――実力だけでは生き残れないハリウッドという世界に生きるセレブ。彼らを支えているパワーの源、幸運をもたらす見えざる手を分析します。

■今回のターゲット
ビーナス & セリーナ・ウィリアムズ (エホバの証人)

 女子テニス界にパワーテニスを持ち込み、テニス版タイガー・ウッズと称さているウィリアムズ姉妹。現在も、女子テニス界の人気を支える存在である。

 1980年6月17日にカリフォルニア州リンウッドで誕生したビーナスと、81年9月26日にミシガン州サギノーで生まれたセリーナは、スポーツ熱心な父リチャードの指導のもと、テニスを始めた。姉妹はずば抜けた才能を持っており、90年に全米プロテニス協会お墨付きのコーチ、リック・マッチのテニス・アカデミーに入門してからは、めきめき腕を上げ、トーナメントを総ナメするようになった。しかし、アカデミー内での黒人差別と、学問を優先させたいことから、父は姉妹の試合出場回数を減らし、95年にアカデミーを辞めさせてしまったのだ。

 その後、父のもとで本格的なプロデビューに向け特訓をした姉妹は、97年からWTA(女子テニス協会)ツアーに本格的に参戦。ふたりのパワフルなプレーはたちまち注目されるようになり、翌年には世界ランキングトップ10入りを果たした。98年には姉妹で4大大会の混合ダブルス部門を独占。99年にセリーナが全米オープン優勝、翌年にビーナスもウィンブルドン選手権を制覇した。

 黒人ということで試合中にブーイングを受けたり、嫌がらせをされたりしたこともあるという姉妹だが、卑屈になることなく、常に凛としてきた。なぜ、彼女たちはここまで精神的に強いのだろうか? その理由は家族の強いきずなはもちろんだが、「エホバの証人」の教えだとも伝えられている。

 姉妹の母は敬虔なエホバの証人信者であり、ビーナス、セリーナを含む5人の娘たちも幼い頃に洗礼を受けた。母はホームスクーリングで姉妹たちを教育。エホバの証人信者でない父親も学業熱心で、「テニスと学業なら学業が先」という信念を持っていたため、姉妹は人生における軸が何なのか、優先順位は何なのかをしっかりと持つことができた。セクシーなテニスウエアをデザインし「健全なテニス向けではない」「ノーパンみたいだ」と陰口を叩かれることもある姉妹だが、婚前交渉などありえないと公言するほど身持ちが堅く、品性の良さで知られている。これもエホバの証人による教えのたまものだ。

 ビーナスは98年に米「ASAP Sports.com」のインタビューで、「同じ信仰を持たない人とは、あまり深く付き合わないようにしている」「集会には、週に3回参加している。とても励まされるし、多くを学べるの。物事をきちんと理解するために、もっともっと学び続けるわ。戸別訪問もしていたけれど、今はツアーに出場するため家に居ないことが多いからできないの。有名になればなるほど、難しくなるでしょうね」とコメント。

 セリーナも、07年に英紙「Guardian」のインタビューを受け、「ツアー中、マリファナを吸ったり、悪いことに手を出している人も多く見るけど、私は絶対にしない。だって、神さまが望まれることではないから」と語り、エホバの証人の教え通りに誕生日もクリスマスも祝わず、時間のある時は聖書を読みふけるとも告白。「今、『創世記』を読んでいるところ。たったの7日間で神さまがこの世を創る過程を知ることができるのよ」と語り、進化論などを信じない点についての矛盾点を突っ込まれると、「私は聖書を信じてるから」と、サラリとかわしていた。00年に受けたマスコミの取材では、プロ選手になっても戸別訪問を続けている、これからもする、と発言している。

 また、オバマ大統領が選挙に勝ったときも、「黒人初の大統領誕生に、すごく興奮している」とコメントを出したものの、「私はエホバの証人だから選挙で投票はしない。だから、オバマ大統領にも投票しなかった」と述べるなど、「この世の政治に関わるべきではない」というエホバの証人の教えをきっちり守っていることを明かした。
 
 敬虔なエホバの証人、信者の鑑、とされる姉妹だが、大会で優勝するたびに、教えに反することをしていると非難されることがある。エホバの証人は偶像崇拝を禁じており、国旗・国歌も偶像と見なし、国旗敬礼や国歌斉唱も拒むよう教えられている。しかし、姉妹は世界大会やオリンピックでアメリカの旗を持ち、国歌を斉唱している。この点がおかしいと、一部の信者たちから強く抗議されているのだ。

 ちなみに、ビーナスは、オリンピックで優勝した時アメリカの旗を持ち、「今、私は人生の一瞬をつかんだの。国のため、家族のため、チームのための一瞬でもあるわ」と発言しており、アメリカを代表するものとして、表面上この行為をしているのだろうと受け止められてもいる。

 有名選手であるがために、プライベート姿もよくパパラッチされるウィリアムズ姉妹。リッチな暮らしをしていると叩かれたりもするが、セリーナは「Guardian」のインタビューで「だって、すごく働いて得たお金なのよ。神さまが罰を与えるわけないと思うわ」「私は父の方針で2歳のころから働いてきたの。最初は電話帳を届ける仕事だったわ。毎日汗水たらして働いて来たの。そうして得たお金だから、神さまだって認めてくださるはずよ」と反論。父親の「テニスは人生のほんの一部なのだから、早く引退しなさい」「23、24歳で引退すべきだ」という意見にも、「その時が来れば、神さまがサインをくれるはず」と言い、故障に苦しみながらも神を信じて現役を続けている。

 一番上の姉が殺害された時も、両親が離婚し、父親が自分たちと同年代の若い新妻をめとった時も、体調が悪く思うようなプレーができず酷評されたときも、道を外れることは決してなかったウィリアムズ姉妹。09年の全米オープンの準決勝で、審判の判定に不満を爆発させたセリーナが暴言を吐き、約6,400万円という罰金を支払わされるというハプニングもあったが、ふたりはこれからもエホバの神に守られながら、聖書の教えに沿った正しい道を歩んでいくことだろう。






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